『大統領は、軍隊がお好き』後編

 ごき軍団に、命を守ってもらう事態が起こるとは、さすがのやましんも、夢にも見なかったです。


 ねこママ曰く


 『当日は、中継が入るんだって。ごきケーブルで、世界中に、なんだにゃんこ。解説者もつくんだって。やましんさんにも、ぜひ特設スタンドで観覧してほしいと。にゃんこ。』


 『特設スタンドって。どこ?』

 

 『二階のお布団の上だと。そこだけは、避けて通るからと・・・』


 『それ以外は、避けないと?』


 『まあ、やましんさんちは、障害物だらけだから、コースが複雑になるのは仕方がないと。』


 『家の中を、世界に中継する訳?』(半ごみ屋敷である。)


 『人間は見ないから、大丈夫だにゃんこ、だと。にゃん。ごきは、荒れてる方が好きにゃん。』


 『ぐわら~~~~~~。恥ずかしい。』


 『まあ、もう、今夜の事だし、いまさらしょうがない。やましんちのケーブルには、特別に接続したので。ごきケーブル・テレビが、見えるんだって。』


 『あそ。もう、好きにしたらいいさ。勝手にしやがれ。ドイツもコイツも、フランスも、イギリスも。』


 『その調子、にゃんこ。あたしは、ここで見学にゃんこ。』



 ************   ************



 『ぱ~~~~~~ん、パンパナパ~~~~~~~~~ン!』


 ファンファーレが響きます。


 『いよいよ、まちにまった、まやましんちのごき軍団による、パレードが始まります。リポーターの、『ごきまりや』ですごき。解説には、ごき軍事評論家で、ゴキ大学准教授の『ごき大作先生』においでいただきましたごき。』


 『ども』


 『ゴキ軍団の軍事パレードは、久しぶりとか。』


 『はい、ごき。1944年以来ごき。第2次世界大戦に警鐘を鳴らす意味で、秘かに行われたごき。ごきの食料も大幅に減少したからごき。しかし、知るごきは、もう、すくないごき。』


 『なるほどごき。あ、いま、ねこママのカフェからスタートしますごき。』


 『なんだあ? ママの店からかいな。つまんないな。秘密基地を、見てみたいな。』


 やましんさんが、つぶやきました。


 『まずは、第1歩兵大隊です。騎手は、ごきマロ軍曹。普通サイズの、くろごきですごき。』


 『彼らは、軽装備しかないごき。つっこみ専門ごき。しかし、自らの命を投げうって、突撃するごき。数の勝負ごき。動きは、早い。ごき。』


 『はい、ものすごい数ですごき。1万ごき、参加しているとのことごき。』


 『実際は、この5倍から、10倍は、いるとされます。正確な数は、極秘ごき。』


 『なるほど。ブラスが続きます。なお、行進曲は、ゴキ・トーヴェン作曲の『戦争ごきマーチ』ごき。』


 『名曲ですな。』


 『わくわくごき。先頭は、やましんさんちに、上がって行きますごきごき。』


 『あ、次はですな。これは、戦車部隊ごき。最新型、10式型戦車。全長9.42センチメートル、全幅3.24センチメートル。全高2.3センチメートル。0.44口径1.2ミリ砲のほか、機関銃も装備。当たりどころが悪ければ、人類でさえ、ケガする威力があります。ごき。その後ろからは、これも、最新型機動戦闘車No.1。こいつは、人類換算時速500キロ出ますごき。』


 『おーーーーーーーーーごき。ああ、大物が来ますごき。』


 『おお! これは、格闘応援部隊として参集した、ヤエヤママダラゴキブリの行進です。体長50ミリ近くになります。』


 『かっこいい! しびれますねえ、ごき。』


 『彼らは、家の外に普通いる種ですごき。』


 『ああ、さらに、いかつい連隊が来ます。』


 『これは、今回特別参加の、ヨロイモグラゴキブリですごき。体長80ミリに達する巨漢種です。人間の、ペットも努めます。今は、ランドヲーリア改訂版を担いでいます。電力を喰うのが欠点ですが、今回、ゴキ科学兵器開発機構にて、大分、改善されましたごき。ごき。』



 『うわあああ・・・・・・あんなのが、ここに上がって来るのかあ! えらいこっちゃ。『新発売ごきさんスヤスヤ』では、歯が立たないかもしれないなあ。いやいや、がまんだがまん。約束したんだから。でも、わるいけど、これで人類征服か?なんだか、わらっちゃいそう。』


 『あ、ミサイル兵器が来ましたあ。ごき。』


 『超音速ミサイルHSSV1です。ナッハ6で飛行します。人類換算、マッハ9です。核弾頭も装備できますが、主に、強力ガス兵器を搭載しますが、詳細はゴクヒとされるごき。人類には効果がないらしいですが、宇宙ゴキには良く効くとか。』


 『これは、すごい、今日の目玉ですか。』


 『さよう。宇宙ゴキさん、見てるかな。ごき。』


 『おーい、宇宙ごきさん、元気ですかあ。ごき。』



       **********



 ごき大将


 『あいつら、しっかり、挑発してるじゃないですかあ、ごき。』


 大統領


 『まあ、報道の自由ですから。ごき。』


 ごき大将


 『だから、言ったでしょう。むむむ・・・・(ひとりごち)これは、大戦争になるごき。』



          **********



 やましんは、まもなく、お布団の上で、『なまけものさん』のまくらを抱いて、固まって、いたのです。



 お布団の周囲は、もう、たいへんなことに、なってましたので、あります。


 


 ***************   ***************


                     おしまい   🚀 

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『小さなお話し』 その96 やましん(テンパー) @yamashin-2

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