第10話―表参道で遭遇した先輩から嫌な顔をされた再開―

喫茶店で簡単な個性的な自己紹介を終えてから好きな話など心底どうでもよさそうな話が続く。

冷静に考えたら小説の実験にならないか?

現役高校生リア充なんて、なかなか実験する機会はなかなか無いはず。


「君達に問いたい。リア充という生き物は積極的に動き、

よくも知りえない相手にすぐ友達しようとする動機を教えてほしい」


「えっ!?動機と言われても・・・ねぇ」


「うん。難しいかな?」


樋口市踊は困惑し隣の明泉あけいずみに同意するような問いをする。明泉は頷いて僕に苦笑をこぼす。


「おーい!なに変な事を訊いているんだよ。ごめん、コイツ自由気まま過ぎるというか、悪い奴じゃないんですよ」


二人の反応が可笑しいと感じたのか、慌ててフォローする友の島崎は俺の肩をやや強く叩いてくるのは気をつけろと忠告ようなものだろう。

しかし知識を人は得ようとするなら何でもするのが人のさが


「何も哲学な意見を聞きたいわけじゃない。動物的な本能を知りたいのだ。まるで空気を吸うようにして友達を作るコツを」


「頼むから津島それ以上は先輩二人がドン引きしているから。

落ち着けよ。後で俺が答えてやるから」


頬を痙攣けいれんしているかのような二人のドン引きに、つい知識欲に駆り出されたと反省する。

まぁ、それも刺激されたら繰り返すが。それに津島が叫んで突っ込んだ事で悪目立ちしていた。恥ずかしくなった津島はすみませんと呟くように言うと腰を下ろす。


「お、面白いんだねツマツマは。いつもこんな勢いなの?」


明泉は自粛を求められる変な空気を変えようと明るく迷惑かけない程度で言う。ちなみに僕のあだ名はツマツマとなった。


「あ、あはは。そうだね距離感とか空気を読まないのかな?ううん、見えていないのかも」


「ねぇねぇジニアちゃん疑問系が多くない。なんだかゴメン!それに本人がいる前で失礼じゃないかな」


「そ、そうだよね。ごめんね津島くん親しみやすいとか思ってしまって」


「いや、別に気にしていない。

もっと酷い言われようもあったから平気だ」


まぁ急に謝ってきて咄嗟にそう酷い事と言ったものの傷つく程でもないし逆に攻撃的だと良心の呵責など無くてガンガン質問して最後は根負けして応えてくれる。

知りたいと思えばすぐに調べるのが僕の性質なのだが続ければ

傷つく可能性が高いと見てやめるとしよう。


「お詫びになるか分からないけどリア充がすぐ友達になるかだよね。えーと?」


樋口市踊は思い出そうとして手をあごに当てて記憶を探り始める。

どうやら罪の意識を覚えて真摯に応えようとしている。なんだか申し訳ない気持ちだ。


「やっぱり相性かな?後は危ない人じゃなかったらSNSで友達だね」


「どうやら聞く相手を間違えたようだ」


「なんかひどくない!?」


「あのー、お客様。店内ではお静かにお願いします」


樋口市踊の高い声をさらによく響くツッコミに定員から注意されたるのだった。

フム、やはり乙女にでも頼めばよかったか。

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