第12話 クッションになりたかった。

ー猫様は僕のことを下僕と呼んでいると思う。


猫様は時々寝っ転がっている人間の上に乗って寝ます。でもこちらとしては乗っていただきたい時と申し訳ありませんがお控え願いますという時が正直、あります。


別に下僕としては猫様に利用していただけるのは嬉しいことで、嫌ではないのですが、腰を痛めるのでなんとも…


カプッ


ひぇぇ!猫様、すみません‼︎



さて、ある日のことです。


僕は母から某SNSで連絡をもらいました。


「猫が背中の上で寝ている」


と。


僕は家に帰ってやるべきこと大体済ませてから猫様のすぐ横でゴロンとして見せました。


「猫様、僕の上に乗ってください!」


猫様は僕のすぐ横で焦らすようにコロンと丸くなり、尻尾で僕の背中をぺちぺちと叩きます。まるで


「下僕の背中なんかに興味なんてないわよ。」


と言っているかのようでした。


でもその時の僕はなんとしてでも乗ってくつろいでいただき、猫様のもふもふ感を堪能したい!と思っていました。


こうなったら。


僕は母に頼んで強制的に乗せました。


猫様は「嫌よ」と鳴きました。


ふみふみと僕の背中の上で回転した後、ドスッと座りました。


これ見よがしに毛づくろいをしていました。


僕は頬が緩むばかりでなんの効果もないと思ったのか、猫様は諦めたかのように眠ってしまいました。


後書き


真っ黒になって無防備になった猫様の肉球を母がぷにぷにして楽しんでいました。

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