第317話 全力
現在、凛華高校のベンチサイドでは夏海先輩への応急処置が行われている。その作業の傍らで、顧問の先生と夏海先輩が話し合いをしながら…多分、試合を続けるかどうかの相談をしてるんじゃないかと。
客席からその様子をじっと見守っていると、顧問が溜息をつくような仕草を見せて…夏海先輩がゆっくり立ち上がる。
手には愛用のラケットが握られていて、それは多分、このままコートへ戻ってくるという意思表示。 どうやら話し合いの結果は、試合続行の結論に達したようだ。
「夏海さん!!」
「夏海!!」
「夕月先輩!!」
「夏海先輩!!」
コートに戻ってくる夏海先輩に大きな声を掛けると、満面の笑みを浮かべ「大丈夫だよ」と言っているようにも思えて。
でも…それでも。
「一成…もし次にダメだと判断したら、俺はコートに出るぞ。反則負けだろうとなんだろうと、夏海さんを保健室へ連れていく。それで足りなければ病院へ連れていく」
「雄二…」
その時が来れば、迷わず強行策に出る…雄二の強い口調と眼差に、明確な決意の表れを感じる。
確かに、関係者じゃない雄二がコートに乱入すれば中止…もし夏海先輩を連れていけば、失格になってしまうのは間違いない。
でも俺はそれを止めることなんか出来ないし、そもそも止めるつもりもない。
もしこれが沙羅さんなら、俺だって冷静で居られる訳がないと自分でも分かっているから。
「…そうですね。橘さんの行動であれば、夏海も素直に言うことを聞くでしょう。もし周囲から文句が出るようであれば、生徒会権限を使ってでも黙らせます」
ちょっと物騒な気もするが、沙羅さんから頼もしい同意の言葉。
心配しているのは雄二だけじゃない、それは俺も沙羅さんも…皆も同じ。
「わかった…好きにやれ、雄二」
「まぁ、反対する人はいないと思うよ」
「うん。やっぱり夕月先輩が心配だよね!」
「試合よりも、夕月先輩の身体の方が大切だから」
「誰にも文句は言わせない」
「もし病院へ連れて行くなら、直ぐにでも準備させますよ?」
俺達の後押しに、雄二は無言で頷く。
決意を秘めたその眼差しで、夏海先輩をじっと見つめている。
でも願わくば…何とかこのまま、最後までプレイできますように。
きっとそれは、誰よりも当事者である夏海先輩本人が、希望していることだろうから。
「皆、全力で応援するよ!!」
「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」
ファンクラブが激しい気勢をあげて、一段と熱の籠った応援を再開する。
「夏海さん!!」
そして雄二は、その大声援にも負けない程、声高に叫ぶ。
それが聞こえたのか、前だけを見据えていた夏海先輩が静かに頷き…ゆっくりとボールを構える。
「はぁぁっ!!」
パァァァァァン!!
正に気合一閃!!
怪我の影響を感じさせない夏海先輩の強烈なサーブが、鋭く相手のコートへ突き刺さる。今度は着地後もキッチリとステップを踏み始め、怪我をした右足で大地をリズミカルに蹴る。
パァン!!
相手が確実なリターンを放つと、夏海先輩も素早く反応して打ち返す。短期決戦を望む俺達としては、正直に言うとやって欲しくなかったラリーが始まってしまう。
パァン!!
パァン!!
機敏に動き回る夏海先輩の動きは、やはり怪我の影響を全く感じさせない。でもラリーが続けば続くほど、足への負担も増していくことは間違いない。
「っ!?」
一瞬、足を滑らしたように夏海先輩の動き出しが遅れる。
あくまで「滑らした」ように見えただけ。でもそれが右足だったことを考えれば、ひょっとして…
「くっ…」
勢いよく戻ってくるボールに対し、動きが崩れた夏海先輩は必死にラケットを伸ばす。でも残念ながら完全には捉えきれず、当たったボールは軌道を変えただけ。
「フィフティーン・サーティ!!」
審判から得点のコールが伝えられ、弾かれたボールはちょうど俺達の目の前に転がってくる。
夏海先輩がそれを拾いにこちらへ歩いてくるので、ここは一発、激励を…
「夏海さん!!」
「…雄二?」
そう思っていたのは俺だけじゃないし、きっと皆も同じように激励しようと思っていた筈。
でも雄二が誰よりも早く声を掛け、夏海先輩とお互いに見つめ合いながら…何とも言えない雰囲気を醸し出しているようにも見えて。
だから俺達も、周囲も、そんな二人の雰囲気に飲まれたように、無言で様子を見守っている。
「足は本当に大丈夫ですか?」
「…大丈夫だよ。この程度ならしょっちゅう」
「分かりました」
「うん。だから…」
「違う、俺は大丈夫じゃないことが分かった…と言ってるんですよ?」
「うぐっ」
「本当は大丈夫じゃないんですよね?」
「う…それは、その…」
強気で話し掛ける雄二に対して、早くも押され気味になる夏海先輩。
俺達にとってはお馴染みの光景でも、ファンクラブの人達からすればかなり珍しい光景だろうから…そうなれば当然…
「…ね、ねぇ…何か、夏海ちゃんの様子が…」
「…だよね、いつもとちょっと…」
「…男子の親友だからじゃないですか?」
「…でもそれを言ったら、高梨くんや横川くんとはいつも通りでしょ?」
「…た、確かに、そうですね…」
夏海先輩は雄二が相手だと、普段の「姉御肌」が消えてしまい「乙女」な一面が顔を出す。
普段の夏海先輩を知っていれば知っている程、その違いをハッキリと感じるだろうし。
「先に言っておきますよ。もし俺がダメそうだと判断したら、試合に乱入してでも止めさせますから。そのまま保健室へ連れて行きます」
「ちょ…」
「ちなみに、冗談でも何でもないです」
「雄二!! 私は絶対にこの試合を…」
「だから…早く終わらせて下さい」
「…雄二?」
「簡単な話ですよ? 足が不安なら、さっさと試合を終わらせればいい。短期決戦で行けば、最後までプレイできる可能性が増えますね?」
「ぐっ…」
何だかんだ言って、やっぱり雄二も夏海先輩の求めていることを…この試合をやり遂げたいと願っている気持ちを、しっかりと理解しているだろうから。
だからこれは、雄二なりの妥協点。
試合を止められたくなければ、早急に勝てという…雄二からの提案。
「あぁ、安心して下さい。保健室には、俺がお姫様抱っこで連れていきますから」
「はぁ!?」
「公衆の面前で、お姫様抱っこのまま保健室まで連れて…」
「ば、ば、バカ言わないでよ!! そんなの冗談じゃない!!」
こうして雄二にからかわれると、夏海先輩は直ぐムキになってしまう。
顔も真っ赤になっていて、夏海先輩の「乙女」が完全に顔を出してしまい…でも、今はちょっとマズいような。
「「「………」」」
こっそり周囲を確認すれば、特にファンクラブの皆様が驚きの表情で固まっていて…まぁ…そうなりますよねぇ。
俺は沙羅さんのことで、こういったリアクションには慣れていますから。
「それが嫌なら、やはりさっさと勝つしかありませんね? それに俺はまだ、夏海さんのスーパープレーとやらを見ていませんが?」
雄二のあからさまな挑発に、夏海先輩はニヤリと不敵な笑みを浮かべて…
「…上等じゃない。わかったわよ、私の全力を見せてあげる。その代わり…勝ったら何かご褒美を寄越しなさいよ?」
「ええ、いいですよ。どっちにしても、俺からすればご褒美みたいなものですし?」
随分とアッサリご褒美を受け入れたが、雄二は何かアテでもある…あっ!
まさか…アレか?
「ふふん、随分と余裕みたいだけど、後で絶対に吠え面かかせてあげるわ。第一、そういう羞恥プレイは高梨くんだけで間に合ってるのよ!!」
「ちょっ!?」
見守るだけのつもりだったのに、とんでもないことを言われて思わず突っ込みを入れてしまう。
何じゃそりゃ!?
「夏海、それはどういう意味ですか? 何故そこで一成さんが…」
「いや、あんたいつも人前でやってるじゃん?」
「そんな程度の低いものと一緒にしないで下さい。私の行動は、全て一成さんへの愛情です。それに、一成さんが私に甘えて下さる姿がとても可愛らしいので…」
「ちょ、沙羅さん、ストップ!! ストップ!!」
周囲の皆様からの、生暖かい視線をモロに感じる!!
ちょっと待って、何でいきなり俺の羞恥プレイが始まってるの!?
「夕月選手!! コートに戻って下さい!!」
そんな俺に救いの手(?)が差し伸べられ、審判からの厳しい注意で夏海先輩が焦ったように振り返る。まさか現状を忘れていたのか?
「雄二、見てなさいよ!!」
「ええ。しっかり見てますよ」
最後にそう一言を残し、夏海先輩はコートへ戻っていく。
しかし冷静に考えてみると、これ公式戦や大会だったら、かなりヤバいことをしていたような?
…よく注意で済んだな。
「ね、ねぇ、高梨くん…」
「あのさ、夏海ちゃんと、あの人って…」
「どういう…?」
流石にあそこまでのシーンを見せられれば、嫌でも気付く人は現れる…とは言え、それを俺から言う訳にも…
「私語は中止!! 応援再開するよ!!」
「「「おお~~~~~~~~~~~~~~!!」」」
ナイスタイミングで応援再開の檄が飛び、話が有耶無耶のまま流れてしまう。
無かったことにはならないとしても、後回しにして貰えたのは正直助かった…どうせこうなった以上、きっと夏海先輩が動くだろうから。
案外、雄二もそれを後押しするつもりで、思いきったことを言ったとか?
………………
夏海先輩が審判と試合相手に頭を下げ、改めて試合再開のコールが告げられる。
特にペナルティーを与えられた訳じゃなさそうなので、これが公式戦じゃなくて本当に良かった。
とは言え、さっきのやり取りで足が改善した訳でもないし、依然問題は残ったまま
変わりは無いが…
「ふぅ…」
夏海先輩が汗を拭いサーブの構えに入る。
そういえば、汗の量が多いような気も…
大きく一度、深呼吸をして、真っ直ぐに相手を見つめてから、ボールを上げて…
「ふっ!!」
パァァァァァン!!
先程と同じく、怪我を感じさせない綺麗なサーブを放ち、夏海先輩はリターンを待ち構えてステップを踏む。
短期決戦をするとは言ったものの、そんな都合よくは…
パァン!!
相手のリターンに合わせ、夏海先輩が勢いよく走り出す。少し後ろに下がりながら、タイミングを合わせてラケットを振り抜く。
パァン!!
夏海先輩のリターンも、バウンドをした途端に飛距離を延ばし、相手も後ろに下がりながら打ち返す。ある意味でもっとも避けたい、遠距離のラリーが始まってしまう。それは移動距離が増えるので、足に不安を抱える夏海先輩は…
「深く打たれ続けると、夏海先輩は厳しいね。でも、これは勝負だから…」
例え弱点を攻められたとしても、それに文句を言うことは出来ない。全て承知で試合に望んでいるのだから。
「っ!!」
相手がリターンを放った直後、突然、夏海先輩が今までよりも前寄りの位置へ走り出す。
でもあの位置は、前すぎるような…
「あれは…夏海先輩」
速人が何かを呟いたそのとき、相手のボールがバウンドをした瞬間…まだ跳ね始めたばかりのタイミングに合わせて、夏海先輩が低姿勢からいきなりそれを打ち抜いた!?
「あんな低いライジングを!?」
俺は初めて聞く名前(しかもちょっと格好いい)を、速人が驚いたように叫ぶ。
そしてボールは、あんな難しそうな位置から打ったとは思えないくらいの勢いで飛んでいく。いきなりの奇襲に、相手も完全に動き出しが遅れていて…あれはもう間に合わない!!
「サーティー・オール!!」
「「おおっ…」」
「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」
「「「なつみ・なつみ・な~つ~み~、ナイス!!」」」
観客席から溢れるどよめきと、ファンクラブの大歓声。
正直、俺も今のはよく分からなかったけど…いつもと全然違うタイミングで打ったことは間違いない。
「速人、今のは?」
「あれはライジングショットと言って、バウンドの上がり途中を叩くショットなんだよ。でも低い位置で打つのは、実用性として厳しいんだけどね。失敗することも多くなるし…もちろん、決まれば相手のタイミングを崩し易くなるし、移動距離の節約もできるから」
「なるほど」
「正確に言うと、俺も夏海先輩も、今まで何度かライジングは打ってたんだよ? でもあんなに低いのは…本番であれを決めるなんて、流石は夏海先輩」
そういうことか。
成功率が低いから、なるべく使わないようにしていたとすれば…これは夏海先輩にとって、隠し玉の一つだったいうことになるのかも。
何にせよ凄い!
「あ、夕月先輩が笑ってる」
立川さんの声に目を向けると、夏海先輩がニヤニヤと笑いながら、腰元でコッソリとサムズアップ。あれはしてやったり…っといったところか?
今日初めての得点アピールが出たな。
「さぁ、ここからだよ。足の負担を考えたらデュースは避けたいし…夏海先輩は、連続で得点しないと」
速人の言う通り、ここからは相手に一度でも点を取られてしまえば、リードしても追いかけても必ずデュースになってしまう。
それは試合が延びることになるので、何としても連続ポイントを取って、一気に勝負を決めたいところ。
「ふぅ…」
それは夏海先輩が一番理解している筈だから…気持ちを落ち着かせるように、サーブ前に深呼吸を始めている。
「ふっ!!」
パァァァァァァン!!
夏海先輩がサーブを放ち、相手もそれをキッチリと打ち返してくる。
それに対して、夏海先輩がまたしてもボールの落下地点を目掛けて走り出し…あれは!
「っ!!」
パァン!!
先程と同じように、ボールの上がり始めを狙うライジングショット!
しっかりとラケットを振り抜き、打ち返したボールは弾丸のような勢いで相手のコートへ一直線。
でもそれは向こうも警戒していたようで、今度はしっかりと追い付きリターンを放つ。
パァン!!
再び戻ってくるボールの着地点を目掛け、またしても夏海先輩が距離を詰める。しかも今度は身体を捻り、まるで力を溜め込むように…
「バックハンド!」
速人の声がボールのバウンドに重なり、夏海先輩が溜めた力を一気に爆発させる。全身を使って豪快に振り抜いたライジングショットは、猛烈な勢いでライン際の難しい位置へ。
相手は連続で仕掛けられたスピードプレーに体勢が間に合わず、走り出しが明らかに遅い!!
「フォーティー・サーティー!!」
「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」
「夏海ちゃん!!!!」
「夏海先輩、頑張ってぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「夏海、あと一息ぃぃぃぃ!!!」
客席は、悲痛にも聞こえるくらいの必死な夏海コールで溢れかえり、遂にファンクラブまで応援歌を止めてしまう。夏海コール一色で溢れかえる。
「夏海!! 次で決めなさい!!」
「夏海先輩!! 必殺技!!」
ここまで冷静に応援をしていた沙羅さんや花子さんまで、夏海先輩に檄を飛ばし(花子さんは微妙だが)、俺達もそれに負けないくらいの全力応援で続く。
だって…夏海先輩が不自然に息を切らしていて、見るからに大量の汗をかいているのが分かるから。
それは痛みを必死に堪えているからだと、ハッキリ分かってしまうから。
だから俺達も、必死に声をあげる!
「夏海先輩、頑張れ!!!」
「夏海、根性を見せなさい!!」
「夕月先輩!!!!」
「夕月先輩、頑張ってぇぇ!!」
「夏海先輩、あと一息ですよ!!」
夏海先輩は全神経を集中させているようで、俺達の声にすら一切の反応を示さない。呼吸を整え、前だけをじっと見つめて…そしてサーブを身構える。
その瞬間…
「夏海さん!!!」
全く反応しなかった夏海先輩が、やはり雄二の声にだけ、小さく微笑んだような気がして…
「あぁぁぁぁぁ!!!」
パァァァァァァァン!!!!
今日一番…いや、これは俺が今まで見てきた夏海先輩の中でも、ダントツと言っていいくらい、激しく強烈なサーブ。
ラケットから放たれたボールは、猛然とネットを越えた先…相手のコートを目掛け襲いかかり、その勢いは速人の弾丸サーブすら連想させる程に。
それでも相手はキッチリとタイミングを合わせ、ボールに勢いよくラケットを叩きつける。
「っ!?」
でもラケットを振り抜こうとした瞬間、突然、中途半端にその動きがブレたような気がした。
ラケットを綺麗に振り抜けず、まるでボールの勢いに押されたようにも見えて。
「チャンスだ!!」
速人の叫びと同時かそれよりも早く、夏海先輩が一気に前へ出る。高めに戻ってくるボールに向かい、思い切り突っ込んでいく。
これは!?
「夏海さん、行けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
雄二と誰よりも付き合いの長い俺ですら、初めて聞く激しい雄叫び。
その声に背中を押されたように、夏海先輩がジャンプと共に大きく振りかぶる。
このまま直接!?
「ふっ!!」
全身の力と走り込んだ勢いの力、それにジャンプの力を加え、これは恐らく夏海先輩にとっての全力で。
パァァァァァァァン!!
全てを叩き付けたボールは、見る限りスマッシュに勝るとも劣らない程の勢いで飛んで行く。しかも軌道が急速に、カーブするように下へ落ちていく。そのままコートに突き刺さり、バウンド後も勢いは強いまま、誰もいない方向へ。
相手はそれに追い付くどころか、もう諦めたように見送って…
「ドライブボレー…」
客席がしんと静まり返る中、速人がポツリと呟いたカッコイイ技名(恐らく)が耳に残る。
でも今はそれよりも、結果…結果は…
「ゲームセット!!! マッチ・ウォンバイ 夕月…」
「や…」
「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「勝ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」
割れんばかりの大歓声がコートを包み、ファンクラブの熱狂と観客の拍手が溢れかえる。
俺達もお互いに夏海先輩の勝利を喜び、雄二と速人、二人と同時にハイタッチを交わす。その直後に抱き付いてきた沙羅さんを抱き締めようとして、背中から花子さんにも抱きつかれ。
でも…
そんな俺達の浮かれ具合とは裏腹に…
夏海先輩がゆっくりと、崩れ落ちるように…コートにへたり込んでしまい…
「夏海!!」
「夏海ちゃん!!」
慌ててベンチから飛び出した顧問と部員達に囲まれて、夏海先輩は一応の笑顔を見せる。右足首を手で擦りながら、それでしっかりと受け答えはしている。
まだ立ち上がれないようだけど…
「雄二!?」
「橘くん!?」
速人と藤堂さんが驚いたような声をあげて、俺も雄二を確認すると、いつの間にかあいつはコートへ向かっていた。
恐らくこの場に居る誰しもの注目を集めながら、緊張した面持ちでゆっくりと。
その先には、一様に驚きの表情で固まっているテニス部員達と顧問がいて、そして夏海先輩だけが、引き攣ったような顔で。
やっぱりこうなったか。
でも、次はお前が頑張る番…ってことだな、雄二?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
試合終了まではいきましたが、アフターが書けませんでした(ぉ
皆さんが見たいのは、きっとテニスの試合内容じゃなくてそっちですよね…ええ、わかっております。
ですが…自分で言うのもなんですが、頑張って…熱く書いたつもりですw
熱が入り過ぎて、試合内容の描写が予定をかなり上回る量になってしまったのですが…なので…そっちも楽しんで頂けると嬉しいです(^^;
しかし、動きのあるシーンは書いてて楽しいですが、忙しくて難しいですね。
異世界ものの戦闘性シーンとか、もっと激しくキッチリ書かないといけないんでしょうし…私は現代ラブコメが好きなので別にいいんですがw
次回はこの続きと、お昼辺りのシーンになります。
それが終われば、ミスコン開始です!
ではまた次回~
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