いろいろ技術の発達した未来の世界、ボクっこ電脳アイドルとその連れ合いが、スイーツビュッフェで甘いものをもりもり食べるお話。
SFです。いわゆるサイバーパンク、またタグによれば『ポストアポカリプス』とのことで、でも一見そうは思えない物語の導入というか、話の展開のさせ方が魅力的です。
ボクっこでフリフリのロリータ趣味で自撮り大好きという個性の塊みたいな電脳偶像さんと、その連れ合いというか実質保護者役みたいな立場の主人公。個性的なふたりの対話劇といった趣ですが、でもその会話の中から徐々に見えてくる世界観。結構ディストピアしてるっぽい現実と、でもいまいちそんな風には見えない能天気なふたりの、愉快な日常のひとコマみたいなところから繋がる終盤の大オチ。組み上げたキャラクターと世界設定を、綺麗な流れに乗せて見せてくれる作品でした。
意味深長なタイトル、というか、読み終えた後に再び見返すとちょっと味わいのあるタイトルが好きです。それとは対照的に、わりとストレートな感想そのままである章題の方も。