錆びたナイフの特性
先程一階に逃げていた男女三人ともう一人の男性が、地下に続く階段の前で立っていた。
彼らは耳をすまして地下の様子を伺っており、黒髪で長髪の大男が沈黙を破って言う。
「静かになったな、もしかしてあいつが口顔を殺したのか?」
「そうかもしれんな‥誰か俺と付いてこい、地下を見に行くぞ」
そう茶髪で短髪の男性が剣を鞘から抜いて言ったら、長髪の女性がナイフを手に取って言う。
「私が行きます」
茶髪の男性が階段を降り始めると、大男が心配そうな顔をして腕を組ながら言う。
「お前ら、気を付けて行けよ」
すると、長髪の女性が口に手を当てて笑い出し、大男は頬を赤らめて恥ずかしそうにしながら言う。
「何がおかしい?」
「兄貴がそんなことを言うなんて意外です、可笑しくて笑いが止まらな‥」
そう言って長髪の女性が階段を降りようとすると、先に階段を降りていた茶髪の男性に当たってしまい、長髪の女性は慌てながら言う。
「すみません、サマハさ‥ん…?」
長髪の女性は茶髪の男性を見て驚く、何故なら茶髪の男性の首から血が溢れるように出ていたからだ。
茶髪の男性の後ろにはカセフ(マスフェス)が立っており、茶髪の男性を階段から突き落としながら言う。
「こいつも知らないのか‥。なら、お前はどうだ?」
カセフは階段から登ると、前に立っていた長髪の女性の首を片手で掴んで持ち上げる。
長髪の女性が首を掴まれてもがいていると、大男が斧を手に取ってカセフに向かって振りながら言う。
「クソ、エルナを離せ!」
すると、カセフは長髪の女性を盾にして大男を易々と右足で蹴り飛ばして言う。
「邪魔をするな、お前は俺には叶わない」
長髪の女性は先程の大男による攻撃で背中を斧で斬られおり、カセフは長髪の女性を離してから錆びたナイフで止めを刺す。
蹴り飛ばされて壁に寄りかかっていた大男に、黒髪の少年が驚いた顔をしてカセフを見ながら言う。
「兄貴! ‥あいつ、馬鹿力にも程…が‥」
そう黒髪の少年が言い掛けると、黒髪カセフに首をナイフで斬られて床に倒れ、大男は立ち上がって再びカセフに斧を振りながら言う。
「ふざけんな、余り調子に乗るなよクソ野郎が!」
しかし、カセフは大男の攻撃を避けて大男の心臓をナイフで刺されてしまい、大男は倒れる。
カセフは大男をナイフで斬ったため、錆びたナイフの特性でカセフには大男の記憶が一瞬の内に入ってきて、カセフは無表情のまま呟く。
「見つけた、アユナはそこにいるのか。今から助けに行くからな」
カセフが立ち去ろうとすると、かろうじて大男は生きており、立ち上がって斧をカセフに振るいながら言う。
「待て‥よくも兄貴を…俺の家族を」
だが、カセフはナイフで斧を受け止めて大男の腹に左足で蹴り、大男は蹴り飛ばされてしまう。
大男は諦めずに立ち上がろうとするが、近付いてきたカセフによってナイフで止めを刺されてしまう。
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