第342話 想いを君に

 side 速人


 まだマイクを受け取っただけなのに、これから自分がやろうとしていることを考えると、身体が大きく震えてしまう。


 でも一成は…俺の自慢の大親友は、一人であの大舞台に颯爽と飛び込み、あれだけの敵意と奇異の視線に晒されながら、それでも臆することなくプロポーズを敢行したんだ。

 それは果たして、どれ程の勇気と度胸があれば出来るものなのか…テニスの試合で感じる緊張感とは全く違うものだとしても、それでも俺には想像がつかないけど。

 だからこそ、そんな親友を誇らしく思え、俺もその半分…いや、せめて三分一でも見習うことが出来れば…と。


 これは別に、二人の完全勝利にあやかりたいという訳じゃないんだ。でも一成の姿を見ていたら、自分の姿がとても情けなく思えてきて…ただ手をこまねいて、いつ起こるかも分からないチャンスを、いつまで待っているんだって…そう思ったら、身体が勝手に動いてしまったんだ。


 今から自分のやることで、それがどんな結果を生むことになるのか…満里奈さんに思いも寄らない迷惑をかけてしまうかもしれないし、考えたくはないけどフラれてしまう可能性だってある。それに、ステージ上にいる二人を祝福する会場の空気を完全に壊してしまう恐れだって…

 それを思えばますます緊張感が高まってきて、身体の震えが止まらなくなる。

 これ程の緊張を感じたのは、生まれて初めてのことかもしれない。


 でも…


 薩川先輩が、自分に好意を寄せていた大多数の人間に向けて、ハッキリと自分の意思を示したように…


 一成が、これだけの大舞台で、自分の気持ちを堂々と宣言したように…


 俺もそうでありたいと、二人の行動が…俺の背中を押してくれたように思えたから…


「横川速人です。すみません…少しだけ時間を下さい」


 だから俺も…勇気を出すんだ!!


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「横川速人です。すみません、少しだけ時間を下さい」


 堂々と、真っ直ぐに、ハッキリと短い言葉でそう切り出した速人。

 その表情には堅さを感じ、場の空気にそぐわない、妙に力の籠った瞳が特に印象的で。それはまるで、絶対に負けられない相手との対戦に向かう試合前の速人…いや、それ以上の何かを感じさせる、そんな張り詰めた空気が、速人の周りだけ漂っているように思える。


「えーと、横川くん? 時間って…」


「質問コーナーなのに、それ以外のことを言い出すのはおかしいと承知してます。それに、一成と薩川先輩にも失礼なことを…」


「速人」


「一成…」


「俺達のことなら気にしなくていい。何かやりたいことがあるなら、遠慮なくやれ」


 速人が何をしようとしているのか分からない。でも決して安易な気持ちで言っている訳じゃない、それだけは確かだ。

 そうであれば、例え俺に、そんな許可を出す権限は無いとしても…


「う、うーん…まぁ、今は二人が主役の時間だから、本人達がそれでもいいって言うなら…でも薩川さんは」


「私が一成さんの決定に、口を挟むような真似をするとでも?」


「だよねぇぇぇ。分かってたけど!!」


「まぁ、それはそれとして…私も横川さんが何をしようとしているのか、それを見届けたい気持ちはあります」


「あ、ちゃんと自分の意思もあるんだ?」


「勿論です。単なる依存など、一成さんにご迷惑をお掛けするだけですから」


「高梨くん第一主義は変わらないんだねぇ…」


「ふふ…それは私にとって絶対の部分ですからね」


 みなみんの何か言いたそうな視線はともかく…

 俺も沙羅さんが一任してくれると分かっていたから、敢えて確認をしなかっただけだ。沙羅さんなら、絶対にそう言ってくれると確信していたから…


「ありがとう、一成。ありがとうございます、薩川先輩」


「別にお礼を言われる程のことではありませんよ。ですが…もし中途半端な真似をして、一成さんに恥をかかせるようなことがあれば…どうなるか分かっていますね?」


「…誓って」


「それなら結構。頑張りなさい」


「…はい!!」


 沙羅さんのスパルタ(?)な激励に、改めて表情を引き締め、一際大きく頷く速人。

 でも今の会話は…ひょっとして、沙羅さんは速人のやろうとしていることに気付いているのか?


「…さ、薩川さん、怖ぁぁぁぁぁ!?」

「…きゅ、急にいつもの薩川さんに戻った!!」

「…高梨くん第一主義って、つまりそういうことでしょ!?」

「…そ、それってつまり…高梨くんに変なちょっかいを掛けたら…ゴクリ」


「沙羅さん?」


「ふふ…私も何となく予想があるというだけですよ。それより、先ずは横川さんの行動を見守りましょう」


「…了解です」


 確かに沙羅さんの言う通り、ここはまず、速人のやることを見守ることにしよう。

 ただ…俺も何となくだけど、速人が何をしようとしているのか、予想がついてきたような気がする。


 もしそうであるのなら…頑張れよ、速人!!


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 side 速人


 薩川先輩の厳しい一言は、俺に対するありがたい檄であると共に、中途半端は絶対に許さないという明確な警告であることも十分に承知している。

 俺の行動を、誰よりも先に容認してくれた一成に恥をかかせる…そんなことをすれば、薩川先輩からどれ程の激しい叱責を受けるか、想像するだけで恐怖を感じてしまう。

 でも俺だって…せっかく一成がくれたチャンスを無駄にするつもりはない。


 薩川先輩に言われずとも、これを中途半端に終わらせるつもりなんかない。例えこの場で、明確な答えを貰うことが出来なかったとしても、自分の気持ちだけは、ここでしっかりと伝えておくんだ。


 ただ、それはそれとして…

 

 薩川先輩とも少しくらいは仲良くなれたつもりだったけど、やっぱり一成以外の男には、全く容赦がないということを、改めて思い知ったというか…


「それじゃ、横川くん!! 改めて、言いたいことをどうぞ!!!」


「ありがとうごさいます。でも、その前に…」


 一度だけ大きく深呼吸をして、敢えて皆を見ずに、ステージ中央の階段を目指す。

 客席のざわめきを尻目にゆっくりと歩みを進め、階段を上がり始めると…背中に聞こえてくるざわめきは徐々に大きくなり、やがて騒がしいと言える程になり始めた頃。


「い、いらっしゃい、横川くん。まさか、ここに来るとは思わなかったけど…」


「すみません、重ね重ね、勝手なことを…」


「いや、それはもういいんだけどね!! ……今更だし」

 

「速人、こっちへ。沙羅さん…」


「畏まりました」


 一成が自分の隣…正確にはステージの中央に俺を呼び…薩川先輩は、一成が呼び掛けただけで、それ以上は何も確認せず、スッと後ろに下がる。

 正に以心伝心と言うか…これは決して茶化しているのではなく、まるで長年連れ添った夫婦にも見える程の、完璧な意志疎通に思えて…


「どした?」


「何でもないよ。相変わらず凄いと思っただけさ」


「は?」


「分からなければ別にいいよ。それだけ自然なことなんだろうからね」


「そ、そうか?」


 そんな二人が微笑ましいと思うと共に、俺も満里奈さんと、一成達のように…なるのは不可能だから、せめて足元くらいでちょうどいいかな?


「それで、速人…何か言いたいことがあるんだろ?」


「はは…やっぱり分かるかい?」


「何となくだけどな。でも…今の返事で確信したよ」


「そっか」


 薩川先輩の言い回しも然り、一成の言葉を聞いても、俺の目的は完全に把握されているとみて間違いなさそうだ。

 流石は恋愛の先輩と言うべきか、俺が分かりやすいと言うべきなのか…


「それじゃ…遠慮なく言わせて貰うよ」


「ああ。頑張れよ…きっと大丈夫だからさ」


「ありがとう」


 俺の返事に満面の笑みを浮かべ、後ろに控えていた薩川先輩の横に並ぶ一成。

 二人の大舞台を完全に邪魔する格好になってしまったことは申し訳ないが、それを暖かく迎え入れてくれた厚意に報いる為にも…俺は。


 よし!!


「改めまして、横川速人です。こうして、突然割り込んでしまった失礼をお詫びします。ですが…この場を借りて、どうしてもお話ししたいことがあるんです。私的な理由ではありますが、暫くの間、宜しくお願いします!!」


「…速人く~~~~~~ん!!」

「…はやと~~~~~!!」

「…横川くん!!!」

「…何なに~? 気になるよぉぉぉ、速人くん!!」


 この場から改めて客席を眺めると、男性陣の殆どが居なくなってしまったとはいえ、まだスペースの半分くらいは人で埋まっていることが確認できる。割合としては、八割以上が女性…それもよく見れば、見知った顔が結構居るようで、一成と薩川先輩の応援に来てくれたのであろうことは想像に難くない。


「本当は、こんな大それた真似をするつもりはありませんでした。俺も薩川先輩を…そして、一成の応援に来ていただけで、それ以上のことを考えていた訳ではありません。でも一成が…男としても尊敬する俺の親友が、今日この大舞台で見せた勇気と度胸は本当に感動的で、胸を打たれて…それに比べて俺は、同じ男として、いつまでグズグズしているんだろうと。そんな自分の情けなさを痛感したと言うか、同じくらい奮い立たされたと言うか…」


 こんなことを本人の目の前で言うのは気恥ずかしいけど、でもこれは、嘘偽りない俺の本心。一成の勇気が、後ろ姿が、俺の心を奮い立たせて、背中を押してくれた。そんな風に思えたから…


「今この場にいる、いつも試合を…俺を応援してくれる皆さん、そして、今この場にいない人達にも、改めてお礼を言わせて下さい。本当に、いつもありがとうございます。そして、そんな皆さんだからこそ、俺は隠さずに、自分の気持ちを正直にお話ししたいと思います」


 最初は歓声を送ってくれていた人達も、俺の意味深な言葉の数々に、段々と不思議そうな雰囲気を醸し出し…それでもしっかり話を聞こうと、黙って俺の言葉に耳を傾けてくれている。そして今から、俺がこの話をしたら、果たして皆がどんな反応を示すのか…それを考えてしまうと、言い様の無い不安に駈られてしまうが…


 でも俺だって、薩川先輩や夏海先輩と同じだから。

 自分を応援してくれる人達にも、想いを寄せてくれている人達にも、ハッキリと自分の思いと気持ちを伝えることが、一番の誠意であると思うから。


 だから…


「俺には今、大切な人がいます。その人は本当に無垢で、あどけなくて、心からの優しさで俺を包んでくれる、側にいるだけで俺まで優しい気持ちになれる…いつも側に居て欲しい、いつも俺の側で笑っていて欲しい、その笑顔を守りたいって…そう思える、大切な人がいるんです」


「た、大切な人…?」

「う、うそ…え? 嘘だよね?」

「ちょっ!? そ、それって!?」

「えぇぇぇぇ!? ま、まさか、まさか!?」

「誰!? それは誰のことよ、速人!!??」


 分かってはいたけど…やはり騒ぎは徐々に大きさを増し、それは一つのうねりとなって、確かに俺の元へ届き始める。

 これが自業自得とも言える、俺の罰。俺の罪。

 後先を全く考えず、周囲に愛想を振り撒き、チヤホヤされることを嬉しいと思い、事無かれ主義を続けてきたことの結果。

 相手の勘違いという要素の強い、薩川先輩とは似て非なる…完全に自業自得と言えるもの。


「…まさかとは思ったけど、本当に言うとはねぇ」

「…一成の親友を名乗るなら、このくらい出来て当たり前」

「…速人くんの…大切な…ひと?」

「…満里奈…」


「何故、そんな話をここでしようと思ったのか…その理由はいくつかあります。でも一番大きな理由は、皆さんに…今まで俺を応援してくれた、今も応援してくれている人達に、自分の口でハッキリと伝えたかったから。そして俺も、一成のように…尊敬する親友のように、胸を張って、大切な人に想いを伝えたいから!! だから俺は、今この場で、君に!!」


 もう俺の瞳には、独りしか映っていない。

 俺が誰よりも大切にしたい、いつまでも一緒にいたい、いつも側に居て欲しい…心から大好きだと言えるひと…満里奈さんだけを…


「藤堂満里奈さん」


「「っっっっっ!!!!!???」」


「ふぇぇっ!? は、はい!!」


「今の話、聞いてくれたかな?」


 コクコクと、少し慌てた様子で、可愛らしく何度も首を縦に振る満里奈さん。そんな何でもない仕草ですら、心から愛しく思えてしまい…俺も一成のことを言えなくなっちゃったかな。

 でもそんな風に思えてしまう自分が、今はとても嬉しい。


「えっと…そのね、速人くん。た、大切な人が居るってことは分かったんだけど…その…」


 スタッフさんが気を利かせて、小さなスタンドマイクを満里奈さんの近くに置いてくれたから、会話が成立するようになったものの…あの様子では、自分のことを言われているという実感が、まだ湧いていなさそうな感じかな?

 これはもう少し、ハッキリと攻めなければダメか?


「満里奈さん…俺の大切な人はね、いつも飴を持ち歩いているんだよ?」


「…え?」


「その人のことが気になったのは、落ち込んでいる俺に、飴をくれたことが切っ掛けだった。とても無邪気な笑顔で、裏表という表現とは全く無縁の、本当に何一つ思惑を感じさせない…まるで、泣いている子供をあやすような、そんな純粋な笑顔で、俺に飴をくれたんだよ?」


「…は、速人…く…ん?」


「俺は…こんなに素敵で、見ているだけで心が暖かくなるような、そんな風に思えた女の子に出会ったのは生まれて初めてで…その子が自分にとって、一番大切な女の子だと言えるようになるまで、そんなに時間はかからなかった。それからの俺は、とにかくその人と一緒にいようと、なるべく積極的に動くことに決めたんだ。でもそれは、下心という意味じゃなくて…一緒にいることで、俺の心まで暖かくしてくれるから。幸せで満たしてくれるから。そんな心地好さで溢れた人だから…だから俺は、いつも一緒居たいと、純粋にそう思ったんだ」


 どこまでも純粋で無垢な、満里奈さんの優しさ、暖かさ…それは俺にとって本当に衝撃で、眩しくて、何よりも心地好くて…

 そんな満里奈さんだからこそ、俺にとっては掛け替えのない人だと胸を張って言える。今度こそ、これは間違いなく恋であると、自信を持って言える。


 だって…満里奈さんの笑顔を思い浮かべるだけで、俺の心臓の鼓動は、こんなにも…


「満里奈さん。俺にとって君は、誰よりも大切な人で、自分の居場所は君の隣なんだと、胸を張って言えるんだよ。だから…」


「ま、待って!! 速人くん、待って!!」


「…満里奈さん?」


 でも…満里奈さんの表情は…とても辛そうな、悲しそうな、そんな風に見えて。

 突然の変化に、俺も戸惑いを隠せなくなって…これは一体?


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 side 満里奈


 速人くんが、私を、大切な人って…


 それってつまり、そういうこと…なんだよね?


 どうしよう…嬉しい。


 嬉しいって気持ちが、一気に溢れてきて…この気持ちはやっぱり…


 それなら、私も…


「…スクリーン見てみなよ!! あれっ!!」

「…さっき、試合会場に居た!?」

「…え、あの子って、生徒会の!?」


「…えぇぇ!? 速人、マジであんな地味なのと!?」

「…ちょ、あんなのに負けるのかよ…薩川さんならまだ諦めがついたのにさぁぁ…」

「…うわっ、釣り合いが取れてないでしょ…あの女、身の程を知れよ」

「…やべっ…あんまデカい声を出さないで!!」


 っ!?


 でも…


 ハッキリと聞こえてきた、誰かの声が…


 私の中で眠っていた…あの記憶を…呼び起こす…


………………


…………



「ねぇねぇ…横川くんってさ、やっぱ薩川先輩と付き合ってるのかな?」

「噂ではそう聞いたけどねぇ…でも薩川先輩なら仕方ないんじゃない?」

「あんな凄い人が相手なら、諦めるしかないよ…」

「バッカ、諦めるも何も、釣り合いってもんを考えなよ」

「そうそう。速人くんと付き合うなら、相応しい人じゃないと…かなりの女子を敵に回すよ?」

「ねぇ満里奈、あんた速人くんと仲良いみたいだけど、本当に違うんだよね?」


「えっ?」


 横川くんのことを、クラスの女子が話題にあげることは決して珍しいことじゃない。でも最近は、私が一緒に居る時間も多いことで、こうして同じ質問をされることが増えてきた。


 それだけなら別にいいんだけど…


「横川くんはお友達だよ? 高梨くんと一緒で、とっても仲良くしてくれる大切なお友達」


 この言葉は、嘘偽りない本当の気持ち。

 高梨くんと横川くん、二人は大切なお友達で、私にも本当に仲良くしてくれる…今まで男子のお友達はいなかったから、そういう意味でも嬉しくて。

 だから本当の本当に、大切なお友達だって、そう思ってるんだよ。


「だよね!!」

「あんた、それを満里奈に聞くの何回目?」

「いや、だってやっぱ心配じゃん!! もし満里奈が速人くんとそうなったら、目の敵にされちゃうし」


「目の敵?」


「そうだよ!! 薩川先輩みたいな凄い人ならともかく、普通の女子が速人くんに言い寄ろうものなら…」

「やっぱ、釣り合いって大事だよね。特にイケメンと付き合うなら、やっかみも多いし…まぁ向こうも選り取り見取りだから、自分に釣り合わない相手なんか選ばないと思うけどさ」


「そ、そうなのかな?」


 私はまだ男子とお付き合いしたことないから、そういう感覚はよく分からないんだけど…

 お互いに好きって気持ちだけじゃ、ダメなのかな?


「そうだよ!! 例えば私が速人くんと付き合ったとして…やっぱ他の女と比べられちゃうじゃん? イケメンでスポーツ万能で大人気の速人くんの彼女が、何の取り柄もない、見た目も普通の地味女だったら、何でこんなやつが…ってさ。毎日そんな目で見られてたら、自分が情けないし、嫌になるよね」


「う、うーん…」


 これも正直よく分からないけど…でも、自分の彼女が情けない人だったら…やっぱり男子はガッカリしちゃうものなのかな?


「その点、薩川先輩なら、そんな心配は全くないだろうけどね」

「寧ろ美男美女って感じで、お似合いなんじゃない?」

「やっぱ、速人くんみたいなスーパーイケメンには、薩川先輩みたいなパーフェクト彼女じゃないとダメなのかな?」

「そう思わせるからこその、釣り合いってもんでしょ? 普通なら気にしなくても、相手が速人くんならそこは絶対に必要だから!」


 薩川先輩のような人…


 確かに横川くんは凄い人で…テニスが上手で、大会でも賞を取っちゃうくらいに凄くて、ファンクラブの女子も一杯いて、人気者で…

 そんな凄い横川くんとお付き合いするのなら、やっぱり相応の人じゃなければ、後ろ指を指されたり、馬鹿にされちゃったりするのかな?

 でもそれって、横川くんにも悲しい思いをさせちゃうってことだよね?


 じゃあそれなら、薩川先輩は…ううん、薩川先輩には、やっぱり凄い高梨くんがいるもんね。

 高梨くんは横川くんみたいにスポーツが出来る訳じゃないけど、いつも皆から頼りにされて、リーダーって感じで、びっくりするくらい度胸があって、努力家で、一途で…そんな凄い高梨くんだから、やっぱり薩川先輩とお似合い…


 あ…


 そっか…


 やっぱり、釣り合いがあるんだ…


 じゃあ横川くんが、いつも私と一緒に居たら…誤解されて、迷惑をかけちゃうのかな?

 でも横川くんは、彼女がいないって…

 それに、私だって横川くんと一緒にいるのは楽しいし、嬉しい気持ちも…


「藤堂さん。迎えに来たよ」


「う、うん、いつもありがとう、横川くん」


「あれ…どうかした?」


「ううん…なんでもないよ?」


 取り敢えず、今は気にしないでおこう…

 いつか、横川くんに大切な人が現れる…その日まで。


 でも…何だろう…


 それを思うと…


 少しだけ、胸が…痛いな…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 後一話でミスコン終わりだと言ったな・・・あれは嘘だ(ぉ


 とまぁ冗談はさておき、諸般の事情により書かなければいけないことが一気に増えまして・・・

 後二話ほど、続くことが確定致しました・・・すみません。

 ただ、少し前のような、一週間に一話のペースではなくなっているので、そこまでお待たせすることはない・・・と思っています(あくまで思っているだけですw)


 次の話も八割書けているので、そこまでお待たせすることはない・・・と思います。


 それと、どうしてもそれぞれの視点が書きたくて、今回は視点変更が多いです。

 区切っているので大丈夫だとは思いますが、読みにくかったら申し訳ありません。


 ではまた次回に

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