Slow Time Magic
@wakige
第1話
この世界は職業という概念が存在している。
職業は人族の特権であり、魔族やエルフなどの異なる種族にはない。
一説では、人族と異種族の差を埋めるために神が人族に与えたものと言われていたりする
そして、人族にはあと三つ、異種族にはない特権を持っている。
一つは、レベルだ。レベルが上がると身体能力、魔力が上昇する。レベルの上限は200で100を超えるまでは大体100匹の魔物を倒すごとにレベルが上がっていくが、それ以降はある特殊な魔物を倒さなくてはあがらない。
もう一つが、ステータスポイント。これは、レベル上昇時に増えるものであり、自身の身体能力を強化することができる。ステータスポイントはレベルが100を超えてからあまり増えなくなる。
ステータスポイントのステータス上昇により、人生が決まるとも言われており、同レベルの魔法使いで、魔力に振っているのと、振っていないのでは大きな差がある。
そして最後の一つが、スキル。たとえば、ステータスに+補正をかける【闘気】や、魔力消費量が下がる【加護】など様々なスキルがある。
これらの
恐らく、人族に職業、レベル、ステータスポイントのどちらか一つでも欠けていたら、今程、人族は発展していなかったであろう。
特に、スキルとステータスポイントがなかったら人族は魔族に滅ぼされていたかもしれない。
それほどまでに、重要なものなのだ。
そして、俺、ギレイド・グランデは今、人生を左右する大きな決断を迫られている……
────────────
「ギレイド。早くステータスポイントを振っちまえよ。お前今、レベル100だろう?もうこれ以上貰えねえからさ、振ってもいいじゃねえか。つか、なんで一切振っていないのに、レベル100までいけるんだよ……」
たしかに、これからのダンジョン探索で、ステータスを一切振っていない俺では足手まといにしかならない。
さすがに、そろそろ振ったほうが良いだろうな。
「たしかにそうだな。だがなアルケス、俺はどれに振ればいいのか悩んでいる。魔力は論外だとして、力そして……素早さ。俺の候補はこの2つだが、どれがいいと思う」
すると、アルケスは呆れたようにため息をついた。
「うーん、力はわかるが、素早さ?いらないだろ。戦士の素早さは全職業中、ダントツで低いんだぞ。いくら素早くなっても振っても効果があるかと言われるとなぁ……」
「俺もそう思っていたんだ。だがな、昨日、レベル100になったときにこんなスキルを習得したんだよ」
「どれどれ、見せてみろ」
「ああ。『ステータスオープン』」
────────────────
レベル100 ギレイド・グランデ
《職業》
戦士
《ステータス》
HP 4000
MP 256
攻撃力 1000
防御力 700
素早さ 200
魔力 100
命中率 高
《スキル》
【闘気LVMAX】……発動するとステータスに+500の補正。レベル50のとき習得。
【女神の加護LVMAX】……魔力消費量が0.8倍になる。常時発動。レベル60のとき習得。
【終焉の帝王LVMAX】……自身の周囲200mの時間を5秒間、遅くさせる。インターバルは3秒程度。レベル100のとき習得。
────────────────
「……時間を遅くさせる能力だと?」
そう。俺は、レベル100になって、とんでもスキルを手に入れてしまったようだ。
レベル100になると強力なスキルを入手できると聞いたが、まさか世界に影響を与える能力だとは……
「ギレイド」
「なんだ、アルケス」
「素早さに振れ。そのスキルならそれが1番いい」
素早さの高い戦士か……。本来のタンクとしての役割を放棄しているようなものだが問題はないだろう。
全てのステータスを素早さを振ったらどうなるのだろう。
さすがにそこまではしないが。
「それにしても、ここまでイカれているスキルを俺は見たことがねぇよ。それに『終焉の帝王』って10000年前人族と戦った魔族の王様じゃねえか。なんでお前にそんな力が……」
たしかに魔族の王である『終焉の帝王』の名を冠したスキルが人族である俺に発現したのかは謎だ。
だがこの貰った力を使わないわけには行かないな。
明日のダンジョン攻略が楽しみだ。
存分に力を発揮させてもらおうか······!
Slow Time Magic @wakige
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