誕生日を祝おう!

百合宮 伯爵

誕生日を祝おう!

「お帰りなさいませ、お嬢様♪」


 ここは都内某所、男子禁制のメイド喫茶「リトル・ガーデン」。

 紅茶の口移し、珈琲コーヒーの口移し、お菓子の口移しでお嬢様たちをもてなす、このお店。お誕生日をお祝いするには、もちろん……?


「ちゅっ♪ ちゅぷぅぅ♪ どうかな美緒奈みおなちゃん。ケーキの口移しは♡」


「るちゅん、ちゅるぅ♪ ん、美味しいよ季紗きさねえ♪ もっと吸わせて♪」


 亜麻色ロングヘアの、見た目清楚系お嬢様な、東宮ひがしみや季紗きさと、赤髪ツインテールのロリ小悪魔、南原みなはら美緒奈みおな

 2人のメイド店員が、抱き合って、ちゅっちゅしている……。


「美緒奈ちゃん、誕生日おめでとう! ケーキ口移し無料は、誕生日のお客様用のオプションだけど……美緒奈ちゃんなら、好きに使っていいからね?」


 にこにこ微笑む、英国出身の金髪巨乳メイド、リズ・ノースフィールド。

 みんなのお姉さん。

 今日は、メイド店員たちの妹分、美緒奈が誕生日なので、あらゆる口移しサービスが無料なのだ!


「ちゅぅっ♪ む、ちゅぅっ♪ ふふっ、美緒奈ちゃん。今日は私のコト、全部食べちゃっていいのよ。プレゼントは、わ・た・し・だよう♪」


「まーた季紗姉は、すぐ18禁展開に行きたがる。変態♡」


 メイド服を脱ぎ脱ぎし始める季紗を、百合キスで黙らせる美緒奈。

 その袖を、リズさんがくいくい引っ張る。


「ケーキだけだと、お口の中、甘くなるでしょう? 美緒奈ちゃんの大好きな、激辛カレー口移しも用意したわ。私、辛いの苦手だけど……美緒奈ちゃんの為ならがんばる!」


「リズねえ……その気持ちが嬉しいよ♡ いただきまーす♪」


 ちゅっ。ちゅぷっ。るちゅちゅぅ。

 香辛料の華やかな香りと共に、舌の絡まり合う淫靡な音。

 カレーで染まった唾液の金糸が、熱っぽく見つめ合う美少女メイドたちの唇を繋ぐ。


「ほんとにこれしか無いわね、うちのお店は!?」


 キスする美緒奈とリズさんを睨むのは、セミロングのツンデレメイド、西城さいじょう由理ゆーり。自称ノンケ。


「いいの、あたしが楽しんでるんだから!」


 美緒奈、悪戯っぽく由理を見上げて、


「由理こそ、宇宙一ロリ可愛い美緒奈様に、何かプレゼントは無いわけ? どんな口移しでもOKだかんな♡」


「だからなんで、口移し限定なのよ……」


 由理、赤くなりながら、腕を組んで、


「私だって、祝う気持ちは有るし。別に口移しじゃなくても、キ、キスがしたいなら、してあげるっての」


 美緒奈の頬も真っ赤になる。いつもならここで「はぁ!? そんなつもりじゃねーし」とか誤魔化しちゃう彼女だけれど。

 今日は。ひとつだけオトナになった日だから。

 少しだけ、素直になってみようかなって。


「……うん。それが由理のプレゼントなら、ありがたく受け取ってやんよ」


 ツインテールの髪先を弄りつつ、真っ赤な顔で、瞳を潤ませながら。


「……キ、キス、して?」


 接吻のおねだりをした。


(((か、可愛い……!!)))


 由理も、季紗もリズさんも、素直モードの美緒奈にハートをずっきゅんジャックポットだ!


「し、仕方ないわね。お誕生日おめでとう、美緒奈。……ちゅっ」


「美緒奈ちゃん、私からも改めて、キスを贈るね。ちゅぅぅっ♪」


「ええ、好きなだけキスしていいのよ。……ちゅぅ♪」


 乙女3人から口づけの雨をプレゼントされて、美緒奈も嬉しそう。


「えへへ……あたしってば、宇宙一の幸せ者だぁ♪ ちゅぷぅぅ、っ♪」


「ちゅぅぅっ♪ ちゅぷっ♪ るちゅん、ふ、ちゅぅぅ……っ♪」


「ずちゅんっ♪ ぐちゅぅ、ずぷ♪ ぬちゅ、ぢゅぷ、ん……っ♪」


「む、ふぅぅ、っ……♪ ん、んふぅ……、んく。ふぅっ、んふぅぅ……♪」


 ……百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」は乙女の聖域。

 仲間の誕生日をいっぱいキスで祝ってくれる、とっても素敵なお店です!

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