第16話  義母親の願い

義父の話が続く中

義兄はひたすら頭を下げて謝っていた

「きっちりと言い聞かせて別れさせますので

今回だけは許してあげてください」

「圭介君も魔が刺しただけだと思います」

「そうだね、圭介くん!」

「お義父さんに謝って許してもらいなさい」


圭介はここは一旦謝って許しを請うしかなかった

そうしないとこの親は何かをやりかねない

「わかりました!彼女とはきっちり別れます」

圭介はそう話して彼女と別れる事を承諾した


義父は

「圭介からの言葉を信じよう

その代わり裏切ったらただでは置かない!

嫌だと言うほど思い知らしてやる

二度とこの先こんな事をしない様に

君のためにな!」

そう言ってようやく話はひと段落した


そして帰る支度を済ませ

父親に一礼をして部屋を出た

廊下を歩く途中

義母が圭介に話しかけた

「圭介君、どうか娘を許してあげて、

しっかり言い聞かせるから

もう一度やり直してあげてね!」

「彼女とは縁を切ってね」


圭介は義父とは違う優しい

思い遣りの有るお義母さんの言葉に

少し心を打たれた


玄関口で頭を下げて

家を後にした

そしてクルマに乗り込み

クルマを走らせた


クルマの中で義兄が圭介に話しかける

「どうするつもり?

このままだとあのお義父さんなら

何をするかわからないよ

その彼女にも迷惑が掛かるし

その人にも親がいるんだろ

大変な事になるよ、早くケリをつけないと!」


圭介は答えを決まらずにただ頷くばかりだった


何故こうなってしまったのだろう?

結婚を安易にしてしまった

若き自分を悔い、この先優香と

一生やって行ける事に

自信すら無く

未だに一代の事しか考えていない自分を

どうすることもできなかった


1時間かけて義兄の家に帰り

圭介は「本当にすいませんでした!」と

頭を下げて家を後にした


そこから圭介は実家に向かった

圭介の実家はそこから15分程の所にあった

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奇跡的な出逢い 繋がれし運命 銀 ゆり @kaori-v3594k

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