第45話 破邪の剣?
「くっっ!うぅぅ。はっ!」
意識を最初に取り戻したのは凍也であった。
気を取り戻すと同時に直ぐに壁にめり込んだ自身の身体の状態を確認する。
身体強化していない生身の身体で壁に吹き飛ばされ壁にめり込んでいたのにも関わらず自身の身体にはまったく異常はなかった。
日向が回復魔法でもかけてくれたのだろうか?
ともあれ未だ戦闘中。瓦礫からとびでて回りを確認する。
遥正面には相変わらずバラモンズが悠悠と?たたずんでいる。
自身の左右をみると、日向、セシア、イリス三人とも意識を取り戻した様子でそれぞれ瓦礫からはいでてくる。
「凍也。お前が回復魔法をかけてくれたのか?」
セシアがバラモンズに警戒しつつ、凍也に小走りで近づいて来て話しかけた。
「いや、俺も気づいた時には無傷だった。普通に考えて身体強化なしで無傷なのはおかしいよね?」
「二人はまだわかるけど、私とかイリスちゃん、多分瀕死だったと思うよ?」
日向も凍也の陰にかくれるようにかけよってくる。
「妾は何となくだれがやったかわかっとるがのぉ?はぁぁ、普通に助けてくれたらよいのに。まったく!仕方ないヤツじゃな。」
そう、アインが高速で四人に神薬エリクシールをぶっかけたのだ!
魔法探知を極めているイリスは、アインが部屋の隅に潜伏していたことに唯一気づいていた。
イリスは深い深いタメ息をついた。
その時である!
バァァン!!!!
バラモンズにより閉められていた巨大な扉が勢よく開かれる‼️
「なっなにやつ~‥‥‥」
バラモンズが棒読みで開かれた扉にむかって声を荒らげる。
そこには光輝く純白のハーフプレートに身をつつんだ非常識的に美しい女性と、全身漆黒の鎧に身をつつんだ騎士が威風堂々とたたずんでいた。
「我等はS級冒険者白と黒っ!だがその真実の姿はっ‼️」
黒の騎士が吠える❗️
「大地の女神シーラ!勇者よっ!この聖剣を使うのですっ!」
大地の女神シーラ(ティア)はゆっくりと近づき一振りの剣を凍也に手渡す。
「これは破邪の剣。一度しか使えませんが全ての結界を、邪を打ち払います!」
凍也は授けられたパッと見普通の鉄の剣を見る。
どっから見ても普通の鉄の剣。流石に剣を抜いたらピカッと輝きだすよね?
凍也は剣を抜き放つ。
シャラァァン
「えっ?あっあれ?」
普通の鉄の剣である。
「さぁ勇者よ、今こそ魔王ガーロウすら討ち滅ぼした魔王バラモンズを討ち果たすのです!合い言葉ジャスティス。ジャスティスと叫びながらそのツルギを振るいなさい‼️」
「えっ?ちょっ!ださくないっすか?」
凍也がすぐさま条件反射のように突っ込む。
「ジャースティス‼️」
セシアが手を叩きながら連呼し始める。
「ジャースティス‼️」
日向もおろおろしながら合わせて連呼する。
「ジャースティス‼️」
黒騎手や、女神もあわせる。
「じゃ、ジャスティス?」
暇をもて余していた魔王バラモンズも女神の顔色を窺いながら連呼しはじめた。
最早ジャスティス大合唱である。
イリスだけは腹をかかえて笑っていた。
「わっ、わかったよ‥‥‥じゃあくらえ?バラモンズ❗️じゃ、ジャスティス‼️」
凍也が上段から破邪の剣を振り下ろす。
「ジャスティス?」
その瞬間わけも解らず手を叩いていたバラモンズは真っ二つになりグシャっと床に崩れ落ちたのだった。
世界最強の荷物持ちっ‼️ていうかむしろあんたが戦って!? やま @kAZ55
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