フレデリックを描いてみせることで、人間の深層を抉るような物語となっているのですね。唸りました。
昇り進む太陽のようなヤン。その光を浴びてすくすくと伸びていくジュール。しかし、それだけでは世界は成立しない。暗く湿った闇。常に在りながらも、見棄てられ続ける闇。
もしもフレデリックが自らの闇に向き合い、その闇を受け止めることができたなら。闇の奥底に、太陽にも匹敵する純なる光を見出だせたかもしれない。たとえ草木がその存在を知らずとも、静かに見守る夜の太陰たり得たかもしれない。
不穏な先行きがちらついてしまい、もうどきどきしますが、哀しきフレデリックに言葉を手向けたく。
作者からの返信
ここまで読み進めてくださり、コメントまで頂き恐縮です。このような内容で大丈夫かなあと思っているので、ご感想とても嬉しいです。
愛情はひとつ間違えば憎悪に変わる危険性をはらんでいますね。フレデリックのような屈折したものを秘めている人間は特に。彼に呪文堂さんの仰るような器があれば、静かに見守る存在になり得たかもしれませんが...。
ご想像どおり不穏な展開になりますが、どうかご無理のない範囲でお付き合い頂けたら幸いです。ありがとうございます!
皆さんのコメント面白いですね。想像、妄想をかきたてるフレデリック。フレデリック様人気を感じております!
でも確かに、屈折した心理が読者の関心を引き付けます。この人は本当はどういう人なんだろう?って気になりますもの。
プラトニック論を熱く語りながら、視姦してデッサンをする仄暗い熱意。嫉妬にかられながらも、それを表には出さない。そして最後の「破壊するまでだ」って……。
そう来ますかーーー!
透明なジュールに恋をしていたのですね。それが濁って見えるっていうのは……。フレデリックは高潔な理想を持つばかりに、裏切られると、針が反対に大きく傾いてしまうタイプなのでしょうか。
作者からの返信
フレデリックは良くも悪くも関心を持って頂けるようですね。仄暗い熱意って言葉なるほどです。彼に関しては説明なしで物語が進みますので、読む方がどんなふうに捉えられるかで印象が違うでしょうね。
あと、裏切られると針が反対に大きく動くって言うのはまさに言いえて妙です。裏切られるというより自分の思うようにいかないと、ですが。極端に針の振れる人間をこのあと見て頂ければと思います。
編集済
登場したてのフレデリック兄さんはなんだか怖かったのですが、
ピュアな方だと知ってからは、なんだかほっこりしています。(引き続きジュールに何かしないか危ういですけど)
まるで「好きだけど話しかけられない!素直になれない!」な10代の恋する乙女のようです♡
ピュアな心を持つフレデリック兄さんからすれば、ヤンの言葉の数々は本当に「下品な言葉」なんだろうな、とまた可愛いと思ってしまうのでした♡兄様好きです♡
作者からの返信
フレデリックを恋する10代の乙女に例えられるとは斬新でした!そういう目線もあるんですね…やっぱり色んな方に読んで頂けるのは有難いですね。
ただ、このあとの展開が…。
またご感想を聞かせて下さると嬉しいです。
柊圭介様、こんにちは😊
ヤンのストレートな言動で、フレデリックの秘めた心が明るみに出て思わぬ方向に行ってしまいそうですね。
善も悪も表裏一体、人間、誰もが奥底に持っている本来の姿なのでしょうが、その悪の部分が表に出た時のフレデリックの行動が気になります。
手に入らないのなら――。 破壊するまでだ。
ヤンがいない間が心配です。
作者からの返信
この美のこさん、こんにちは。コメントをありがとうございます!
ヤンは良くも悪くもストレートな性格ですね。この部分は先の方にも出てくるんですが。
フレデリックには人間の心の底にあるドロドロしたもの、二面性といったものを体現させています。捻じれた思考の先に「破壊するまで」という結論が出る、極端に見えますが、そういう人は決して少なくないと思うのです。