第5話 寮

?「なんだとてめぇ!」

?「ふざけてんのか!?」

男二人が言い合いをしている声が玄関まで聞こえていきた

結衣(初日から喧嘩?)

玄関には男子寮女子立ち入り禁止と大きく書かれていた

結衣(やっぱり男子寮か、相部屋の人も男子ってことか、困ったな(-_-;))

結衣は部屋に行くため二階に上がったが

二階の結衣の部屋の前で喧嘩をしているようだった

三人いて二人が喧嘩をしていて一人が呆れた顔で仲介に入ろうと立っていた


結衣(あれ、私の部屋の前でもめてるじゅん!?)

結衣は少し後ずさりながら仲介に入ろうとしている人に声をかけた

結衣「あの、なにがあったんですか?そこ私、いえ僕の部屋なんですけど」

?「ここの部屋の新入生か、すまないな、喧嘩してる彼らも新入生でね

この二人は相部屋なんだが、知り合いらしく同じ空気もすいたないほど

仲が悪くてさ。悪いが君がこの二人のうち一人と変わってもらえないかな」

申し訳なさそうに男性が手を合わせて頼んできた

結衣「私は別に構いませんけど、私の部屋も2人部屋ですよねもう一人の方の

ほうが大丈夫なんですか?」

?「それ俺だから大丈夫だよ。俺この二人と幼馴染でさ、この二人がどんだけ

仲悪いか知ってるからさ、そのままにこいつら一緒にしておけないんだよね。

まきこんでごめんな。えっと、名前は・・・」

結衣「白石結衣です。大丈夫ですよ。少し不安だけど(笑)」

(正直怖いけど、相部屋って言ってもあんまり関わらないようにせればいいはず)

奏汰「ありがとな。俺は蒼真奏汰{そうまかなた}」

?「奏汰、もうこいつとは話してられねえ。早く部屋変われ!

あ?誰だお前なんかもんくでもあんのか?」

少し赤身のかかった髪の男が結衣に気付いてガンつけてくる

もう一人の男は少し青身のかかったきれいな顔立ちの男は睨んでいるようではなかったが結衣のほうをじっと見ていた

結衣「白石結衣です。その部屋のものです」

結衣は改めて名前をまた名乗り自分の部屋を指さした

槐「奏汰と相部屋のやつか、俺は大神槐{おおがみかい}、

奏汰に話は聞いたか?さっさと部屋変わってくれ。こいつと同じ部屋なんて考えただけで虫唾が走る」

粗い声だちで赤身のかかった男が言う

憐「それは俺のセリフだ。俺は竜崎憐{りゅうざきれん}巻き込んで悪かったな結衣。だが、こいつとはさっさと俺も離れたい。バカが移る」

槐「あ"!??」

青身のかかった男が槐と言い合いしながら冷静に結衣に応える

槐と憐は睨み合っている

結衣「変わるのはいいんですけどどちらが僕と一緒の部屋になるんですか?僕はどちらでも別に大丈夫ですが・・・」

(どっちも怖そうだし。どっちでも変わんなさそう(-_-;))

奏汰「んー。じゃんけんで決めよう。公平に。勝った方が結衣とペアだ」

結衣(じゃんけんでもしやの決めちゃうのか!?

これ結構大事なことじゃないの?って言いたいけど怖くて言い出せない)

そして槐は腕をまくり憐は呆れたような態度でじゃんけんをした

槐「勝った!ざまーみろ(笑)」

もはや子供の喧嘩である

憐「これは勝負じゃねえ、決めるためのただのじゃんけんだ。

こんなものに勝って喜ぶなんてガキもいいところだ」

槐「なんだと!?」

奏汰「もう喧嘩はそれくらいにしとけ、結衣。槐と悪いが相部屋で頼む」

結衣「あ。はい」(私の寮生活がよりによってこういうスタートとは(-_-;))


そして結衣は自分の部屋を開ける

そこには広くてきれいな玄関とリビングが見えた

2人部屋だといってもあまりに豪華すぎる部屋だった

結衣「なにこれ!?凄い(;゚Д゚)」

槐「いちいち驚いてんじゃねぇ」

当たり前かのように振る舞う槐

結衣(え?この人どっかの御曹司かなにか?この部屋見てこの対応は

逆に尊敬するわ(・・;))

槐はそのままベットに倒れこみ寝てしまった。

結衣(私もさっさと風呂入って寝なきゃ。ん。

下着の女物ないんじゃ( ̄▽ ̄;))

洋服は寮のものが少しおいてあったが女物はさすがになかった

結衣(買いに行かないといけないのか。学ランで買いに行きたくないけどしかたないか(-_-;))

結衣は近くの服屋に買いに出かける羽目になった


結衣(ササっと買ってお店から出てきたけど店員さんは怪しげに見てくるし、今こうやって持っているのも人に見られると誤解を招きかねない

早く寮に帰ろう)

すると急いだせいもあり人とぶつかってしまった

その反動でビニール袋を落としてしまった

運悪く微妙に女物の下着が見えた

そして男がそれを拾う

?「趣味悪いな。学生がこんなん買ってんのか」

少し大人のような男性が子供を見るように言ってきた

結衣「えっと。すいません。」(趣味なわけあるか!っていいたい)

結衣は心で叫んでみた

?「健全な学生でありなさい。ってことで俺が店に返してきてやる」

結衣「そ、それは困ります!返してください」

もはやただの変態にしか見えない言動である

?「なんか理由でもあんのか?」

結衣「えっと。」

?「学ラン着てるけどもしかして」

男に勢いよく壁に押され壁ドン状態で逃げられない

結衣「なんなんですか!?」

?「おまえ・・・」

憐「あんた何やってんの?」

憐が男を睨みながら言う

?「なんだ。憐か。こいつの知り合いか?」

憐の知り合いの様子だった。男は結衣から離れて憐に話しかける

憐「あんた年上のくせに後輩いじめんなよな」

?「いじめてねえっての」

結衣「後輩?ってことは。もしかして高校の先輩?」

悠紀渡「そ、俺は同じ高校の三年の城川悠紀渡{しろかわゆきと}

学ランをみて後輩とは分かってた」

憐「こいつは相部屋がほんとは奏汰だったんだがわけありで

今は俺の代わりに槐と相部屋になってもらっててな

一応借りがあるから絡まれてるのを声かけてやっただけだ

知り合いじゃねえ」

結衣(冷たいのか優しいのかわかんない人だな)

悠紀渡「へー」軽い笑みを浮かべながら袋を結衣に渡す

結衣「え?」(返してくれた?)

悠紀渡「憐が人助けとはね。おもしろそうだから今回はそっとしておこうかな(笑)またね後輩君」

憐は不思議そうに傾げながらどうでもいいかという態度で先輩と寮に帰って行った

結衣「た、助かった」(明日憐さんにお礼っとかないとな。)

結衣も寮に戻りさっと風呂も済ませて急いで眠った




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