HeitStory

過去と因縁

この顔に傷をつけた奴が生きてる事は分かってる。でもそいつに恨みはない…どうせ駒だから…

もう少し第6ここで情報を集めよう…

証拠が欲しい。疑いでも痕跡でもいい。

奴等が殺った証拠…それさえあれば………




******




ハイト•ヴァール。俺の名。でも偽名だ…本名?そんなもの忘れた

家族は妹が1人。たね違いの唯一の肉親…名をミアハートという。8歳違いだ

同じ第6騎士団に入ってきた時には驚いた…どうやって調べたかは分からないが、俺を兄と知っていて今ではよく一緒にいる

武器はツーハンデッドソード。特化魔法は変換だ。触れている間だけ、想像した物へ変化させられる魔法。長時間使うには向かない魔法...


俺が復讐を誓ったのはミアハート—ミアが生まれた2年後の事だった。

その日は妙にミアがぐずって母と2人であやすのが大変だったことを覚えているが…今思えば事を分かっていたのかもしれないな…

夕暮れ時。そろそろ夕飯を、と母がキッチンへと向かおうとしたその時。住んでいた村のあちこちから火の手が上がった。

何事かと外へ出たハイト達が見たのは魔族の襲来…ではなく、守ってくれるはずの騎士団員達の姿だった。1人は火をつけて周り、2人は獣人を魔族と言って殺していき、また残った者達は口封じの為に普通の人間をも殺していたのだった…


「母さん…俺達死んじゃうの?」

「大丈夫よ、〇〇。ミアハートも…今なら逃げられるわ、行きましょう!」


そんなやり取りをした記憶がある。騎士達の目を盗んで、こっそりと村の出口まで進んだその時


「何こそこそしているのかな?」

「!?」


目の前には血濡れた武器を持った騎士。咄嗟に母はミアハートを俺に渡し、2人を庇うように立ち塞がる


「何がどうなっているのか分かりませんが…この子達は見逃して下さい!」

「…私は何もしないよ。ほら、早く通りなさい」

「え…あ、ありがとうございますっ!行くよ、〇〇!ミアハート!」

「う、うん…」


ミアを抱えたままで俺は母の後に続く。だが…


「そこ!何してる?」


別の騎士。慌てた母は俺達を先に行かせて自分が後ろになった。


「きゃあ!?」

「母さん!?」


悲鳴に振り返ると母が倒れていた。俺は咄嗟に駆け寄ろうと振り返ったが…


「危ないっ!?」

「!?」


間一髪のところで門番してた騎士が俺とミアを引っ張り上げてくれた。おかげで左目の下に傷を作った程度で済んだし、ミアは無傷だった


「早く走れ!!」

「!?」


その声に慌てて俺は走る。母さんがどうなったのか、その騎士がどうなったのかも分からぬまま……


「にぃに?」

「ミア…大丈夫だ。兄ちゃんが必ず、必ず仇を取るから…!!」


その後、どうにか近隣の街に着きミアを、ミアハートを孤児院へ託して1人、村へと戻った…


村は壊滅。1人の死体もそこには無く、母親の生死も不明だった

後で聞いた話によれば、退という事になっており、全員死亡扱いで生存者無し、という報告がなされていた……


「…騎士団に入れば何か、何か掴めるかな…?」


俺は騎士団へ入る為にミアハートを預けたまま会う事もせず、無我夢中で色々調べ始めたのだった……




******



月日が経ち、上手く貴族の養子として騎士養成学校に入った俺は、何事もなく卒業して第6騎士となった。第6へ入り、調べる自由を得た俺はその事件の事を真っ先に調べた。

そして分かったのは、者が騎士団に指示を出していた、と言う事だった……


だから。狙うのは騎士団か教会の上層部、もしくは王族の者

許さない。赦さない。絶対に…地の果てだろうがどこへ行こうとも追いかけて、この手で………

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Libertaris story〜リベタリ物語〜 夜季星 鬽影 @Micage

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ