妖精女王は人族を信じないが、俺だけは別らしい。――4
ニアヴのおもてなしは想像以上に豪勢だった。
そして、ご
「まさか温泉に
俺はしみじみと呟いた。
そう。妖精たちは、自然を
乳白色の湯に浸かりながら、俺は夜空を仰ぐ。
夜空には
「露天風呂なんて、日本人の魂に染み渡るなあ」
ミズガルドにおいて、風呂はかなり贅沢な文化だ。少なくとも、庶民のあいだには浸透していない。
濡れタオルで体を拭くか、水浴びをするのが一般的で、豪商などの金持ちでも、シャワー風の
転生してから、俺は一度も入浴できていないので、ここで温泉に浸かれたのは
至れり尽くせりのもてなしに、俺は体を
「ここまでしてくれたんだから、その分の仕事はしないとなあ」
「まあ、ほとんど三人頼りになるんだろうけどね」
今回の相手はガルム。Bランク相当の魔獣だ。とてもじゃないが、Dランク冒険者の俺が敵う相手じゃない。
ここでの俺はお荷物だ。せめて、みんなの足を引っ張らないようにしないとな。
ぼんやりと考えて、俺はブンブンと頭を振った。
「いや、こんな弱気じゃダメだよな」
後ろ向きな思考を打ち消すべく、俺はバチン、と両手で頬を
自分が大した人物じゃないことは、自分が一番わかっている。
けど、ふて腐れるのは、なしだ。
こんな俺でも、クゥは、ミアは、ピピは、ついてきてくれている。一生懸命、尽くしてくれている。
「クゥが言ってくれたじゃないか、『ご主人さまだから恩返しにきた』って。みんなは俺を認めてくれているんだ」
だからこそ、
「俺は、みんなの
俺はグッと拳を握って決意した。
「わーっ! 最高のロケーションだねーっ♪」
聞き慣れたはしゃぎ声が届いたのは、直後だった。
俺はピシッと凍りつく。
「なんとも風流ですね」
「ん。お星さま、キレイ」
さらにふたり分の声がして、温泉の熱とは無関係に汗がこぼれ落ちた。
「ご主人さまーっ! 湯加減はどう?」
「わたしたちもお風呂をいただきにきました」
「一緒に入ろ?」
そこにいたのは、生まれたままの姿になった三人だ。
大玉果実をタップンタップン揺らしながら、ブンブンと腕を振るクゥ。
ハリのあるお椀型の胸をさらし、
成長途中の幼い
彼女たちは恥じらいひとつなく、堂々としていた。
胸の
「どどどどうしてここに!? 俺が入ってるの、知ってたよね!?」
「もちろん! だからこそ来たんだよ!」
「文脈がおかしい! そこは、だからこそやめとくだろ!? 俺は男で、みんなは女! 三人とも恥じらいを持ちなさいっ!」
「シルバさまと
「邪魔じゃないよ!? 最低限のモラルだよ!?」
「問題ない。ピピたちは、身も心も、パパに捧げてる」
「その認識が大問題なんだよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
平然と答える三人に、俺は絶叫した。
ダメなんだよ! みんなにとっては『俺=
小柄な体に、たわわな胸を実らせたクゥが、
危うさすら感じさせる、幼児体型のピピが、
いずれも美しい三人の全裸が迫ってくる。
興奮・歓喜・背徳感・罪悪感……様々な感情がごった煮になって渦巻き、俺は
「お、俺は充分温まったから、もう上がるね?」
「ご主人さま、待って!」
慌てて立ち去ろうとした俺を止めようと、クゥが抱きついてくる。
ムニュン
俺の背中に、極上の水まんじゅうみたいにネットリ柔らかい、ふたつの膨らみが押しつけられた。
「ククククゥ!?」
「上がっちゃヤだっ! 一緒に入ろうよ!」
膨らみの中心にあるふたつのシコリが、クニッ、と背中に擦りつけられる。
それの正体がわかってしまい、俺の頭はオーバーヒート。思考も体もフリーズ状態に
硬直した俺の左腕に、ミアが密着してくる。
かたちのよい
「わたしたちは、シルバさまと湯浴みするのを楽しみにしていたのです」
切なく潤むエメラルドの瞳が俺を捉える。
俺の心臓のBPM(一分間の心拍数)は、
「ととととは言ってもね? 混浴は
最後の抵抗を試みる俺の前に、ピピが回り込んでくる。
「お願い、パパ」
ピピまでもが抱きついてきて、俺の下腹部にプニプニしたお腹が押し当てられた。
俺の全身が、ムニュムニュと
グルグルと回る視界。
俺はパクパクと、酸素を求める金魚みたいに口を開け閉めした。
「ご主人さま」
「シルバさま」
「パパ」
三人の甘える声が
下半身に血流が集まってきて、俺はついに音を上げた。
「わかった、一緒に入ろう! だから、抱きつくのはやめてくれぇええええええええええええっ!!」
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