第10話 ハンモック

 御節介もほどほどに。

 ―猫様は僕のことを下僕と呼んでいると思う。



 ある日のことです。


 猫様には快適な日々を送っていただきたいと思っている僕は、母に頼んで猫様のお気に入りのハンモックを洗ってもらいました。


 さて。



 猫様の様子が変です。



 視線が突き刺さるように痛いのです。



 僕は母ににゃいんで尋ねました。


『ママ、猫様からの視線が痛い。』


 ぴこん


『ハンモック、そろそろ乾いてない?』



 僕は慌てて外に飛び出し、竿から青いハンモックをひったくって猫様の待つゲージの前まで走りました。


 慌てるあまり、なかなかフックが格子に引っかからず、イライラしましたが、なんとか取り付けました。



 猫様はバタンッと目にも止まらぬ速さでハンモックに飛び乗り、そこから安心して座り込んだ僕を見下ろしていらっしゃいました。



後書き


結局、母が洗い替えのハンモックを作りました。

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