追加用語、各勢力(ネタバレ含む)

〈追加された用語〉


【人型の魔獣】

 生きている遺跡で極稀に目撃される謎の存在。極めて高度な知性と尋常ではない戦闘能力を有しており、未だ討伐例は報告されていない。

 人間と同じく四肢を備えており、着衣と武装を身につけている。頭部の形状と特異な能力については、個体によってまちまち。

 後述の『人獣化』が進行・固定化した結果ではないかという仮説が立てられているが、確証を得るには至っていない。


 作中に登場したのは、確定している分では『羊男』『虎男』の二種。『孤島の遺跡』で遭遇した異形の騎士もこれだと思われるが、頭部を直接視認できなかったため未確定。

 なお、イネスがこれらに類似する蜥蜴人間を撃破しているが、その戦闘能力の低さから別物と判断している。



【人獣化】

 人間の心身が変容し、獣のように成り果てた状態。身体の一部が獣化し、本能を前面に押し出したかのような行動をとる。

 後述する『再生因子』の過剰摂取が原因と考えられているが、発症するにはそれ以外のトリガーが存在する模様。

 経験則として、何らかの方法により『心を折る』ことで元の姿に戻ると知られている。


 作中で確認されているのは下記の四例。

 ・モリス………羊

 ・レンデル……虎もしくは獅子

 ・テオ…………鳥

 ・マラカイ……猿  ※完全制御


 シリルが関与した『実験体』と呼ばれる鳥型の子供たちも、おそらくはこれだと考えられる。



【『活性因子』】

 最近、遺跡から発見された謎の液体に含まれる成分の仮称。エネルギーではなく、何らかの物質であることまでは突き止められているが、詳細は未だ研究中。

 これを含有する薬剤等を生物が摂取すると創傷は瞬く間に修復され、気力や体力も回復する。ただし、精神にも何らかの影響を及ぼすようなので、多用は禁物。



【『適応因子』】

 チャーリーが定義した『再生因子』の概念をマラカイからの情報により補完したもの。

 その効果は肉体の再生や気力の回復に留まるものではなく、摂取した者の心身を己が望む形に変化させるものであった。

 また、これが存在するのは密閉された遺跡内部に限らず、辺境奥地に棲息する魔獣の血肉にも含有されている事が明らかになった。



【呪術について】

 辺境奥地の冒険者等の間では比較的忌避感が少なく、ある程度一般的な技術であった。

 彼らによると、呪術とは「対象の心身を変容させる」という結果に限定されるものではなく、「対象の魔力に直接干渉する」技術全般を指す概念とのこと。

 『適応因子』による身体能力強化も、実は自身の魔力を操作する呪術の一種。


 魔力による干渉と併せて、会話や身振りを見せるなどの心理的干渉、あるいは接触などの物理的干渉を行うことで抵抗を突破しやすくなり、大幅に効果が増す。

 なお、達人であれば意識を向けただけで影響を及ぼすことも可能。


 極めて高難度ながら、魔力も意思も持たぬ非生物を対象に行使することも可能。その作用機序については一切不明。


 周辺を漂う魔力を活用する魔術と比べて燃費は劣る傾向にある一方で、引き起こす結果の自由度には優っている。



〈各勢力の説明〉


【姫様の陣営】

 王国の伯爵令嬢であるルシアンナが、自身の身を守るために集めた戦力。しかし、すでに当初の目的からは逸脱し、野望を実現するための手足となっている。

 直参と外部人員の混成であるが、もはやその区分も曖昧。


 主な構成人員は以下のとおり。


 [相談役]

  ・ペトゥラ  ※研究員を兼務


 [護衛(直参)]

  ・アリサ

  ・テオ

  ・セレステ  ※諜報員を兼務

  ・テレンス  ※汚れ仕事担当を兼務


 [冒険者(外部)]

  ・ランダル

  ・レンデル

  ・ロディ   ※諜報員を兼務

  ・クライド

  ・ダナ

  ・イネス   ※テスターを兼務


 [研究開発部門]

  ・チャーリー

  ・ハリー   ※テスターを専任


 [お茶汲み・料理番]

  ・エルバート

  ・モリス   ※臨時雇用


 [その他]

  ・私兵団   ※雑務をほぼ専任

  ・『虎男』  ※教練を担当



【教会・王国支部】

 神代に生きた人々と彼らの遺産を崇める宗教組織、その王国支部。

 教会は聖地や教祖などを定めていない組織であるが、辺境周辺では王国支部が最も力を持っているため、実質的には総本山的な扱いを受けている。

 

 教義は『神代人に敬意を払い、感謝をもって恵みを享受する』という穏やかなもので、市井の人々は抵抗なく受け入れている。

 ただし、あまりに巨大な勢力を形成しているため、王国および周辺国政府との関係は良好とは言えない。


 主な活動は、他の支部と同じく、布教と並行した神代技術の普及、お抱えの治療術師による医療サービスの提供など。

 しかし、積極的に政治に食い込もうとしている点だけは、他の支部と異なっている。


 また、この支部独自の方針として、特定の信者を『聖女』と称して偶像化する制度が存在する。

 明確な選定基準などはないが、見目麗しい事と特別な力を有している事、そして神代に関する何らかの業績を上げるは必須。

 首脳部としては、それら全ての要件を満たすルシアンナを当代の『聖女』に任命する方向で動いていたが……



【帝国軍・辺境派遣旅団】

 作中の舞台とは別の大陸の覇者である帝国から、辺境探索のために派遣された軍隊。

 その目的は領土の拡大ではなく、神代の遺物や資源の収集のため。ただし、最近は若干方針転換の傾向が見られる。


 拠点である『帝国砦』の首脳部と拠点運営のための後方部隊を除けば、一名の指揮官が率いる実働部隊を複数横並びにしたような組織形態。

 あまり人気のある赴任地ではないため志願する者は少なく、構成員の質はまちまち。


 主力装備である『携行砲』のみならず、遺跡で発見された遺物や技術を即時現場に投入するのが特徴。



【公国・義勇軍】

 旧宗主国である王国に阿る王家を打倒し、虐げられる人々を救うべく義挙した集団。しかし、その内実は対王国強硬派の貴族による支援を受けた烏合の衆。


 その資金的、人員的、政治的支援により制圧部隊と互角の戦いを繰り広げていたが、王家傍流の血を引くという旗頭を失ったことで一気に瓦解した。

 現在は公国各地に分散して、何とか組織の命脈を保っている状態。


 また、背後では強硬派貴族以外の何者かも暗躍していたようだが、その正体や目的は不明のまま。



【『地獄教団』】

 辺境地域および周辺国で暗躍していると目される謎の組織。かつては都市伝説の一種だと考えられていたが、現在では各勢力がその存在を確実視しつつある。

 各種情報から推察される組織の目的は、『辺境に地獄を再現すること』。


 組織の全容は明らかにされていないが、現在判明している構成員は以下のとおり。


 [教主?]

  ・『奈落の姫』


 [幹部]

  ・『地獄の船頭』

  ・『不死身の呪術師』


 [一般構成員]

  ・『血染めの農民』

  ・『暗殺執事』

  ・『冷血なる奴隷商』


 なお、上記以外にも、拉致された技術者が研究に従事させられている『地獄工廠』、ならず者で構成された下部組織『髑髏党』などの関連組織の存在も確認されている。



【???】

 辺境周辺地域で本当に暗躍する個人、あるいは組織。前述の『地獄教団』との関連は不明。

 今のところ、該当するのは『放浪戦士団』元幹部にして元公国軍術師のシリルのみ。

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