それでも俺は主人公になりたい(短編エッセイ)

@isamuhato

短編エッセイ

お金を稼ぐことは考え方と行動次第では決して難しくはない。 世間体なんて気にしなければ、体の自由が利くまでは最低限の生活が出来る程度の自由な仕事は確かに存在する。


 俺は社会不適合者で更には元ニート&多重債務者だったが、人生リスタートする為に頑張って現在は自営業を営んでいる。 正直、社会人時代にはコミュ障の俺にとって嫌な上司や、気を使ってまで会話をする同じ社員達と過ごすのは苦痛だった。 それに会社に行くのは毎日が憂鬱だったし、毎日退社したいと思わない日はなかったぐらいだ。


 そんな俺が会社を退社して自由に生きれる自営の道を選択したのは必然だったであろう。


 ただ、自営を開始した俺だが、仮に月アベレージで50万以上稼いだ先に何があるのだろうか?


 30歳中盤になってようやく少しはまともな人間になった俺はずっとそれに葛藤していた。 今までの人生で俺は二つの夢を抱き、そして敗れた敗者だ。


 そんな人生の中でも、俺にずっと幸せを与えてくれたのはアニメや漫画、ラノベだった。


 「このままで本当にいいのだろうか?」


 もうすぐ40歳になる俺は思った。 このまま生きていく人生で俺は本当に幸せなのだろか? 死ぬ直前に後悔はしないのだろうか?


 ‥‥‥と。


 それが分かってかは分からないが、ある時に俺は思った。


 「年齢を気にしてこのまま”アレ”を諦めていいのだろうか?」と。


 俺には第三の夢としてやりたい事があった。 いや、正確には元々数年前からやりたい事だったのだ。 だけど、怠惰な俺は少しチャレンジしただけで結局は放置してしまった。


 しかし、今になってこれが残りの生涯を賭けてでも人生でやり遂げたい! 本気で目指してみたい世界だと改めて気が付く。


 遅すぎる再度の気付きだろう‥‥‥今更、生涯をかけてやりたい事に時間をかけても成功する保証なんてどこにもない。 むしろ、残り多いとはいえない大切な人生の時間の無駄になるかもしれないだけだ。


 でも――――


 現在39歳、独身、彼女いない歴=年齢という最底辺スペックの俺にははっきり言って才能も実力もない。 


 だからこそ、俺は心に”制約と誓約”を己自身に縛りの鎖として化した。


 ”アレ”を叶える行動をする為に、それは‥‥‥


 「ラノベ作家として書籍化するまでは彼女を作る行動をしないと!」


 他人が聞いたら実に馬鹿らしい制約&誓約だろう。 だが、俺は本気でやりたい事、すなわちラノベ作家デビューするべく日々執筆をしている。


 現在、39歳の普通以下の最底辺の中年オヤジの俺は、はっきり言えば口だけ偉そうに吠えるようなクズ人間なのだ。


 きっと、この短編ですら自己欲求をぶつけてるだけのクソな小説だろう。


 でも、ここで全てを諦めたくない、それだけは真実であり、今後チャレンジすることは仮にどんな結果になろうとも後悔しない自信が不思議とある。


 だからこそ、この無謀な夢を俺は追い続ける――――


 何よりも、俺は‥‥‥求めているのだ。


 「主人公になりたい!」


 ‥‥‥と。


 現実世界での俺は雑魚中の雑魚、正に社会のクズだろう。 39年間生きて来て、何もかもが本当に嫌になるぐらいに俺は俺自身が嫌いだった。


 好きなアニメを見ては、毎回のように俺は思っていた。 


 「こんなクズな俺でも主人公になれる資格やチャンスがあるのだろうか?」と。


 今、俺はこの『小説家になろう』で自分を主人公にした正に自己満足な小説を同時進行で3本書いている。


 主人公キャラに俺自身を投身した俺だけが作れる、俺だけが主人公の俺が望んだ主人公の物語達だ。


 それらを執筆していて気が付いたこともある。 


 当たり前の真実だが、この現実世界では人は7兆分の1で生まれてくる。 そんな俺も奇跡的な確率で生まれた1人の人間だ。


 それは全員が同じであり、俺もこの生まれた世界では一人の人生の主人公だったのだ。


 でも、決して誰もが自分を人生の主人公と思えるわけではないだろう。 どうしても他者と比較して卑下しまうこともあるだろう。 絶望に溺れてしまうこともある、希望なんて見えなくなる時だってあるのだ。


 俺もその一人だ。


 だが、自分の創作した作品では現実の主人公とは違う、俺自身が求めていた主人公になれるのだ。 


 勿論、それは偽りの主人公かもしれないし、本当に求めた主人公じゃないかもしれない。


 だから、俺はこの現実世界で叶えることが出来ることが出来るはずの行動をして、この世界で唯一無二の一人の主人公になって伝えたいことがある。


 「それは、俺が創作した物語を見てくれた多くの人達に夢や希望‥‥‥何よりもどんなに辛くても誰もが主人公に絶対になれることを伝える為だ」


 だからこそ、俺はこの先の人生を全て賭けて物語を書き続けて主人公になって見せる!


 俺自身、まだ自らが求める主人公にはなれていない。 でも、俺が納得できる主人公に絶対になれる日が来ることを俺自身が確信している。 


 もしも、俺と同じように様々なことで葛藤している君に伝えたいことがある。


 「人生を再チャレンジすることに年齢なんて気にしてるようでは、叶う事もチャンスすらも見逃してしまうだろう。 いいじゃないか? 仮に生涯を賭けて失敗したとしても、仮に誰も認めなくとも、君自身が君の行動を称えるのは確定なのだから」


 ‥‥‥終わり。

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