Repair

第43話

 その吹き出した氷の間欠泉を、僕らは暫くの間無言で見つめていた。


「これを着ていると匂いが嗅げないので、腐卵臭がしているのか確かめられもしませんね」


 その沈黙を破ったのはイケメン班長だった。


「そうだな、でも臭くなくて僕はこっちの方が好きかもな。前インドで車に乗っていた時に突然腐卵臭がして気分が悪くなったことがあるし」


「車酔いでは?」


「.........多分違う」


「ふふっ」


 イケメン班長に笑われた。

 違うっつーの!と言い張りたいところだが車酔いではないという根拠が無いのでやめておく。


「さて、取り掛かるか。」


「「「はい」」」


「僕らは外から直していく。中のほうは残った奴らのうちの半分に頼んでいる。さて、外の方だが...僕と、えっと......ごめん、名前知らないや。」


 全員、一気に脱力したように苦笑する。クソぅ、別に緊張感ほぐしたくてやってるわけじゃないのに。


 すると、イケメン班長が口を開く。その先にあったのは、とんでもない爆弾であった。


「私の名前は孤狐椿つばき、いつも弟がお世話になっております」

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