第260話 爆弾発言

「さ、薩川さんが…こ、こ、婚約…」

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

「嘘だ、嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だぁぁぁぁ…」


 理由はさておき…

 先程までお通夜のような静けさを見せていた男子達が、急転直下の出来事で阿鼻叫喚の様相になっていた。

 沙羅に恋人がいて、しかも婚約までしていたという事実は、もはや衝撃どころの騒ぎではないだろう。しかもあの沙羅が、それを幸せ笑顔全開でノロケるという光景まで見せられてしまえば…


 と言うか、暫く立ち直れない男子もいそうね。


「うひひひひ……大・惨・事ぃ♪」

「あんたねぇ…気持ちは分かるけど」


 沙羅と高梨くんのことが発覚すれば、こうなるなんて、悠里達も最初から分かっていた筈。それを分かった上で楽しんでいた悠里からすれば、今のこの惨事は期待通りと言ってもいいくらいの状況だろう。


「でも、薩川さんは他の男子から言い寄られるの嫌がってたし、ちょうどいいんじゃない? ねぇ夏海ちゃん?」


「まぁね。バレるのは遅かれ早かれだと思ってたし…」


 ガラガラガラ…


「席に着け~授業を…………どうした?」


 教室へ入ってきた先生が、教室内の様相を見て不思議そうに首を傾げた。

 女子はともかく、男子達が…もう完全に意気消沈といった感じだし、先生から見ればさぞ不思議な光景に見えているだろね。

 これは次の休み時間も、平穏無事とはいかないかな…


……………

………


「となる訳で…次は…竹山。」

「………」

「竹山!」

「!? は、はい!?」

「話を聞いてたか?」

「…す、すみません…」

「全く…じゃあ西田!」

「………」

「西田!!」

「は、はい!?」


 …うーん、こりゃ授業になってないわ。


 予想通りと言えば予想通りだけど、男子達はやはりショックが大きすぎるみたいだ。全然授業に集中できていないようで、女子もどこか浮わついたような感じがする。

 興味津々…いや、興味全開といった様子で、沙羅に視線を集中させている。

 半端ない男子撃墜数と、隙のない完全拒絶で、男嫌いとまで言われていた沙羅の婚約話だ。恋バナ大好物の年頃女子が、そんなお宝話に興味が湧かない訳がない。

 そしてそれを象徴するように、今も私の周囲を小さく折り畳まれた白い紙が飛び交っているくらいだ。

 こんな状況で、果たして何人がしっかりと授業を聞いているんだろうね?


 ポトリ…


 そして、ちょうど私の目の前に届けられたコレ…と言うより、文字通り飛んで来たコレは、先程から各所を旅行していた件の白い紙だ。真面目な沙羅がこれを見たら、授業中に遊ぶなと怒るだろうけど…取り敢えず中身を確認しようか。


「高梨くんって、あの高梨くん?」


 ごちゃごちゃと書き加えられている紙の、一番最後に大文字で書かれていたのはこの一言だ。


 一応流れを追ってみると…


 悠里が高梨くんと漏らしたことを覚えていた誰かが指摘して、そこから以前起きた「女神様マジギレ事件」に結び付いているみたい。

 他にも「副会長?」という指摘も書かれているし、どうやら名前以外のことも特定されていると見て間違いなさそうだ。

 でもここまで分かっているなら、沙羅に直接聞けばいいのに…まぁ話しかけ難いか。


 何となく周囲を軽く見回してみると、わくわくした様子でこちらを見ている連中が視界に入る。そして背中をトントンと突っつかれたので、次にこれを渡す相手は、私の真後ろになのか。


「ノーコメント。沙羅に聞いて」


 せっかく沙羅が自分から話すつもりになっているみたいだし、それを私が暴露するのは有り得ない。だからブーイングが出ることも覚悟の上で、そう書き込んでからこっそり後ろ手に手紙を回すと…もの凄い勢いで回収された!?


 その後も手紙は各所を飛び回り、やがて再び私の手元に戻ってくる。


 そこには…


「いけず」

「いじわる」

「鬼」


 ふふん、別に痛くも痒くもな…


「つるぺた」

「絶壁」


「ちょ!! 誰が絶ぺ…」


「ん? 夕月、どうかしたか?」


「はっ!? す、すみません、何でもないです」


 聞き捨てならない単語に思わず反応してしまい、咄嗟に大声を出してしまった。


 …くそぅ、誰かは知らないけど覚えてなさいよ。


 ちなみに…あくまでも名誉の為に言っておくが、私は断じて絶壁などではない。

 スレンダーだね? と言われることは多いけど、絶壁などと失礼なことを言われたのは初めてだ。

 私自身と同じで「ここ」も慎ましやかなのは認めるしかないが、これでも沙羅の半分…いや、三分の一…くらいは…追い風参考記録(?)とかその辺りで…ある筈。

 いや、ある!


 はぁ…言ってて虚しくなってきた。これは比較対照が悪いだけで、私くらいの人は普通に…って、この話はもういい。


 クスクスと小さな笑い声がいくつも聞こえてくる。だから周囲を睨むように見回すと、数人からサッと目を逸らされた。

 いつか絶対に犯人を見つけてやる…


……………

………


ガラガラガラ…


 授業が終わり、先生が教室から出て行った瞬間…

 ドドドドと、まるで地鳴りのような足音を響かせて、沙羅の周りに女子が集まってくる。授業でお預けになっていた話の続きを求めて、我先にと集まってくるその姿はちょっとしたホラー映画のようにも見えた。


「さ、薩川さん!! 婚約したのって高梨くんなの!?」

「この前、副会長になった人だよね!?」

「ひょっとして、その辺りにも繋がりがあったりする!?」

「二人はどこまで進んでるの!?」

「男嫌いじゃなかったの!?」


 散々待たされた野次馬…もとい、恋愛脳の乙女達には、もはや順番に質問をするという秩序すら存在していない。

 四方から怒濤の如く質問攻めが始まり、先程とは反対に、今度は沙羅が目を丸くして驚いてしまう状況になっていた。


「えっ!? あ、あの、皆さん、お、落ち着いて下さい!!」


 高梨くん以外のことで、沙羅がここまで焦りを見せるなど珍しいことだ。

 いや、今回のこれが高梨くんに関する質問だと考えれば、ある意味でやっぱり高梨くんのことで焦っていることになるのかな?

 そうなると、珍しいとは言えないのかも。


 私がそんなことを考えている間も、沙羅は女子から詰め寄られ、満足に返事を出来ないくらいの質問攻めにされていた。

 これは流石に…


「ほら、あんたらいい加減にしなさい。沙羅が困ってるでしょ。」


 沙羅が本気で困っているようなのに、それを黙って見ているだけという訳にもいかない。こんな不特定多数とのコミュニケーションは、今の沙羅でもまだ難しいだろうし。

 偉そうなことを言うつもりはないけど、フォローくらいはしてあげたい。

 それに、うっかり同棲していることを漏らされたら、後で大変なことになりそうだからね。


「どうせ聞きたいことなんて全員似たようなもんでしょ? でもこれは沙羅だけの話じゃないから、当たり障りのない話に限定ね。」


 少し強引な言い分だと自分でも思うけど、それでも敢えて言っておく。

 これは今集まっているクラスメイト達だけでなく、沙羅にも間接的に釘を刺す狙いがあるからだ。

 良くも悪くも、沙羅は高梨くんのことが絡むと色々と弛んでしまうからね。だから暴露し過ぎないように…と。

 最も、どこまでそれが伝わっているのかはわからないけど。


「そうですね。私も一成さんにご迷惑をお掛けする訳にはいきませんので、大まかで良ければお話しします…それで宜しいですか?」


「「「一成さん!!!!???? 」」」


「おおお!!!! 薩川さんが男子を名前で呼んだぁぁぁぁぁ!!!」

「ヤバ!!?? これマジでヤバいんだけど!!!」


 沙羅が高梨くんの名前を呼んだだけなのに、逆にこちらが驚いてしまう程の大騒ぎが始まってしまう。

 今まで沙羅がどう思われていたのかということを考えてみれば、それだけでも衝撃的なことではあるだろうけど。


「さ、薩川さん、普段は名前で呼んでるの!?」


「え、ええ。そうですけど」


「あ!!! さ、さっき高梨くんのこと、旦那様って言ったよね!? 結婚したらそう呼ぶの!?」


「いえ、結婚をしたら…あなたと…」


「「「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」」」

「「「あなたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」」」


「…ぉぉおおお!!!」

「…あ、あなた…あなた…」

「…ぁぁぁぁぁぁ、もう止めてくれぇ…」


 男子は喚き散らしながら頭を振りたくり、女子はひたすら大興奮で盛り上がっている。

 女子が盛り上がれば盛り上がる程、男子は絶望で地の底へ沈んでいくという…もうこれはカオスともいえる状況だ。


「も、もうそんなとこまで決めてるの!?」


「決めていると言いますか、今でもそうお呼びするときがあるので、結婚後は自然と…」


「えええ、もうそうやって呼んでるの!?」

「うわっ、うわっ、その場面が想像できない!!」

「さ、薩川さん、それって副会長さんだよね!?」


「ええ。そうですよ」


「やっぱりぃぃぃ!!」

「総会のときに、薩川さんが妙に親しげだから怪しいと思ったんだよねぇ」

「あたしも~。妙にベタ褒めだったし、今まで見たことない笑顔だったからさ」


 あのときの沙羅は、高梨くんと並んで舞台上に立てたことを本当に喜んでいた。

 だからこそ、あんな嬉しそうな笑顔を浮かべていたのであり、それを今まで誰も見たことがないというのは当然の話だ。


 そもそもあの笑顔を引き出せるのは高梨くんだけだからね…でもそんな笑顔だからこそ、二人の関係が気になった人がいても不思議はないのかも。


「薩川さんって男嫌いだったよね? どうして高梨くんは大丈夫だったの?」

「あ、それ聞きたい!!!」

「私も!!!」


 …やっぱり、そこに辿り着くよねぇ


 沙羅が男を寄せ付けないということは周知の事実であり、しかも皆は沙羅のクラスメイトだ。一年の頃からずっとその姿を目の当たりにしてきたし、だからこそ、この学校で一番それを知りたいと思っているのはこのクラスだと言える。


「…すみません、恐らくそれをしっかり理解できるのは、この中では夏海だけだと思います」


「…そうね」


 私はもちろん沙羅から話を聞いている。

 でもそれは、高梨くんの過去と沙羅の過去を知っていて、その上で話を聞いたからこそ納得できた話だ。


 そもそも沙羅の容姿を見て、下心を出さずに純粋な友人として受け入れることのできる男など、絶対にいないと断言できる。

 でも高梨くんは、心の傷のせいもあって最初から沙羅をそういう目で見ていなかった。つまりその時点で、高梨くんは稀有な存在だったということだ。


 そして自分を理解してくれた沙羅の為に、今度は高梨くんが、沙羅の求める在り方で居続けようと支えてくれた。

 100人いたら100人が誤解するよな状況だったにも関わらず、それでも沙羅が求めるなら友人でいいと、沙羅の為にそれ以上を求めようとしなかった。

 だから表面的には沙羅が高梨くんを支えているように見えても、内面的には逆だったんだ。


 お互いに稀有な存在を探し求めて、奇跡的に出会えた…沙羅の言葉を借りるなら、運命の出会いだったという訳だ。

 チープな言い方かもしれないけど、その話を聞いた私ですら運命だと感じてしまったくらいだ。本人達がそう感じていても何らおかしくないし、寧ろそれが当然だと思う。


「でも一つだけ…一成さんは、私がやっと巡り会えた唯一無二の大切な方なんです」


「ついでに言うと、高梨くんの方も全く同じなんだよ。だからこの二人は相思相愛だし、間には絶対誰も入れない。」


 本当は、口を挟むつもりは無かったんだけど…

 ちょうど二人のことを考えて胸が熱くなっていたこともあり、思わずそんな余計なことまで口走ってしまった。ちょっと失敗したかもしれない。


「夏海がそんな言い方をするなんて…」

「夏海ちゃんロマンチスト~」


案の定、少し冷やかすような突っ込みを受けてしまった。でも…


「事情を知ってる私からすれば、そうとしか言えないのよ。これは冗談でも誇張でもなくて、沙羅の相手は高梨くん以外には無理だから」


「夏海の言う通りです。だからこそ、私は一成さんを愛しております。将来の結婚も私自身が望んでいることですし、私は一成さんの妻になるとお約束しました」


「…あ………」

「…その……」

「…つ、妻…!?」


 沙羅が私の言葉を引き継ぐと、迷いなど微塵も感じさせない、実に堂々した様子で宣言をした。

 高梨くんとの結婚は自らが望んでいるのだと、沙羅はハッキリと言い切った。

 そんな沙羅の真摯なまでの姿に、冷やかそうとしていた連中も…いや、この場にいるクラスメイト全員が本気で絶句しているみたいだ。

 でも、それはそうだろう。

 沙羅の想いと覚悟は、今の私達の感覚では推し量ることなど出来ないのだから。


「…さ、薩川さんは、本当に高梨くんのことが好きなんだね」

「…凄いね…こんな風に言われたら、もうおめでとうって言うしかないよ」

「薩川さん、幸せなんだね。いいなぁ…そこまでの人に出会えるなんて羨ましい」


 興味本位で問い詰めにきた女子達も、純粋に高梨くんを想う沙羅の気持ちに驚いて、茶化したり冷やかしたりすることが出来なくなってしまったようだ。

 でもこんな姿を見せられたら、素直にそれを祝福してあげたいと思ってしまうのは自然なことだと私も思う。


「つ、つ、つま…妻」

「…ぁぁぁぁ、諦めるしかないのかよぉぉぉぉ」

「……無理だって、わかってたけどさぁぁぁぁ…」

「…認めたくないけど…認めるしかないのかよぉぉ」


 そしてそれは、同じく話を聞いていた男子達にも響いていたようだ。

 もう認めるしかないと、諦めるしかないと完全に思い知らされてしまったみたいだ。

 と言うより、あそこまでハッキリと沙羅の想いを聞かされて、それでもまだ認められないと言うなら常識を疑うレベルだと思う。


 このクラスの男子達は沙羅の男嫌いをハッキリと知っているが故に、他に誰も現れないだろうというある種の安心感を持っていた筈。だからこそ、特定の相手が現れたことで、認めるしかないと思い知ることも早いのだと思う。


 沙羅が何を思って急にスタンスを変えたのかわからないけど、でもこういう結果が生まれたということは、それが正しかったということなんだろうね。

 

「薩川さんと高梨くんは、本当にラブラブだからねぇ」


 ここまでクラスメイト達の様子を見て楽しんでいた悠里が、ニヤニヤしながら突然口を挟んだ。

 訳知りにも聞こえるその余裕の言い回しに、女子達が睨みを含めたような視線をぶつけ始める。


「そうだ、悠里!! あんた薩川さんに婚約者がいること知ってたの!!??」


「恋人がいることは知ってたよ。婚約は私も初めて聞いたけど~」


「ずっる!?」

「ちょっと!! こんな凄い話、教えてくれても」


「いや、黙ってた方がおもし…ゴホン!! 友達のプライベートだから勝手に言えないし」


 黙っていた方が面白そうだと思っていたのは悠里の本音だろうが、厳密に言うと、私の方からも言い触らさないように圧力をかけていた。でもこの様子だと、どちらが本当の理由で黙っていたのかわからない。

 だがそれよりも、悠里が余計なことを言ったせいで、纏まりかけていた話がまた再燃し始めてしまった。


…まさかこれが狙いだった訳じゃないでしょうね?


「さ、薩川さん! ちなみに、結婚した後の話とか、もう色々決まってることはあるの!?」


「いえ、そこまで具体的な話はまだ…」


「じゃ、じゃぁさ…その………子供の話とかは?」

「子供ぉぉぉぉぉぉぉ!?」

「きゃぁぁぁぁぁ!!!」

「ちょ、ちょっとその話はヤバいって!」


 うーん、修学旅行のガールズトーク的な恋バナのノリになってしまったような…しかもかなりヤバい方に話が向かい始めたような気がする。

 同棲に関わるような話題になっていないのは救いだけど、これも正直あまりいい話題ではない。

 何故なら、例えまだ気の早する話だと言っても、高梨くんはともかく沙羅はある程度のことを考えている節があるからだ。

 しかもこれは「ある意味」で、私達の年代で最も興味が湧いてしまうような部分に関する話題に派生してしまう可能性がある。

 二人のことを信じているとはいえ、同棲を知っている私からすれば、決して笑いごとで済むような話題ではない。

 と言うか、親友達のそういう話はあまり聞きたくないんだけど…


「ねぇ、それはいくら何でも」


「い、いえ、さすがにその辺りの話は、まだしていませんよ。まだ早すぎる話ですし…そもそも将来の話ですから」


 いくら沙羅でも、この辺りの話は流石に恥ずかしいみたいだ。

 でも少し朱い顔で照れ臭そうにしながらも、それでもしっかりと答えてしまう辺りは沙羅の真面目さ故かもしれない。


「わわわ、薩川さんが照れてる!?」

「は、初めて見た!!」

「ええええ、本当に考えてないのぉ~?」


 あの沙羅がクラスメイト達にからかわれるというまさかの状況に、私も思わず驚いてしまった。

 本来であれば不思議でも何でもない光景でも、「沙羅が」と思うとやはり驚きの方が大きい。

 そしてクラスメイト達も、今まで気軽に接する機会が持てなかったということもあり、ここぞとばかりに絡み始めている。


「ああああああああああ!!??」


 そんな中、悠里が突然大声を上げた。

 何かに気付いて衝撃を受けたような、そんな大声だったが、そのせいで周囲の空気までぶった切られてしまった。

 沙羅との話を邪魔されたような形になってしまい、何事かと全員の視線が悠里に集まっていく。


「な、何よ悠里、突然…」


「さ、薩川さん、修学旅行で安産の御守り買った……」


 シーン………


 あぁ…そうか、その話があったか…


 悠里のバカが、ここに来てとんでもない爆弾を投下した。確かにそれは事実だけど、そもそもあれは私のイタズラだからね。しかも悠里だってそれは知っている筈なのに、こんな言い方をすれば、沙羅が自ら進んであれを選んだということになってしまう。

 

 あと、御守りは「授かる」のであって「買う」ではない。


「「「…………き」」」


 き?


「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」


「「「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」」


「さ、薩川さん、まさかもう!!!???」

「嘘だぁぁぁぁぁぁ、薩川さんがぁぁぁ!!」


「ち、違います!! あれは夏海のイタズラなんですよ!! 私はまだ!!!」


「「「まだぁぁぁ!!!!???」」」

「やっぱ考えてるじゃん!!!!」


「そ、それはその!! も、もちろんわたしも結婚すれば、いつかは一成さんの赤ちゃんを」


「さ、沙羅、それ以上はダメだから!! 落ち着きなさ…」


「「「赤ちゃん!!!!!!!!!!!!????????」」」

「うおおおおおおお、もうダメだぁぁぁぁぁ!!」

「ああああああ、夢だ夢だ夢だ夢夢夢だぁぁぁ!!」


 もう誰も彼も…何もかも無茶苦茶だ…


 ただ一つだけ言えることは…後でこのきっかけを作った悠里は絶対に絞る。泣いて謝るくらいまで絞り上げてやる…それだけは確定!!


 そして結局、あれは私のイタズラだったとしっかり説明をしたものの、沙羅の赤ちゃん発言が尾を引いてしまい…

 女子の興奮は、授業が始まっても落ち着く気配はなかった。そして男子…特に、沙羅へ憧れが強かった男子達は、見ているこちらが可哀想に思えてしまうくらいにうちひしがれていた。

 沙羅に恋人、婚約、ノロケ、止めは赤ちゃん…うん、残酷すぎて無理もない。


 でもそれは仕方ないことだ。全て事実であり、沙羅は高梨くんしか見ていないのだから…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


修正をし過ぎると却って書けなくなると思い、途中から勢い重視で書きました。

文面的におかしい部分があるかもしれませんが、いつか読み返した時に修正(実はスランプ起こした辺りの話から、所々修正しています)できればいいと思ってます。

お待たせしました・・・

次回からまた一成視点に戻ります。

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