あの日
そして起こったあの日。
会社で整備中、突然の地響き。
東日本大震災である。
立って居られず床に這いつくばる。
隙を見て外へ。
余震が続く。
オンラインメンバーからメール。
『大丈夫?』
起こった直後はまだ回線も混んでなかった。
しかし、連絡が取れないメンバーが1人いた。
彼は宮城県沿岸部である。
『……………』
住所と本名。
この頃になると、お互いオンラインの垣根を越えていた。いざとなれば、分かるが…もしかしたら。
それほど、絶望的な報道が流れた。
停電になった地域もある。
無駄に電力を消耗出来ない。携帯電話の充電も然り。
全員で相談し、無鉄砲にメールを送信するのを控える。
夜は茶の間でゴロ寝した。家族全員がテレビを見ながら余震に怯えて過ごす。
次の日、家のインターホンがなった。
既にガソリンスタンドは営業停止。
いつガソリンが買えるかも分からないため、考え無しに車を出せない。
近所の人かな?
ドアを開けると、立ってたのは同僚君であった。
彼と私の自宅の距離、10キロ程。
歩きで、両手いっぱいに食料を持ってきた。
我が家は米を親戚から1年分一気に購入する為、食べ物はあった。
しかし、野菜類は、確かに助かった。
「重かったでしょ?」
「大丈夫だよう!」
一言で言うと、これで私は陥落。
震災を期に交際がいよいよ始まった。
2人で近所のショッピングモールへ徒歩で向かう。
売れ残っていたのは、ホールトマト等『これだけあってもねぇ』と言うような物ばかり。
特にめぼしい物も無く、手ぶらで帰宅。
宮城のメンバーと連絡が途絶えている事を話す。
心配そうである。
と言うのも、彼らを掲示板で見つけ、私に紹介したのは同僚君であった。
普段はオンラインでボイスチャット。昼間に連絡事項があれば、掲示板でやり取り。同僚君はそのスレのロム専であった。
結局、一週間程して、ようやく連絡が入る。
「俺は無事!彼女も無事!」
よかった!
皆で無事を喜ぶ。
ポポポポーンのCMを見ながら、生活。
やがて、職場も作業再開。
病気も安定。
収入も、貯金をするようになる。
休日はデート。
月一で女子会。
職場も安定。
平日夜はオンライン。
禁煙外来。
これが、最後の治療。
たまに不眠になるが、気分に波はない。
やがて寛解。
こうして、私の20代は幕を閉じた。
もう少し、オフ会に行った記憶もあるのだが、なにせ躁転してると記憶も抜け落ちるのである。鬱の時は時間自体に興味が無い。
20代の3分の1以上の記憶がない。
20歳で鬱になってなんだかんだあって、友人が激減。
オフ会に行ったものの。
よくよく、電話帳を見れば分かる。
自分がどんなにしっちゃかめっちゃかになっても、付き合いが途絶えなかった友人知人。
何故その大切さに気付かなかったのか。
なんだかんだで、オフ会前にいたリア友はまだ付き合いがあったのだ。
趣味も違うし、歳も、性別もバラバラ。
いいじゃないか!
オフ会にこだわっていたのは私。
その間も、友人は友人だった。
もちろん、オフ会で知り合った人。
生主さんもうさぎくんも。
恵まれたオフ会生活だったな。
サイコで元ビッチの私がオフ会に行きまくってみた! 神木セイユ @kamikiseiyu
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