第3話 報告

 ミミックは宝に執着していた冒険者の魂が強い未練により宝箱に定着・変質した姿であると言われている。同様に、ベッドミミックもまた休息したいという想いを強く抱いたまま果ててしまった冒険者の魂が変質したものであると考えられる。

 ベッドミミックで休んだ者は疲れが取れないどころか休む前よりも疲労することから、休んだ者から精気を吸い取ることで糧を得ていると思われる。

 また、見るものによって外見が異なること、ベッドミミックで休む際に非常に強い快感を伴うことが報告されている。このことから、ベッドミミックはある種の幻覚魔法を用いていることが推測される。この幻覚魔法はモンスターに対しても有効であり、快適なねぐらに見せて精気を吸い取ることで生き延びているのではないかと考えられる。

 さらに、ベッドミミックはベッドの裏にあたる部分を見られることを嫌う性質があるようだとも報告されている。見ようとした場合、ベッドの脚を使って走り、逃げ出してしまうという。

 新たに遭遇したハウスミミックも精気吸収、幻覚使用の性質を持っていたため、ベッドミミックが成長した姿である可能性がある。成長の原因として、”三ツ目の大鬼”のような高位のモンスターから大量の精気を吸い取ったためでないかと考えられる。

 今後さらなる成長により、村やダンジョンのような形態に変化する懸念がある。大規模な事件とならないよう、速やかな発見と監視が望ましい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ベッドハンティング 全方不注意 @zenpofutyuui

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ