彼女は自動販売機を学ぶ5

そう。俺はこの雑学をこよなく愛している。


例えば、この公式を当てはめ、解を答えよ!とか英語の主語、述語、補語はのここで見分ける!とか教科書に書かれたものじゃなくて。


お受験用の勉強よりもこんなどうでもいい知識の方が俺にとってワクワクするし興味をそそられる、はっきり言ってこっちの方が面白い!と俺は感じてしまうのだった。


それにはちょっとした理由があるのだが、とりあえず話を進める事にする。



「あのー。それってなんて書くんですか?ひらがなでざつがく?カタカナでザツガク?ローマ字?英語?漢字ならばどんな字を書くのですか?」


俺もだいぶ変人の道を歩んでいる方だと思ったが、こんな質問をする彼女も中々変な人と窺える。


この世に雑学を知らない人なんているの!?昔っから取り扱っているジャンルだし最近ではそういうテレビ番組やクイズ番組も多いはずだぞ?


「雑草や雑誌の雑に学問の学で雑学って書くんだけどもしかして知らなかった?」


「ええ。国語や数学、英語、社会など今までの義務教育でやっていた勉強の他にそのような学問があるとは知りませんでした」



キーンコーンカーンコーン。昼放課が終わる鐘の音が校舎にこだまする。


「私は早川あやみと申します。是非、その「雑学」の分野で精通しているのならばご教授をして欲しいです!ご検討のほど、よろしくお願い致します!」


と彼女は俺に向けて一瞥し、去っていった。


やはりチャイムはいつでもタイミングが悪く、そして魔をさす悪魔の音色なのだろう。俺に弁解の余地を与えてくれないのだから。



彼女は多分、雑学を勘違いしてるーーーー!!!

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早川先輩は雑に学ばない 6MAY @6MAY

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