第7話
「……ここは………?」
身体を起こすと、暗闇の中の気配が一斉にこちらを向いたのに気がついた。
まだ起きて間もないというのに、暗闇の中の表情はどれも恐ろしい表情をしているのが否応なく分かった。
拒絶、嫌悪、拒否。
それらのいくつもの顔の奥にお屋形の顔をみつけたことは、
「…起きたか…
深々としたため息と共に吐き出された声には、深い悲しみが滲んでいた。
「
「…お前は里の入り口で倒れていたところ三日も起きなかったんだぞ」
見たこともない皆の表情、見たこともない
「
「
「温情など……あるわけもなかろう!!!!誰が見ても明らかな通り
「
「追放だ!村から出すべきだ!」
「あの子がそんな子になってしまったなんて……」
「お前は悪くねえさ……早くに死んだ親御が悪いんだ」
口々に大人たちの口から残酷な言葉が紡がれる。
日を見るよりも明らかだった。
「やめよ」
妖狐たちの喧騒を遮ったのはお屋形の低く冷たい声だった。
「子供相手に寄ってたかってつまらぬことを申しなんし」
「お屋形様!!!つまらぬなどと…一体何を仰っしゃりますか!!!」
「お屋形様……先代が築いてきた法度をあなたが嫌っているのは知っている。だが、あなたはこの里の為政者であり、あなたは私達が二度と過たぬように導く責任があるのです。かつての先代の過ちと憎しみの歴史、それらを振り返ってなお……これをつまらぬことと断ずるお積りですか?」
普段とは異なる、尋常ならざる声を上げ
「そうじゃ」
一言。それにより氷のように冷たい沈黙が挟まれたが、お屋形は一向に頓着する素振りを見せなかった。
「つまらぬものは一向つまらぬ。もうわしは飽いたのじゃ。代々作り上げてきたこの里の
「
「
それを聞いた
婆が……死ぬ?
ひょっとして…私のせいで…?
私が身勝手な想いであんなことを伝えなければ……?
そんな……いやだ……いやだ……いやだ!
会いたい…でも会いたくない。
あんな声で…あんな目でもう一度見られたのなら、私は多分…とても辛くなる。
でも…それでも……もう一度……会って話せたなら……
私は…婆に伝えたいことを何も伝えられていない。
「…行きたかろう?」
「ならば行け、あとのことはわしがどうにかする。後顧の憂いはなきものと思えよ」
お屋形の声を合図として、
「お屋形様!」
「
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