第215話
……この尊すぎる濃い血を、最愛なる妻が一族が
次の天子は………伊織がいいようにするだろう……どちらを選んだ処で、ただの天子だ。直ぐに天が決めた天子と
今上帝は暫くの間、深い深い眠りにつかれた。
余りに深い眠りについたので、それは尊きお方の呼び声さえ、気がつかぬ程だった。今上帝は尊過ぎるお方のお声で、その重い瞼を再び御開けになられた。
……何と思い切った事を致す者よ……
その声のする方に、御視線を御向けになられる以前から、眩しい程の光りに、今上帝は瞼を開けてはおられぬ御様子だ。
……実にそなたには難儀をかけるが、妃が言い出すと是非も無いのだ。あれは実に愛らしいものであるが、いかんせん私の事となると、何一つと譲る事を知らぬ……
尊過ぎるお方はそう言われると、ほぅ〜、と大きな溜め息をお吐きになられる。
そのご様子がとても温かく穏やかで、ただただ御優しき御姿を醸し出されておられる。
……実に私はそなたが不憫でならぬ。あれは大青龍を抱ける程の者ゆえ、多少の事は
と、それはお困りのご様子を、目いっぱい醸し出される。
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