隠し事

「ただいま」

「おかえり」


何気ない、いつもの日常。


「疲れた~。今日の晩御飯、なに?」

「君の大好物の、ハンバーグ!」


幸せな、恋人の、何でもない。


…ピコン。


『今日は遊園地、ちょー楽しかった!!

 まさか、ゆう君があんなに絶叫系が苦手だとはね~

 新しい発見かな♡』



彼女が真実を知ったとき、どんな顔をするだろう。

罵るだろうか。嫌うだろうか。

でも、信じてほしい。僕が一番好きなのは君なんだ。


「最近の雄介、なんか忙しそうだったから、

 張り切っていっぱい作っちゃった」


あぁ、その優しさがつらい。

大好きなその笑顔が、痛い。

君を欺き、あの子を騙し、醜く成り果てた。。。






「ありがと。食欲そそられるなぁ~」


そんなことは、お見通し。

今日もあの子と会っていた。

だって、雄介は会社に香水なんてつけていかないじゃん。


「さぁ、たっくさん食べてね!!」

「いただきまーす」


大丈夫。嫌わないよ。ふったりしない。

だって、あなたはわたしが一番好きなんだよね。

なら、一緒にいてあげる。

あなたがどんなに最低でも、ひどい人でも、、、

私は、あなたが好きだから。でも。。。





なぁ、そこまで俺を大切にしないでくれよ。


ねぇ、もう少し上手に隠してよ。



「「こんなの、辛すぎるよ」」

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虹野一矢 @bigben131215

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