第355話 お小遣い
沙羅さんと真由美さんが用意してくれた、極上の晩御飯に舌鼓を打ち…
終始、和気藹々とした和やかな雰囲気の中、いつもより食べ過ぎたかなと若干の焦りを覚えつつも、食の方は順調に進んでいく。
そして、真由美さんの「お代わり攻勢」が徐々に強まってきたところで俺も限界となり、ご馳走様と相成った。
後はここから食後のティータイムで、出された真由美さん特製ショートケーキは勿論別腹でございますとも…ええ。
「ふふ…一成さん、はい、あーん…」
「あーむ…」
ぱくっ…
もぐもぐ…うん、美味い!!!
「あーん、沙羅ちゃんズルいわ!! 私が焼いたケーキなのにぃ!!」
「知りませんよ。やりたいならお父さんにどうぞ」
「もぅ、仕方ないわねぇ。はい、政臣さん、あーん」
口では仕方ないなどと言いつつ、嬉しそうに政臣さんの口許へケーキを運ぶ真由美さん。対する政臣さんも、若干戸惑ったようにチラリとこちらを確認したものの、照れ臭そうに口をあけ…
「あむっ」
とまぁ、何だかんだで素直にそれを受け入れてしまう。
相変わらず、仲の良い夫婦のようで何よりですな。
「そ、そのだな、真由美。一成くん達もいることだし…」
「一成さん、あーんです♪」
ぱくっ…もぐもぐ…
「んふふ、気にしてるのは政臣さんだけよ?」
「そ、そうか…私だけなのか…そうなのか…」
すみません、政臣さん。
俺も気にしていない訳じゃないんですけと、沙羅さん最優先なので、自ずとこういう結果になってしまうのです。
だから今は、大人しく状況に流されて下さい…なんてね。
………………
………
…
二つの陣営に分かれた「あーん合戦(?)」が一段落を見せ、紅茶のお代わりを頂きながら、話題はもちろん今日の本題…ミスコン当日の話に。
既に真由美さんへの事情聴取は終わっていたらしく、それについては真由美さん本人だけでなく政臣さんからも謝罪され、一応の意味で説明も行われた。
と言っても、ステージ上で宣戦布告されたときの内容と大差がある訳でもなく、あれはあくまでも沙羅さんの成長を見たかったということ。特に、こうして家にいるときの姿ではなく、人前での姿を見たかったという意味で、ミスコンはちょうどいい機会であると判断したとのことだ。
この理由については、何となく想像の範囲内でもあったので、取り立てて驚くような話ではなかったが…やはり沙羅さんの行動が予想外すぎたようで、真由美さんとしてもかなり驚いたらしい。
でもそれがあったからこそ、逆に、迷いなく合格を出すことが出来たと言えるのだそうな。
つまり…結果オーライだったってことか。
そして真由美さんの話が終われば、今度は当然、俺達の話になる訳で。
「会場での騒ぎといい、ステージに詰めかけた彼らといい…沙羅の人気が、私の想像を遥かに上回るものだったことはよく分かったが…」
「あんなもの、迷惑以外の何物でもありませんよ。人気があると言われたところで微塵も嬉しくありませんし、私は一成さんさえお傍にいて下されば、それだけでいいのです」
「そ、そうか。まぁそう言うだろうとは思っていたから、別に驚くような答えではないが…」
「んふふ、沙羅ちゃんは相変わらずストレートねぇ」
沙羅さんのド直球すぎる答えに苦笑を浮かべつつも、微笑ましそうに柔らかい視線をこちらへ寄越す二人。
もちろん俺も嬉しいのひと言に尽きるが、それてもちょっとだけ照れ臭かったり。
「それにしても…沙羅にそこまで思い詰めた行動をさせる程になっていたとはな。せめて、相談の一つくらいはして欲しかったという気持ちもあるが」
「自分で対処しきれないようであれば、何かしらの相談も検討したでしょうね。ですが、概ね目論み通りに事が運んだので、そこまでする必要はないと判断したまでです。それに学校内のことについては、過度の口出しをして欲しくありませんでしたし…」
学校内のことについての口出し…か。
俺も正直、その気持ちは分からないでもないんだよな。
対処しきれないと判断すれば、もちろん何かしらの相談を視野に入れるべきだと思うが、沙羅さんは自力で自分の求めた状況を作り出せた訳で。
かく言う俺の場合も、かなりのトラブルであったことは確かだが、最終的に自他共に「不干渉」という形で落ち着いた。そのお陰で、却って吹っ切れた感はあったし、寧ろそれを糧に勉強へ打ち込めたとすら言えるだろうから。
「まぁ、沙羅ちゃんならそう言うでしょうね。でもその目論みが、結果としてあれだけの状況を作り出すことは、流石に想定外だったみたいだけど…」
「そうですね。私もまさか、自分がアイドル扱いされるとは思ってもみませんでしたよ」
「沙羅さんが周囲に人を寄せ付けなかったせいで、逆に"高嶺の花"的なイメージがどんどん大きく膨らんだみたいですね。しかも勝手な理想化まで進んで、そのせいか、信憑性の無い話は誤報扱いされてたみたいですし」
だからこそ、一部で浮上していたらしい俺との噂があっという間に消えたり、「生徒会繋がり」や「信じらない」といった文言が大挙していた訳で。
本当に勝手な話だよな、全く。
「なるほどね~。それで、一成くんの大胆な行動に繋がる…ということなのかしら?」
「…俺も正直に言うと、沙羅さんが迷惑してるのに言い寄ってくる連中にムカついてましたから。それに、話を聞いても信じない連中があまりにも多かったし…それなら、嫌でも信じられるようにしてやるって」
「まぁ確かに、あれだけの観衆が集まってる場で、しかも単なる告白ではなくプロポーズが飛び出したとなれば…」
「インパクトが大きすぎて、あっという間に話が学校全体に広がっちゃうわね。しかも沙羅ちゃんが婚約指輪をしてたら、嫌でもそれが現実だったって認めるしかないでしょうし」
「ええ。だからあの指輪には、お守りの意味もあるんですよ」
あれは俺との婚約を示す証拠であると同時に、虫除けという名の男除けでもあり、現実を見ようとしなかったバカ共に分からせる三重の意味もあるので…単なる婚約指輪以上に、色々な意味の籠った特別な指輪なんだよ。
…って、俺も何となく婚約指輪だと言っちゃってるけど、本当は一つ手前で、プロポーズリングのつもりだったんだけどな。
「そうか…そこまで考えてくれた上での行動であれば、私から言うことはもう何も…」
「あら、政臣さん? 理由どうあれ、一成くんが沙羅ちゃんに正式なプロポーズをしてくれたのに、まさか口を出すつもりだったのかしら?」
「えっ!? い、いや、そこまでは考えてないぞ!? だが私も父親として、あんな場面を見せられてしまえば、やはり聞いておきたいことの一つや二つくらい…」
「んふふぅ…あんなに素敵なプロポーズを見せて貰えたなんて、親として私達は幸せですね♪」
「ぐっ…た、確かにそう言えるのかもしれんが、あそこまでする必要が…」
俄然楽しそうに盛り上がる真由美さんと、どこか引き攣ったように微妙な笑顔を見せる政臣さん。
そうだよ、何となく忘れてたけど…
俺は政臣さん達の目の前で、プロポーズしちゃったんだよな!?
「あそこまでって、何がでしょうか?」
「い、いや…人前で、き、き、キスをする必要が…しかも、あんなに」
デスヨネー!?
分かってはいたけど、やっぱりバッチリハッキリ見られてましたよね!?
ナンテコッタイ…
「あ、あの、政臣さん、す、すみません。その…俺がやりすぎたせいで」
「い、いや、私もそこまで言うつもりはないんだが…でも君達はまだ学生であって、一成くんもその辺りを…うぉっ!?」
政臣さんが一瞬、チラリと視線を流したその先で、何か恐ろしいものでも見てしまったような驚き…恐怖か? 表情が一瞬にして凍り付く。
何が起きたのか薄々予想はつくが、俺も念の為、自分の隣をそっと確認してみると…そこには、極寒の視線で政臣さんを強烈に射抜く、半ば無表情の沙羅さんが。
そして政臣さんの真横でも、一見にこやかな笑顔なのに、何故か震えを感じずにはいられない程の強烈な「何か」を放つ恐怖…恐怖の存在が!?
「す、すまん!! ただ単に驚いただけだから、一成くんも気にしないでくれ!!」
「そうよ。一成くんは沙羅ちゃんの為に、世界一素敵なサプライズをしてくれただけなんだから…まさか苦言を呈するなんて真似はしませんよね、政臣さん?」
「は、はい…勿論です…」
有無を言わせない真由美さんの超迫力(笑顔)と、無言で放たれる沙羅さんの強烈なプレッシャーに、政臣さんはもう完全にタジタジな感じで…
でも…
正直に言って、助かったかも。
「あ…と、そ、そうだ。それよりも、良かったら私に指輪を見せてくれないだろうか?」
「……」
政臣さんの唐突すぎるお願いに、沙羅さんは若干嫌そうな表情を浮かべ…それでも一応、お伺いを立てるように、確認の視線をこちらへ寄越す。
俺が二つ返事でそれに頷くと、沙羅さんもコクリと頷いて、自分の左手をテーブルの上にそっと差し出した。
それを真由美さんがそっと両手で持ち上げ、興味深そうにジロジロ…って、政臣さんじゃなかったんかい!?
「んふふ、ごめんなさいね。私もまだ、じっくりとは見せて貰ってなかったから。はい、政臣さん」
「あ、あぁ。どれどれ…」
取り敢えず真由美さんは満足してくれたのか、直ぐに政臣さんが見やすい位置に沙羅さんの手を掲げ、今度は政臣さんが興味深そうに指輪を覗き込む。
俺としては精一杯の物を用意したつもりだけど、そんな検分されるように見られてしまうと、やっぱり緊張するな…
「…一成くん、この指輪をどうやって用意したのか聞いてもいいかな?」
「もう、そんな聞き方をしたら誤解しちゃうでしょ? あのね一成くん、この指輪は、私達が想像していたよりかなり本格的な物なんだけど…」
「は、はい。それが…」
「そのだね、君はどうやって、こんな指輪を購入した…って、まさか」
何かに思い至ったのか、突然目を丸くして、こちらをじっと見つめる政臣さん。
どうやら指輪の購入資金の出所が気になったようだが、あれ以降、俺がアルバイトをしていないことは二人も知っているので…そうなれば当然、思い付く答えなんて一つしかない筈。
一応、親から小遣いを貰った可能性もあるんだけどな。
「…これも、あのときのアルバイト代で買ったのかい?」
「はい」
「いや、でも、あれからそれなりに経っているし、いくら掛け持ちをしていたとはいえ、沙羅にしっかりとした誕生日プレゼントを用意してくれただろう? それなのに、そんな予算が…」
「まさか一成くん…」
「…あれは全部取っておきました。お陰で、ギリギリ何とか手が届きましたけど」
「全部って…じゃ、じゃあ、あれだけアルバイトを頑張ったのに、自分の買い物は?」
「えっと、特に何も…」
二人が、信じられないものを聞いた…もしくは見てしまったと言わんばかりに、揃って驚きの表情を見せる。
そして沙羅さんは、これまで指輪の購入資金に触れることは一切無かったが…やはり予想はしていたようで、どこか申し訳なさそうに…
「…そのだね、私も当時の自分を思い出してみれば、やはり欲しい物はいくらでもあったんだよ? でもお金が全然足りないから、簡単なアルバイトくらいは当然したし、それでも直ぐに使ってしまってね?」
「え、ええ。それは俺も分かりますけど?」
俺だって以前は、人並みに漫画とかゲームとか欲しい物は色々あったし、お菓子もチョイチョイ買っていたから、小遣いが足りないなんて日常的な話。
でも去年の一件以降、そういうことに興味が無くなってしまい、そもそもゲームや漫画以外に趣味らしい趣味も無かったので…
「一成くんもまだ高校生なんだから、欲しいものが沢山あっても全然不思議じゃないのよ? もちろん沙羅ちゃんだって、可愛い物に目がないから、よく雑貨屋さんで色々と買ってきてたし…それなのに」
「で、でも、俺はちゃんと、自分の欲しい物に使ったんですよ? 沙羅さんが喜んでくれるなら、俺はそれだけで十分ですし」
欲しい物が全く無いという訳ではないが、例えばゲームを買いたいとしても…優先順位で考えたら、それこそ天と地くらいの差がある訳で。
今の俺にとって、沙羅さんが喜んでくれること以上に価値があるものなんてないんだよ。
「それは本気で言ってるんだよね?」
「あぁぁぁぁ…もう、何でそんなに良い子なの!! 今日お小遣いを渡すから、今度は絶対に自分の物を買いなさい! 沙羅ちゃん、次のデートで必ず一成くんにお買い物をさせるのよ! 絶対に沙羅ちゃん用の物を買わせたらダメだからね!?」
「分かりました」
「えぇぇ!?」
苦笑混じりの笑顔でそんなことを言われてしまい、しかも沙羅さんは完全に真に受けたようで、決意すら感じさせる真剣な表情でコクリと頷く。
とは言え、先日家具の購入で纏まった金額を渡されたばかりだというのに、この上、俺の個人的な小遣いまで貰う訳には…
「あ、あの、真由美さん、それは流石に…」
「ダメ。あのね一成くん、沙羅ちゃんのことをそこまで大切に思ってくれるのは、私達としても本当に嬉しいわ。それに、一成くんが無理をしている訳じゃないってこともちゃんと分かってる。でもね…一成くんがそうやって、自分のことをいつも蔑ろにしていたら、沙羅ちゃんは素直に喜ぶことか出来なくなっちゃうのよ?」
「それは…」
その言葉に、さっき沙羅さんが一瞬だけ見せた、申し訳なさそうな表情か目に浮かび…真由美さんの話が決して間違っていないことを、嫌でも認識させられてしまう。
俺は決して、そんなつもりじゃ無かったのに…
「お母さん、もう止めて下さい。それ以上言うのであれば…」
「沙羅さん、大丈夫です。真由美さんもすみません、俺は…」
「謝るのもダ〜メ。一成君は、何一つ悪い事なんかしてないんだからね?」
「そうだよ。寧ろ、こちらがお礼を言わせて欲しいくらいだ。沙羅のことをそこまで大切に想ってくれて、本当にありがとう」
政臣さんと真由美さんの優しい眼差しに見つめられ。そして、真由美さんの言っていることが痛いほど分かる今となれば、ここは好意をありがたく頂戴しておくべきだ。
本音を言えば、申し訳ない気持ちはあるけど…でも。
「…俺の方こそ、ありがとうございます。嬉しいです」
精一杯の気持ちを込めて、政臣さん達に心からの感謝を伝える。こうして、俺のことまでしっかりと考えてくれていることが本当に嬉しいから。
「んふふ、それでいいのよ♪ 一成くんだって、甘えられる内は心置きなく甘えておかなきゃ。ね、政臣さん?」
「そうだな。しかし、沙羅のことをここまで大切にしてくれているのに、それを注意するというのはどうにも…」
「本当よね。私もまさか、こんな理由で注意することになるとは思ってもみなかったわ。でもこうなると…やっぱりここは、一度思いきりお義母さんに甘えてみるべきじゃ…」
「寝言は寝てから言って下さい。一成さんの甘え先は私であって、お母さんには全く関係のない話です」
「…さ、沙羅!? それは一体どういう意味…じゃなくて!! 例えそうだとしても、せめてもう少しくらい、節度というものをだな」
「何が言いたいのか、よく分かりませんが?」
「いや、だから、この前のステージで、キ、キ、キスを…」
あぁ、せっかく乗り越えた話だと思ったのに…
やっぱり気にしてたんですね、政臣さん…
俺もまさか、沙羅さんの両親の目の前で、あんなキスをすることになるとは夢にも思わなかったので…
「あ、あの場でプロポーズをすることに至った理由は私も納得したが、それでも、あそこまでする必要が…」
「んふふぅ、相変わらず沙羅ちゃんは大胆よねぇ♪」
「そ、そういう問題じゃないだろう!! まだ二人は学生なのだから…」
「キスなら毎日していますし、私の大切な愛情表現ですから、それを咎められる謂れはどこにもありませんね?」
「ま、ま、毎日ぃぃぃ!?」
「ちょっ!? さ、沙羅さん!!」
毎度お馴染み、アッサリハッキリバッサリと暴露していく沙羅さんスタイルです。
でも政臣さん相手にそれはマズい、マズすぎる…もちろん俺が!!
「か、一成くん、今の話は…」
「うぇっ!? い、いや、そのですね…」
「はいはい、そんな野暮ったい話は置いといて、折角だからもう少し色々と聞かせて貰いましょう。指輪のこともそうだし、私はプロポーズの話をもっと聞かせて欲しいわ♪」
「ちょ、ちょっと待て! これは"そんな"で済むようなレベルの話じゃ…」
「煩いですよ、お父さん」
「煩いわよ、政臣さん」
「煩い!?」
結局…
こんな感じのまま、話し合いの場が落ち着くようなこともなく…
プロポーズに関する話を、真由美さんから根掘り葉掘りと聞かれ、指輪のことも改めて説明するということに。
そして俺は、あの指輪が厳密に言えば、プロポーズリングであったということもしっかり伝え、将来的には改めて婚約指輪を渡したい…という話もしたんだが、それについては
「いいえ、これは間違いなく婚約指輪ですよ。仮に最初がプロポーズリングだったとしても、私が受け取った時点で、この指輪は私達の婚約を示すものとなったのですから…それはつまり、正しく婚約指輪と呼べるものではありませんか? しかもこの指輪には、それ以上に一成さんの様々な想いが沢山籠められておりますので…それを思えば、もう私の人生に於いて、これ以外の婚約指輪は必要ございません」
とのことだった。
ちなみに…後でこっそり真由美さんが教えてくれたが「それなら次は、結婚指輪で頑張ればいいじゃない」だそうな。
そして、楽しい時間はあっと言う間に過ぎ去り…帰り際。
「沙羅ちゃん、任せたわよ?」
「はい。これは全て、一成さんのお買い物に使います」
真由美さんから、約束通りに俺のお小遣いを…しかも沙羅さんに託されてしまえば、俺はもう遠慮することが出来ず。しかも具体的な金額すら定かではないので、せめて常識的な金額であって欲しいと願う他はありません。
「一成くん」
そんな沙羅さんと真由美さんのやり取りを尻目に、スっとこちらへやってきた政臣さんから何かを…薄く小さい封筒のようなものを強引に渡されて…って、これ、まさか!?
「ちょっ、政臣さん、これ…」
「いいから。これは私の個人的なものであって、真由美のあれとは関係ないんだよ。だから大人しく受け取りなさい」
「で、でも…」
「はは…真由美の台詞じゃないが、たまには私にも、父親らしいことをさせてくれ」
「うぐ…」
その言い方はズルいというか、そんな理由で渡されてしまったら、俺もこれ以上無下に断ることなんか出来ないぞ。
「これは使い方を限定しないから、君の好きに使ってくれ。もちろん、沙羅とのデートに使う軍資金にしても構わないよ? 遠出とかどうだい?」
「政臣さん…」
「二人でゆっくり楽しんできなさい。但し…日帰りでね?」
「ち、誓って…」
お、おかしいな…何だろう、この凄まじいプレッシャーは。
まぁそれはともかく、もうこの際だからありがたく頂戴しておこう。
沙羅さんとしっかりしたデートが少ないことは気になっていたので、これはいい機会かもしれない。
後はどこに行くのか…だな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
おまたせ致しました。
最近本当に色々なことが重なるというか、執筆に使っていた10年来の愛用スマホ(リフレッシュ交換)を、人生で初めて水没させました。
そのせいで、未保存だった4000文字が全部消えてorz
しかも新しい機種に感覚が馴染まず、フリックの反応も早いようで操作性が悪いような、思うように執筆が進みませんでした。
しかもワクチンの3回目接種で、副反応の高熱が丸二日間続いて…
まぁそれはともかく、どうやら近々デート回も書く流れになりそうです(お
果たしてどこへ行くのやら。
それではまた~
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