第8話 愛を…

 しつこいと嫌われます。愛を伝えるのは相手が嫌がらない程度に。


 ―猫様は僕のことを下僕と呼んでいると思う。




 僕の後ろで猫様がまん丸になっていらっしゃった。その綺麗な黒い背中を眺めながら、僕は思ったことを猫様に尋ねてみました。



「猫様、猫様って、人になったら、とぉっても美人さんで、すんごい所作が綺麗な人で、かつ、モテモテだよね〜。」


 猫様は五月蝿いと言わんばかりに尻尾をペシンペシンと僕にぶつけになる。



「おめめもガラス玉みたいに綺麗だし。尻尾もキュートで、なんといっても耳とこの黒さが好き〜。」



 静かに座っていらっしゃる猫様が愛おしくて。


 思わず猫様を撫で回してしまいました。



 …僕の手首に3本の赤い線ができました。



後書き


そして僕の手首には未だ赤い線が3本あります。

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