隣で。

鴇羽ほたる

願いを込めて

色のついた

紙切れに

いつも使わない

水性ペンで

ちょっと頬を染めながら

そよそよと吹く

風の涼しさに任せて


僕は願いごとを書いた


隣で君は

ちまちまと

ペンを

動かしている

一文字も欠かすまいと


僕はちょっと

弾んだ心で

紙切れを

そっと通した

頼りない紐で

結んだ


彼女は

僕の青い文字を読んで

目をまん丸にした


僕は

彼女の

桃色の字を

その可愛らしい字を

見て


ともに

そっと

空を見上げた


『2人でずっと一緒に笑っていたい』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

隣で。 鴇羽ほたる @hOtarupciphone783

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ