アユナの買い主

ある屋敷にある部屋で、小太りの奴隷商と幼い少女が奴隷の売買を行っていた。


ティーカップに入っている紅茶を少女が飲んでいると、奴隷商がアユナを幼い少女に見せながら言う。


「‥でっ、どうですか? こんな質の良い女は滅多に出回りませんよ」


「買います。いくら払えばよろしいのですか?」


そう幼い少女がティーカップをテーブルに置いてから言ったら、奴隷商は何かを企んでいるのか、不自然な笑顔で言う。


「本来なら5白銀貨ですが、特別に2白銀貨にまけときますよ」


すると、幼い少女は奴隷商を冷たい目で見つめながら言う。


「いえ、結構です。下手に貸しを作るのは良くないと思いますので」


幼い少女が五枚の白銀貨をテーブルの上に出すと、奴隷商は慌てるように白銀貨を受け取って言う。


「そ‥そうですか。じゃあ、私は次の仕事があるので、これで」


奴隷商が逃げるように部屋を出ていくと、取り残されたアユナは不安になり、手を震わせる。 


そんなアユナに幼い少女は言う。


「そんなに怯えないでください。これじゃあ私が悪者に見えてしまいます」


「す、すみません」


「貴方は私の専属のメイドになってもらいます。それと、今日からエリナと名乗ってください」


「分かり‥ました」


そうアユナが答えると、幼い少女は部屋にいる茶髪でロングヘアのメイドに言う。


「ミレア。エリナのメイド服を仕立ててください」


「かしこまりました、お嬢様。エリナ、付いていてください」


そうミレアは言ったら、アユナに話しかける。


ミレアに連れられてアユナが部屋から出る。


すると、すれ違うように年を取っている白髪の執事が部屋に入ってきて幼い少女に言う。


「お嬢様、アレスタン家のラフィン様がお見えになりました」

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強すぎた剣士は冒険仲間に裏切られ、悪役令嬢に拾われる~悪役令嬢は意外な事にお茶目でした~ 一本橋 @ipponmatu

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