第4話 人見知り

 猫様大好きです。


 ―猫様は僕のことを下僕と呼んでいると思う。



 猫様は人見知りです。お客様が来ると猫様はどこかへ避難なさります。ゲージの中や、タンスの上、猫様用こたつの中、机の下…etc.



 でも猫を飼っているお客様が現れた時は少しばかり気になるのか、遠方からお客様をチラチラと見、御自身のゲージをチラチラと見、を繰り返します。


 僕はそんな猫様を見つけると、つい、悪戯心に誘われて猫様を抱っこしてお客様のところまで運んでしまいます。


 …猫様ごめんなさい。でも、やめられないのです。




 猫様は物凄い速さでゲージの中へ戻ってしまいます。まるで黒い疾風のように。

 忍者の残像のように。



 僕は猫様にハンモックの上からおててでベシベシと叩いていただきながら猫様の御飯容器に鰹節をのせるのでした。

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