ファルトゥナは、憎まれ口をたたくものの、それはお姫様の生活からくるものであったのだろう。
しかし、ある事件を境に旅に出るファルトゥナ。
それからの、彼女の言動は、相変わらずであるが、以前のものと異なり、どこか自暴自棄的なものがある。
自分のせいで大切なものがなくなったことが、常に付きまとっているのであろうか。
城を抜け出したファルトゥナはキッドと出会う。
キッドは最初はダメな奴と思いきや・・・
しかし、キッドはファルトゥナの身の上を分かっていながら、彼女を支える。
それはなぜ?ファルトゥナの母の遺言と重なり合う自分の過去。
ファルトゥナをかばい続けるだけの過去があるというのであろうか?
しかし、私が読んだところでは、まだこの過去が分からない。
徐々にファルトゥナの心にも変化がみられてくる。
さてさてこの先どうなることか楽しみです。
両親との悲劇的な別れからはじまる、
ダルシュアンの王女ファルトゥナの旅。
私はもう主人公ファルトゥナの大ファンです!
彼女の健気さとひたむきさには勇気付けられ、
そして見守ってあげなければと思わせる不安定に心を震わされます。
読んでいるとわかりますが、かなり無謀というか、
王女様であったという温室育ちも相俟って、かなり危なっかしい。
そんな彼女に手と共に歩む相棒も登場しますが、
彼もまた一癖、二癖あり、ファルトゥナの旅に安息はありません。
全編を通して感じるのは、主人公ファルトゥナの葛藤です。
犯してしまった罪への悲嘆と、そんな中でも先へと進もうとする渇望、
相反する終わりと再生の物語は、彼女の紡ぐ長い旅路のなかで、
出逢いと別れを繰り返し、やがて大きなうねりとなっていきます。
そして彼女のなかに潜む大きな秘密は、
このレビューを書いている現時点ではまだすべてが明らかなっておらず、
深い運命を感じさせながら、彼女の旅路を彩り、時には危険をもたらします。
普段は冷静な皮肉屋の王女ファルトゥナが、
その身に受け継がれた血の呪いに立ち向かい、
行方不明の姉を捜し出すためにはじまった旅。
終焉と共に在りながら、多くの試練と、
ほんの少しの光を頼りに進んでいく物語は、
きっとあなたの心を揺れ動かすでしょう。
その旅路の果てにあるのは更なる破滅か、新たな希望か――
ファルトゥナの旅を、どうかいっしょに見届けてください。
旅路の行く末は、いまあなたの手の中に。