彼女は自動販売機を学ぶ4

と暴走していた俺を止めるかのように彼女の口からでた言葉に一瞬耳を疑った。


売り切れの話?



「なんでまだ1本入っている状態なのに『売り切れ』で買えなくなるのですか?」



……………あぁ!そっち?


俺は相当、冷静さを欠けており、まさに穴があったら入りたいという心境で一杯だ。



「自動販売機の『売り切れ』の話か笑


あれは業者は常温の状態で補充するでしょ?それで温・冷の飲み物を冷やしたり温めたりするためには時間がかかるんだって。



だから冷たい飲み物、温かい飲み物を必ず一本残して補充する事で常に最適な温度で飲み物が提供できる仕組みらしいよ」


と一通り俺の説明を聞いていた彼女はキラキラ目を輝かして、少し興奮しているようだった。


「初めて知りました。なんでそんな事を知っているんですか?まさか、あなたは業者の方なのですか!?」

 

「いや。俺は業者の人でもなんでもない」


「これはただの雑学ってやつ。どっかの誰かが言っていた嘘か本当か分からない雑多な知識だよ」

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