第400話 開催
『皆さん、本日はご多用のところ…』
会場内の注目を一身に受け、真っ直ぐ前を見据えたまま、堂々と挨拶を始める佐波エレクトロニクス会長…薩川昭二さん。
遠目ながらも初めて見るその姿は、先だって聞いていた年齢を凡そ感じさせない力強さのようなものに溢れており、その朗々とした話し声は、興味がない人でも思わず引き込まれてしまうような…端的に言って、ウチの学校の集会で校長や教頭が話をするアレとはまるで比べ物にならない。
『今年は新規のプロジェクトや事業の更なる拡大など…』
どうやら話す内容は全て暗記しているようで、メモなどを見る様子も一切なく、淀み無くスラスラと話せていることも聞きやすさの一つであることに間違いはなく…パッと周囲を見回してみても、こういう場面ではよく見かける関係ない雑談をしている集団や、スマホなどを弄っている人などは見当たらない。
『思えばあの日、私の兄である前会長が倒れ…』
そして話の内容は挨拶の部分を過ぎ、今度は会長が会長になった経緯…これは俺も知っている話なので特別驚く内容ではないが、真由美さんのお父さんである先代会長が急死したことによる急遽の対応で会長職となり、現在は社長職を兼業していることなどが語られている。
ただこの話については、特に真由美さんにとって辛い出来事であったことに変わりはなく…
だから俺は…
「…あのときは本当にバタバタして、大混乱だったわね」
「あぁ。まさかお義父さんが、あのまま亡くなってしまうなんて思いもしなかったからな」
真由美さんの様子が心配になったものの、そこは夫婦…然り気無い会話をしつつ、そっと側に寄り添う政臣さんの姿が印象的で。
流石に余計なお世話だったかな…
「ふふ…そんなことはありませんよ?」
「えっ?」
そんな二人の姿にこっそり安堵していると、横にいる沙羅さんが、俺の腕にそっと手を添えて微笑む。
これってまさか…
「例え気付いていないとしても、一成さんの優しさを身に受けた母は間違いなく幸せ者です。例え誰がなんと言おうと、それは私が保証致します」
「沙羅さん…」
こんな些細なことでも鋭く汲み取って、俺をフォローしてくれる沙羅さんの優しさに思わず嬉しさが込み上げてしまい…少しニヤけそうになる自分の顔をぎゅっと引き締める。
でもそれですら、沙羅さんにはお見通しのようで…
「ふふ…一成さん、可愛いです♪」
見ているだけで吸い込まれそうな眩しい笑顔で俺に笑いかけ、ちょっとイタズラっぽい殺し文句。
うう…顔が朱くなっているのが自分でも分かるぞ。
「…なぁ、俺ら何を見せられてんだ?」
「…へぇ、お嬢様ってこんな顔もするんだ」
「…素直に羨ましい…」
「…俺も…」
『皆さんのたゆまぬ努力とご協力により、今年も大きく目標を超え、こうして無事に仕事納めを迎えることが出来ましたこと、私も大変喜ばしく思っております。つきましては、そんな皆さんを少しでも慰労出来ればと、今年もパーティーを開催する運びとなりました。普段はなかなか会う機会の取れない方々と親睦を深めるのもよし、同じ部署内で盛り上がるのもよし、今日はそれぞれが思い思いに楽しんで頂ければ幸いです。そして私の方からも、後で大変喜ばしいサプライズの発表を予定しておりますのでどうぞお楽しみに』
「サプライズの発表だってさ」
「何だろうな?」
「会長かなりご機嫌な感じだし、よっぽどいいことがあったんじゃない?」
「俺らにとってプラスな話なら何だっていいけどな」
「会長がこういう言い回しをするのは珍しいですね」
「ええ。これはひょっとして…」
「"アレ"の話かもしれませんな」
会長が挨拶の締めに入り、サプライズという言葉を口にした瞬間、会場内のあちこちでざわめきが起き…俺の周囲からも、その発言に対する色々な声が聞こえてくる。
ただ、政臣さんを始めとした直属のチームである竹中さん達は、特に反応を見せていないので…それはつまり。
「んふふ…勿論、二人のことも入ってるわよ?」
「あ、やっぱそうですか。でも…」
「"も"と言うことは、他にも何かあるんですね?」
俺の疑問を引き継ぐ形で、沙羅さんが真由美さんに問い掛ける。
元々、俺達の話をすること以外は特に聞いていないのが現状なので…まぁ恐らく会社に関することだろうし、まだ俺達には関係ないと言われてしまえばそれまでなんだが。
「そうだね、厳密に言えばこれも二人に関わってくる話ではあるんだけど…でも当分先のことだし、まだ当事者が揃ってないから説明は後にした方がいいかな?」
「当事者?」
「…なるほど、絵里も絡んでいる話ということですか」
沙羅さんの方は当たりがついたらしく、ポツリと一言そう漏らし…確かにそう言われてみれば、まだこの場にいなくて、しかも俺と沙羅さんに関わりのありそうな人物といえば西川さんしかいないか。
「んふふ…正解。まぁこれはまだ未確定要素の大きい話だし、現段階ではあくまでも将来的な展望というだけでしかないんだけどね。でも一成くんが政臣さんの息子として立場を安定させる意味でも大いに役立つし、それなら二人の話をする際に、一緒に発表しちゃいましょうってことになったの」
「そういうこと。もちろん最終的に決めるのは一成くんだし、まだ気の早い話でもあるからあくまでも展望ってことだけなんだけどね」
「そ、そうですか」
俺と沙羅さん二人に関わる話…というより、この口振りでは寧ろ"俺の将来"に関わることではありそうだが。
でもそういうことであれば、例えそれが何であろうと…
「…竹中先輩、今の話って」
「…俺も詳細は知らされてない。ただ…」
「…今回の件はかなりの騒動が予想されますし、専務のことですからね」
「…あぁ。その辺の一手であることは間違いないだろうな」
「…なんか、俺達ってもの凄い大事の中心に関わってるような気が」
「…今更だろ、それ」
『今宵は存分に楽しんで、年末年始と英気を養って頂いてから、また来年も力を合わせて飛躍の年と致しましょう。改めまして、当社の更なる発展を祈念し、ここに開催の挨拶とさせて頂きます。皆さん、お疲れ様でした』
最後に会長さんがそう締め括ると、会場内から割れんばかりの拍手喝采が鳴り響き…大きな歓声の中、階段の踊り場では何やら動きがあり、会長さんの元にグラスのような物が届けられる。
そしてそれに併せるように、会場内のあちこちで飲み物の入ったグラスが配られているようで、俺達の方にもトレーに乗せられたグラスを持った男性がやってきて…
「俺ビール!」
「私はノンアルを…」
「おいおい、最初くらいは付き合ってもんをな…」
「そういう押し付けをするからモテないんだよ、あんたは」
「うっせぇ!!」
「私もビールを貰おうかな」
「それじゃ私も一杯だけ。あ、もし酔っちゃったら一成くんに介抱して貰おうかしら…んふふ♪」
「そんな下らない心配などしなくとも、邪魔な酔っぱらいはこの会場からさっさと開放してあげますよ。安心して一人で家に帰って下さい」
「あん、沙羅ちゃん酷いわ! 一成くんはそんなこと言わないわよね? お義母さんのこと、優しく介抱してくれるでしょ?」
「えっと…」
どうしよう、冗談だと分かっているのに真由美さんの悲しそうな表情を見せられると、無下に突っぱねることも憚れると言うか…
「お母さん、それ以上一成さんを困らせるというのなら…分かってますね?」
そんな俺の優柔不断…もとい、「俺を困らせる」という禁忌に近い事象に触れた真由美さんに対し、沙羅さんの声音から一切の余裕と柔らかさが消え、視線の鋭さが一気に増す。
これはマズい…早くも警報レベルだ。
「…うぉぉ、こ、怖っ!?」
「…ひぃぃ、あ、お嬢様の目が」
「…こ、こりゃ坊っちゃんには迂闊な冗談を言えねーぞ」
「さ、沙羅さん、落ち着いて下さい。俺なら別に大丈夫ですから」
「一成さん…」
沙羅さんに気持ちを落ち着けて貰う意味と、俺が本当に大丈夫であることを伝える為に、じっと瞳を見つめながらそう話すと…沙羅さんはふっと表情を緩ませ、少し照れ臭そうに頬を赤らめる。
良かった、これで…
「…ぇぇぇ、何だそりゃ」
「…お嬢様、坊っちゃんにベタ惚れすぎでしょ」
「…はは、こりゃ凄いわ」
「ほら、沙羅も真由美もそのくらいにしなさい。そんな風に二人が揉めてたら、それこそ一成くんが困ってしまうだろう?」
「そうですね。確かにそれでは本末転倒です」
「もう…ちょっとしたお茶目なのに、そこまでムキにならなくても」
「一成さんを困らせるような輩は、例え誰でだろうと私は一切容赦しません」
「う…わ、わかったわよ。私が悪かったってば。一成くんもごめんね」
「いや、俺は別に…」
そもそも俺自身は謝られるようなことをされた覚えもないので、そう改まって誤られてしまうと、それはそれで困ってしまうと言うか…
「お取り込み中のところ申し訳ございません。お飲み物の方を…」
「あっ…と、すみません」
先ほどからこちらのやり取りが終わるのを待っててくれたらしいウェイターさん(ちょっと笑われているような気も)に一言謝り、トレーに乗せられた飲み物からウーロン茶をチョイス。続けて沙羅さんもウーロン茶を選び…これで俺の周りは全員受け取ったかな?
『それでは皆様、このまま乾杯に移らせて頂きたいと思いますが、お手元にグラスのご準備はお済みでしょうか?』
ちょうとそのタイミングで司会者が全体に声をかけ、ぐるぐると周囲を見回すような素振りを見せて…特に何かしらの反応が無いことを確認すると、同じくグラスを手に取った会長にコクリと頷く。
『コホン…それでは皆さん、今年一年、本当にお疲れ様でした。またご来賓の皆様におかれましては、平素より多岐に渡る御支援を賜り、誠にありがとうございます。この場を借りて、お礼申し上げます。それでは改めまして、当社の発展と皆さんの健闘を祈り、ご来賓の皆様のご清栄とご繁栄を心から祈念致しまして…』
会長はそこまで言うと、手に持ったグラスを上に掲げ、周囲の人達も…会場内の人達もそれに倣い、それぞれが手に持ったグラスを掲げる。もちろん俺達も同じようにグラスを掲げ、俺はこっそり、沙羅さんと目配せをしてから…
『乾杯』
「かんぱーい!!」
会場全体の大きな唱和と共に、カチンカチンと、グラス同士が合わさるこ気味良い音があちこちから鳴り響き…
「沙羅さん」
「一成さん♪」
「「かんぱーい」」
俺と沙羅さんも同じくグラスをカチンと合わせ、今年一年の様々な出来事を思い返しながら…
いよいよパーティーの幕が開いた。
………………
…………
…
「いやいや、今年も大変お世話になりました」
「こちらこそ、先日のプロジェクトでは…」
先程の乾杯で一段落着いたような気がしたのも束の間。政臣さんの周りには早くも挨拶目的であろう人が集まり、それを上手く整理していく竹中さん達の手慣れた動きと、テンポよく捌いていく政臣さんという構図が出来上がる。
そして真由美さんの方でも、同じく挨拶目的なのか、男女入り交じった人前がたむろしていて…軽く談笑を交えながら話をする真由美さんの笑顔には、どこか困ったような、ともすれば迷惑そうな様子が見え隠れしているのを、あの人達は分かっていないだろうな、多分。
「私はシェルフィールドの…」
「ぜひ、専務のお嬢様にご挨拶を…」
「申し訳ございませんが、お嬢様は…」
「いや、私は歴とした用事があって、他とは…」
「おい、それを言うなら私の方が…」
ちなみにこちらの方でも…と言っても人壁の向こうではあるが…先程から若い男性が何人もやってきては、その都度、対応に当たっている女性社員さんに断られて渋々去っていくというやり取りが繰り返されている。
勿論、その人達の目的が沙羅さんであることに間違いはなく、だからこうなることを予想して人員が配置されている訳で…ただ、流石にこの人数の多さは、俺としても焦りを禁じ得ないかも。
「はぁ…毎度のことながら、面倒臭いを通り越して鬱陶しいですね」
「いつもこんな感じだったんですか?」
「いつもと言いますか、少なくとも参加した場合はこうなるといった感じですね。特にここ2〜3年は酷いですが」
「そうですか…」
沙羅さんは毎年パーティーに顔を出している訳でもなく、仮に出ても直ぐに帰ってしまうという話は聞いているので…毎回毎回こんな状況では、特に男嫌いの沙羅さんにとってはたまったもんじゃないだろうな。ここに集まってくる連中は、名分こそ違えど要件は同じで下心有り有りなんだから。
「本当に、私達のことを発表するならするでさっさとして貰いたいものですね。何が悲しくて、こうして一成さんのお側にいながら有象無象に言い寄られなければならないのでしょうか」
「そうですね。俺もちょっと…」
この状況を沙羅さんが迷惑に思っていることは言うまでもないとして、例え俺のことを知らないとしても、ここまであからさまななのは流石に…学校で生徒の誰かから告白されるのとは訳が違い、ここに集まっている連中は自分の立場がどうとか、言い寄り方に打算的なものが混じっているのが尚更不愉快だ。
あと集まってくる年齢層が基本的に年上であり、ともすれば年上すぎるような人間まで混じっているのがまた何とも…
「一成さん、もしこの状況に我慢が出来ないようでしたら、ハッキリとそう仰って下さいね? そのときは私が、会社の都合など一切構わず堂々と宣言致しますので」
「はは、ありがとうございます。でも、もしそんなことになるなら、それこそ俺の役目ですから。それに政臣さん達だって、俺達のことをちゃんと考えた上で段取りしてくれてるんでしょうし…現に沙羅さんがこうして耐えてる以上、俺だってこのくらいは」
「ふふ…畏まりました。後でお家に帰ったら一杯いい子いい子して差し上げますから、二人で一緒に頑張りましょうね♪」
俺の決意を嬉しそうに聞いていた沙羅さんは、すぐさまそんな、嬉しいことを口にしてくれて…もちろん俺はそんな打算があって我慢していた訳じゃないけど…素直に嬉しいことは事実だから、それはそれということで。
「…い、いい子いい子?」
「…え、何それ? お嬢様、何をしちゃうの?」
「…あ、あんな綺麗な子に甘やかして貰えるなんて、男なら死んでも本望だろ…」
「…あの二人、普段どんな生活をして…って、まさか一緒に住んでる訳じゃないよね!?」
「薩川専務、少々宜しいでしょうか?」
「ん?」
そんな俺達のやり取りを他所に(気付いてないから当たり前だが)、何かの関係者らしき男性がひょっこり現れ、何やら政臣さんにヒソヒソと耳打ち。それを黙って聞いていた政臣さんは、一瞬だけ俺の方に視線を向け…小さくコクリと頷いた。
何だ、今の?
「皆さん申し訳ありません。所用ができましたので、ご挨拶は後で改めてとさせて頂きます」
政臣さんが自分の元へ集まっていた人達にそう声をかけ、竹中さん達もそれに動かされるように謝罪の言葉を口にする。それを聞いて、一人、また一人とその場を離れていき…
「一成くん、済まないけど今から少しだけ付き合って貰えるかな?」
「え? 別にいいですけど、でもどこへ?」
集まっていた人達が粗方居なくなったところで、政臣さんは直ぐに俺へ声をかけ…どこか緊張した面持ちでそう切り出すと、俺の問い掛けには答えず、チラリと階段の方に目を向ける。
そこには別に何もないような…?
「あら、呼び出し?」
いつの間にか真由美さんの方も人払いをしたらしく、興味深そうな様子で政臣さんに声を掛ける。
「…会長が先に会って、少し話をしたいそうだ」
「そう。まぁこれだけの人前だと、落ち着いて話も出来ないでしょうからね」
「あぁ。予定に変更がある訳じゃないだろうし、特に問題はないだろう」
「そうね。私も行く?」
「いや、二人で来るように言われたから、真由美はこっちで待っていてくれ」
「わかったわ」
何やら神妙な様子で会話を交わし、二人はやはりチラチラと俺の方を見て…何だろう、会話の内容にいくつか気になるワードが出てきたような?
でも取り敢えず…
「それじゃあ一成くん、今から私と…」
「待って下さい。私も一成さんと一緒に行きます」
「沙羅は真由美とここで待っていなさい。会長との面会は私と一成くんだけで…」
「嫌です。一成さんに関わる話であれば私も無関係ではありませんし、それを一成さんお一人に背負わせるなど」
「沙羅さん、ここは俺に任せて下さい」
「一成さん…」
まさか俺が別行動を選択するとは思ってもみなかったようで、沙羅さんは少し驚いたような…悲しそうとは少し違うが、心配そうに眉をひそめ、俺の目をじっと見つめる。
もちろん本来なら、沙羅さんにそんな顔をさせてしまうことも、独断チックな判断をすることも本意ではないんだが…
「政臣さん、会長さんと話をするんですよね?」
「うん。この後の諸々が始まる前に、少し会って話をしておきたいそうだ」
「了解です」
会長さんが俺と沙羅さんの二人を呼ばずに俺だけを呼んだということは、恐らく何らかの理由がある筈。そしてそれは、"単なる話"ではないことくらい、俺だって想像はつく訳で…つまりここは。
「沙羅ちゃん、こういうときはね…」
「分かっています。私もご一緒したいのは山々ですが、この場は一成さんにお任せするべきであることも理解しております。ですからせめて…」
沙羅さんも一応は納得してくれたようで、真由美さんの言葉に小さく頷いてくれたものの…まだ心配そうな表情は変わらず、それでもぎゅっと目を瞑り、健気な笑顔を浮かべて。
「一成さん…私はいつだって、あなたのお側におります。例えどんな話になろうと、私達は必ず…」
「はい…大丈夫です。本当に単なる挨拶とか、軽い話だけかもしれませんし」
本当はそんな単純な話でないことくらい分かっているけど、でも沙羅さんに心配させたくはないから。
「はは、大丈夫だよ。二人のことは会長も理解してくれてるし、今更口を挟むような真似はしないさ」
「そうそう。案外、一成くんに以前のお礼を言っておきたいとか、そんな程度かもしれないし」
俺達のそんなやり取りを眺めながら、政臣さんと真由美さんが殊更明るくそう話し…確かにそっちの線もあり得そうな気はするから、ここまで大袈裟に考える必要はないのかもしれないけど。
「…んん、何かドラマチック」
「…なんつーか、現代のお姫様ストーリーって感じだよな」
「…それは当たらずとも遠からずなんじゃない? 特にお嬢様の立場を考えると」
「…そういう意味では、案外大袈裟とも言い切れないんだよな」
「それでは、宜しいでしょうか?」
「あぁ、それじゃあ一成くん」
「はい。沙羅さん…行ってきますね?」
沙羅さんが少しでも心配しないように努めて明るく振る舞うと、沙羅さんも笑顔でコクリと頷き…
「一成さん、ここで帰りをお待ちしております」
「はい。それじゃ、行ってきます」
滲み出そうな緊張を押し殺し、真っ直ぐに前を見据えながら…
さぁ…いよいよ会長さんとご対面だ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
はい、という訳でも今回はここまでです。
次回は会長と直接会って、何やら話があるようですが・・・その前にちょっとだけ何かあるかも。
さて、それはそうと、今回で通算400話となりました。
もともと幕間なエピソードがあったりしたので、厳密にいえば既に到達していたのですが、通し番号としては今回が400話です。そして文字数も約200万・・・我ながらよく書きました(ぉ
特にここ1年は本当にスランプが酷くて、何度も挫折しそうになりながら時間をかけて書いてきましたが、黙ってついてきて下さった読者様には本当に感謝です。特に先日の一件ではかなりお騒がせして、それでも反発の意見が「ほぼ無し」に等しいレベルだったことも驚いたと共にありがたかったです。
この続きはノートに書きますが、本当に皆様、いつも応援ありがとうございます!
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