第251話 薩川先輩は男嫌い?

 一番難航すると思っていた(実際難航した)クラスメイト達への周知が終わり、花子さんに関する誤解を解くことも出来た。

 色々と突然の事で焦りもあったが、終わってみれば結果オーライだと言っても良さそうだ。


 とりあえず今回の件で分かったことは、まだ俺が沙羅さんの人気を甘く見ていたということだ。俺達の関係を公表した時点で、大なり小なりの騒ぎになるだろうと予想はしていた。でもここまでの騒ぎになるとは思っていなかった。

 ついでに言うと、現実を目の当たりにして、それでも信じたくないと騒ぐ男子達に関しては全くの想定外だ。


 あの様子では、沙羅さんが場に居なかったら絶対に信じなかっただろうな…


 と言う訳で、沙羅さんに言い寄るやつらを減らす為には、現実をハッキリと示す以外に道はないのだということを痛感した。

 だからこそ、ミスコンで「あれ」をやることに、より一層の意味が出来たと感じている。

 本当にやっても大丈夫なのかという気持ちが無い訳ではないが、今回のことはそれを改めて決意するいい切っ掛けになってくれた。

 だから俺は必ず実行する。

 全ては沙羅さんの、いや、俺達の為に。


…………

………


 先程まで騒いでいた男子達が帰ってしまったこともあり、教室内にはいつも以上の静けさが漂っていた。

 残っている連中は呆然と…いや、残っている「人達」…か。


 そうだった…今は父母参観の最中だということをすっかり忘れてた…


 教室内に残っているお母さん達は、何が起きたのか分からないとばかりにこちらを呆然と眺めている。佳代さんに至っては、目を大きく見開いたまま完全に固まっているようだ。

 こんな大騒動の中心に自分の娘がいたのだから、そうなってしまうのも無理はないだろうけど…


「さて…身の程知らずが消えたところで…」


 そして当の娘である花子さんは、先程までの騒ぎなど全く気にした様子がない。全くもっていつも通り、周囲のことなど我関せずと言ったところだ。


「一成、お母さんに挨拶をさせて欲しい。私のお母さんも挨拶したい筈だから」


「ああ、わかったよ」


「一応…私もお供致しますね」


 沙羅さんの提案は本当にありがたい。

 そもそも対オカンという意味では、絶対的な信頼を得ている沙羅さんが居ると居ないでは雲泥の差があるからだ。それに勘違い対策としても、沙羅さんが同行してくれるだけで信憑性が全く違う。

 クラスメイト達から誤解されていたことを考えると、オカンにも誤解される可能性がないとは言い切れないからな。


「いやー…今日は面白いもん見たわ。沙羅ちゃんが人気あるのは頷けるけど、想像以上だね。あんた独占して恨まれるんじゃない?」


 オカンがまたロクでもないことを言い出した。

 しかも恨まれるとか…あながち無きにしも非ずなので、冗談になってないから余計にタチが悪い。


「不吉なことを言うな」


「一成さんに何かあれば、私は容赦しませんので」


 俺には分かる。

 沙羅さんのこれが、軽口でも冗談でもなく本気の警告だということが。

 そもそも沙羅さんは、こういうことで冗談を言わない人だから余計に分かってしまう。

 

「おぉ、沙羅ちゃんったら…一成は愛されてるわねぇ」


「勿論です。私は一成さんを愛しておりますので」


「…(うーん、沙羅ちゃんは人前でも全然平気なタイプなのねぇ…)」


「…ちょっ…こ、こんな場所で言い切るとか…」

「…薩川先輩、キャラ変わりすぎでしょ…」

「…今更だけど、これ本当に大丈夫なの?」

「…薩川先輩の信者は死ぬなこれ…」

「…な、なぁ、マジで夢じゃないんだよな?」


「お待たせ」


 二人がそんな会話をしていると、花子さんが佳代さんを連れてやってきた。

 どこか緊張した面持ちの花子さんは、オカンと真正面から向き合うと丁寧に頭を下げる。


「一成…くんのお母さん、初めまして…花崎莉子です。その、一成くんには、いつもお世話になってます…」


 俺達は互いに修羅場を潜った戦友(?)でもあるが、ここまで緊張した花子さんを見るのは初めてだ。普段が冷静、クール系なので、そういう意味でもかなり珍しい光景だと思う。

 まぁ俺と花子さんの微妙な関係性を考えれてみれば、そうなってしまうことも仕方ないとは思うが。

 

「ええーと……」


 花子さんから話しかけられたオカンは、沙羅さんがいる手前どう対応すればいいのか判断に迷っているようだった。

 俺がフォローに入ろうかと思ったところで、それよりも早く沙羅さんが動いた。

 

「お義母様、私は全て承知していますので、ご安心下さい」


「いいの?」


「はい。少し事情があるのですが、お義母様がご心配されているようなことはございませんので」

 

「そっか。ならいいのよ」


 やはり沙羅さんに同行して貰ったのは正解だったな。こんなにあっさりとオカンが納得するのも、一重に沙羅さんの信用度のお陰だ。


「ごめんなさいね。こちらこそ、息子がお世話になってます。一成のことはいつも通りに呼んでいいわよ。それにしても、沙羅ちゃんだけじゃなくてこんな可愛い子まで側に居るなんて…ダメ男のクセに、調子に乗ってんじゃないわよ?」


「なんでそうなるんだよ!?」


 余裕が戻った途端に、またしても俺をディスり始めるオカン。

いちいち俺をネタにしないと会話が出来ないのか…


「その…一成は私を助けてくれました。何度も、何度も、助けてくれました。だから私は、私のできることを、一成にしてあげたいです。これからも、仲良くしたいです。嫁…薩川さんには迷惑をかけません。お願いします…」


 口調こそ落ち着いているものの、言葉の端々から花子さんの必死さが伝わってくる。

 どうしても認めて欲しいという、強い気持ちが俺にまで伝わってくるようだ。


 俺としてはオカンが認めようと認めまいと付き合い方を変えるつもりなんかない。花子さんの親友として、こらからも俺の出来る範囲で協力して付き合って行くと決めている。

 でもそれは俺の考え方であり、花子さんとしてはしっかりと認めて貰いたいという気持ちが強いのかもしれない。

 

「…そう。何があったのか分からないけど…一成は、あなたの役に立った?」


「一成は、私を受け入れてくれました。私を認めてくれました。だから…私は…」


 オカンが花子さんの様子を見て、何を思ったのかは分からない。

 分からないが、その眼差しはとても思いやりに満ちていて、沙羅さんと話をしているときのような優しい声音だった。


「そう、わかった。一成があなたの助けになったなら、私としても嬉しいよ。」


 オカンは事情を知らないのだから、本当のところは全くわかっていない筈だ。でも花子さんに深い事情があると判断をして、そのまま受け入れると決めてくれたのだろう。


 まぁ…オカンが深く考えないのはいつものことなので、或いは空気を読んだだけかもしれないけど。


「沙羅ちゃんが認めているのなら、私から言うことは何もないよ。これからも、ウチのバカ息子と仲良くしてあげてね。」


「…ありがとうございます。宜しくお願いします。それと、一成はバカじゃないです…」


 そしてオカンから正式な許可が降りたことで、花子さんがそっと頭を上げた。

 オカンから認めて貰えたことの嬉しさを現しているかのように、満面の笑みを浮かべていた。あまりに嬉しそうなその表情に、思わず良かったなと声をかけたくなるくらいだ。


「すみません、ご挨拶が遅くなりました。莉子の母で、佳代と申します。一成さんには、娘が大変お世話になっております。」


 花子さんの挨拶が一段落したことで、今度は親同士の挨拶が始まった。

 花子さんの手前、姉弟の事情を言う訳にもいかない佳代さんは微妙に遠巻きな会話になっているようだ。オカンの方が、既に込み入った事情があると判断してくれていることが救いだろう。曖昧な部分も上手く流していて、普通に会話出来ている。


「…やっと一成のお母さんにお話しできた。」


「良かったですね、花子さん。」


「うん。これで心置きなくお姉ちゃんが出来る。一成、改めて宜しく。」


「わ、わかった。」


 花子さんは嬉しそうではあるが、俺がこれを沙羅さんの目の前で素直に頷いて良いものなのかどうかは一瞬悩んだ。沙羅さんが先に良かったと言ってくれたので、大丈夫だろうと判断したが…


「…あの、薩川先輩。」


 俺達の話が一段落したことに気付いたのだろう。クラスメイト達が恐る恐るといった様子でこちらへ近付いてきた。何故そんな怖がっているのか不思議に思ったが、沙羅さんの方を遠慮ぎみに見ていることがその答えなんだろう。それでも寄ってくるのは、興味が勝っているということか。


「…はい。なんでしょうか?」


「あの…怒らないで聞いて欲しいんですけど…」

「ほ、本当に、高梨…くんと婚約者なんす…なんでしょうか?」


 さっき沙羅さんに詰め寄った男子がボロクソに言われたせいか、使い慣れていない丁寧な言葉をギリギリ選んでいる男子達が面白い。


「ええ。と言いますか、なぜそこまで信じられないのでしょうか?」


 沙羅さんが不思議そうに首を傾げる。

 勿論それだけ特別視されていることの現れなんだが、当の本人はそこまで気にしていないので…というか、少し不機嫌になりつつあるな。


「いえ、その、薩川先輩はこの学校の有名な男子を全滅させたし、男嫌いじゃないかって…」

「俺の先輩も、薩川先輩に声をかけたら話も聞いて貰えなかったって。フラれた訳じゃないからまたチャレンジするって言ってましたけど」

「あ、それ俺の先輩も同じ事を言ってた」


 沙羅さんはそういう話を俺にしないので、実際にどういう状況になっているのかわからない。でも今聞いた限りだと、沙羅さんの断り方では相手が納得していないか、諦めきれていない可能性が高そうだ。


「そうですね。正直、男嫌いだと言われても否定しませんよ。何度来ても時間の無駄ですね」


「やっぱそうなんですね…じゃ、じゃあ、高梨くんはやっぱり特別ってことですか?」


「特別と言いますか、そもそも私は一成さん以外の男性に興味がありません。今後の邪魔なので、今まで以上にキッチリと断ります」


「じゃ、邪魔って言った…」

「わぁ…やっぱ本当なんだ」

「…ス、スゲェ…あの薩川先輩がここまで言うのか…」

「…ホントだよ、信じるしかないけど信じられない…」


「…沙羅さん、もし信じないとか言われたら、俺の名前を出して下さい」


 今、目の前でも言われたが、先程の男子達の様子も含めて、そう簡単には信じないやつが多いだろう。

 ましてや、沙羅さんと面識もロクにない癖に告白するなんてやつは、無駄に自信のある自意識過剰バカである可能性が極めて高い。

 俺の名前を聞いてこっちへ来る様であれば、そのときは俺が…


「ふふ…畏まりました。今後断るときは、一成さんと婚約しているから迷惑だとハッキリ伝えますね。ですから…そんなお顔をなさらないで下さい」


 沙羅さんがスッと両手を伸ばしてくると、俺の両頬に手を添えながら優しく微笑みを浮かべた。自分では気付かなかったけど、俺はどんな表情をしていたのだろうか?

 別にそこまで難しいことを考えていた訳ではないし、沙羅さんに嫌な思いをさせる奴等を何とかしたいくらいを考えていただけだ。

 だけど沙羅さんがこうして気にしてしまうということは、それだけの感情が表に出ていたのかもしれない。

 特に沙羅さんは、俺の表情を読むことの第一人者だから。


「…そんなに変な顔してましたか?」


「大丈夫ですよ。こうすれば……えいっ♪」


 俺の両頬に添えられた両手を上に持ち上げると、口の口角を強制的に上げられて笑い顔にされてしまった。突然のことで驚いたけど、沙羅さんの掛け声が可愛くて思わず笑いが込み上げてくる。


「ぷっ…はははっ」


「ふふふ、ほら、これでいつも通りです。私の大好きな一成さんのお顔ですよ♪」


「はは、自分ではわかりませんでした」


「ご自身では分からなかったのかもしれませんね。でも私は一成さんマスターですから、このくらいは朝飯前なんですよ?」


「…な、な、な、何でいきなりイチャついて…」

「…び、びっくりした、キスするかと思った…」

「…い、いや、いくらなんでもそれは…」

「…これは…男子が白昼夢だって騒いだ気持ちがよくわかるわ…」


 沙羅さんの可愛いドヤ顔に、すっかり毒気を抜かれてしまった。

 それにしても、自分のことすら沙羅さんに勝てないとは…まぁ負けて悔いなしというか、本望というか…


「…今後とも宜しくお願い致します。」


「…ええ、こちらこそ。」


 そうこうしている間に、親同士の会話も終わったようだ。気が付けば、佳代さんとオカンがお互いにお辞儀をしている真最中だった。佳代さんは最後まで上手く話を避けてくれたようなので、余計な話に発展することがないまま終わってくれのは、俺としてもひと安心だ。


「沙羅ちゃん、真由美さんはどうしたの?」


「母は校長先生と話をしている筈です。ここへ来ないということは、まだ話をしているのではないかと。」


「沙羅さん、真由美さんは校長と個人的な面識でもあるんですか?」


 そう言えば…

 俺の授業参観に乗り込んで来たときも、真由美さんは校長に頼んだと言っていた。

 担任や知り合いの先生に頼むくらいならわかないでもないが、いきなり頂点の校長に行くというのは随分と飛び越えた話だな。


「面識については私も詳しく知らないのですが…ただ、佐波はこの学校の出資企業なので、その辺りの関係ではないかと思います」


「あ…そういう繋がりがあるんですね。」


「はい。まぁそれなりに大きい会社ですから。」


 それなり…国を代表するくらいの大きい会社なのに…


「…佐波って、あの佐波だよな?」

「…だよね。校長と話って…薩川先輩のお母さん何か関係あるのかな?」


ピーンポーン…


「お知らせします。懇親会を開始致しますので…」


 校内放送用のスピーカーから流れ始めたのは、懇親会の始まりを知らせる案内だった。

 教室に残っていた連中も、それを聞いて親に声をかけてから退出を始めたようだ。俺達も邪魔にならない内に、生徒会室へ向かった方がいいだろうな。


「オカン、生徒会室で待ってるから、終わったら連絡くれ。」


「お義母様、お待ちしておりますね。」


「りょーかい。んじゃ、適当に待ってて~」


 そして俺達が後ろ扉から教室を出ようとしたところで、ちょうど前扉から先生が入ってくる姿が見えた。

 タイミング良かったな…


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 ガラガラガラ


「お疲れ様です」


「「「お疲れ様で~す」」」


 今日集まる予定にはなっていないのに、生徒会室には役員が殆ど集まっていた。

 正確には藤堂さんが来ていないのだが、元会長の上坂さんを含めた三年生組も全員揃っている。

 そしてテーブルには既にお茶やお菓子が用意されているので、これはもう仕事じゃなくて駄弁りで集まっているだけなんだろう。

 一応は学祭のことがあるので仕事が無い訳ではないのだが…まぁ毎日のことなので、今日くらいは別にいいよな。


「誰も居ないと思ってたから、まさか皆さん揃ってるとは思いませんでしたよ」


「みんな親待ちだよ。二人もそうなんでしょ?」


「ええ。私達は懇親会が終わったら、場所を移動してお話することになっていますので」


「あ……ひょっとして高梨くんのお母さんと、薩川さんのお母さんが、初めての顔合わせ?」


「そうですね。両家の顔合わせは、また改めて予定されていますけど」


「あ~、そう言えば、この前電話で言ってたよね。着物がどうとか」


「はい。母にはもう話をしてありますが、何故か父が意気込んで新しい着物を買うと言っているようです。それに、ついでと言っては何ですが、新しい浴衣も揃えることになりました」


 沙羅さんが可愛くてしかたない政臣さんからすれば、可愛い娘のお願いとなれば奮発して当然なんだろう。その意気込んだ様子が想像できて、政臣さんが微笑ましく思えてしまう。

 俺としても沙羅さんが着飾る姿は是非見たいし、今度俺からも政臣さんにお礼を伝えておかないとな。


「沙羅さん、浴衣も新しくするんですか?」


 別にそれ自体に問題がある訳ではないのだが、少し気になったこともあるので聞いてみた。


「はい。あれは…その、サイズが少し小さくなっていたので…」


「サイズ?」


 沙羅さんは少し恥ずかしそうしながら、ポツリとそんなことを呟いた。

 サイズ…あの日の姿を思い起こしてみても、俺が見た限りではそんな感じは全くしなかった。浴衣という特殊な服装では、多少のサイズ差は強引に何とかなってしまうのかもしれないし、あくまでも俺の主観ではあるが。


「ああぁぁ、成る程ねぇぇ」

「そっかぁ…薩川さんはスタイルがねぇ。」

「羨ましいわ…私なんか止まったかもしれない。」

「良かったね~高梨くん。嬉しいでしょ?」


「………」


 どうやら女性陣は、沙羅さんの話でピンとくるものがあったようだ。急にニヤニヤしながら俺と沙羅さん交互に見てくる。

 止まったという発言から察すると、身長のことではないかと思ったのだが…それだと俺が嬉しいという話に結び付かない。


 そうなると、あと考えられることは…うん、一つしかない。


 そして俺でも気付いてしまったということは、当然、他の男も気付いてしまった可能性があるだろう。だから嫌な予感がして周囲を見ると、沙羅さんに視線が集まってい…なかった。


「…何のつもりですか?」


「「……な、な、なんでもございません…」」


 殺気すら籠るような視線に加えて、極寒の怒声を向けられた男性陣。もはや視線どころか、身体ごと反対を向いて震えている。


 俺もそれを見て思わずホッとしたのだが、安心したことによる油断なのか何なのか…

 ついつい、沙羅さんの「成長している」と思われる部分へ視線が向かってしまった。


 ちなみに誤解しないで欲しいが、これは決して意図した訳では無い。ただ、俺も一応男なので、これは許して欲しい…と思ったときには、沙羅さんにしっかりと気付かれた後だった。


 お、怒られる!?


「か、一成さん、その、そんなに見られてしまいますと…私も恥ずかしいと言いますか…」


「す、すみません!!」


「いえ、その、謝らないで下さい。恥ずかしいですけど…一成さんなら…私は…」


 恥ずかしそうにはしているものの、沙羅さんは身体を捩ったり手で隠そうといった嫌がる素振りは見せなかった。

 それはつまり、俺なら許してくれるということの意味だと思ってしまい…

 もちろんマジマジと見る訳にはいかないし、それは良くないと頭ではわかっているんだ。でも視線を逸らすまで少し時間がかかってしまった。


「…か、一成さん……めっ…」


!?


 沙羅さんは真っ赤になった顔で、恥ずかしそうにしながらおでこを突っついてきた。

 多分今の俺は、沙羅さんに負けないくらい真っ赤になっていると思う。

 でも仕方ないだろう、こんな恥ずかしそうにしながら「めっ」はあまりにも卑怯だ。

 萌えすぎて危うく腰砕けになりそうな自分を必死に堪える。


 今の沙羅さんを直視するのは色々な意味で危険だと判断した俺は、気合を入れて何とか視線を横に逸らした。

 だがその先に待っていたのは…白けた目でこちらを見ている女子役員の皆さんと、悲しそうに自分の胸へ手を当てている花子さんだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


すみません、251話は現時点(4/2)で修正中なんですが、どうにもしっくりこないので途中になってます。違和感があるかと思いますが、その辺りは何となくのニュアンスで読み飛ばして頂けますとありがたいです。もう絶賛スランプ中で困りました・・・

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