第64話
「私と同じ……と申しますは
「何を卑下しておる?神使も瑞獣も同じだ……神使には眷属神が存在し、瑞獣は神獣だ。そして妖狐は
大鬼丸はサラリとなんか言ったが、朱明はスルーを決め込んだ。
もしかしたら、此処中津國では、そういう事なのかもしれないが、それはちょっと認めたくない朱明である。
そんな事をいったら陰陽師としての、全ての概念が狂ってしまう様な気がしないでもないからだ。
「……ならば退治も可能……という事か……」
朱明の声が小さくなる。
伊織が信じている瑞獣様が戻られる説が、思う存分揺らいでしまう。
「……朱明よ。その国で確かに、退治致しておらばの話しだぞ?第一我らは、そう容易く退治などされぬ。そなたがどうにかこうにか
大鬼丸が当然の様に言うから、朱明は異議を申し立てたい思いに駆られる。食われては堪らない。絶対に厭だ。
朱明は思わず、気にも留めずに言い張る大鬼丸を睨みつけた。
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