第31話
僕はなんとか騒ぎを収めることが出来たということでお祝いのパフェを食べている。
千寿特性パフェはどんな専門店よりも美味しい。
何を入れたか聞いても企業秘密なんて言って教えてくれない。企業じゃねーだろ。
解るのはこれがキャラメルソルトだということだ。あまーいキャラメルが口の中に広がると同時に塩のしょっぱさが所々ありその絶妙なバランスが、なんとも甘すぎない、しょっぱすぎない最高のパフェにする。
「あははははっ!宇界クンすっごく幸せそうな顔してる!パフェくらいで大袈裟な〜。」
「パフェ好きなんだからしょうがないだろ。マカロンも好きだけど余り作ってくれないじゃないか。フィナンシェも。」
マカロンもキャラメルシーソルトが美味しい。キャラメルがトロッとして、外側が少し硬くて......他の味とは違う食感が楽しい。フィナンシェもキャラメルシーソルトが良いのだが、流石にそれはしてくれなかった。
「だって作ると宇界クン殆ど全部食べちゃうんだもん!なんでそんな痩せてるの!?」
「僕は全部食べたくて食べてるんじゃない。皆が遅いだけだ!僕が痩せてるのは普通に運動してるから。そりゃ、部屋にずっと引き篭もってたら太るだろうけどよ。」
「よし!私よりも良い体格してる罪で一ヶ月間のスイーツ禁止!」
「は!?僕を殺す気!?いや、それ僕悪くないよな?それに、なんで僕のほうが良い体格してるって解るんだよ!」
確かに体は細いけど、女子と男子じゃあ比べようにも比べられないだろ。
比べる相手間違えてるぞ、千寿。僕は細いと言っても一応筋肉付いてるからな、
あいつと一緒にいると何故か筋肉がつく。恐ろしや〜
「私を見くびらないで」
「いや、答えになってない」
「それ皆がいつも宇界クンに思ってること!」
そうなのか、初めて知った。
そういえば、折角エウロパに降りたのに勲に渡そうと思ってたもの倉庫から取り出せてなかった。また次のときでいいか。
どうせ勲のことだ、エウロパに降りることになったきっかけなんて忘れてるだろう。
「千寿、そう言えばまだワンピース貸してないから僕の部屋から好きに取っていってくれ。」
「やっった!!」
そう言って千寿はスキップしながら食堂を出ていった。
上機嫌のときと普段のテンションに差が無いのは気のせいだろうか?
あいつの落ち込んでいる所を、一度でも良いから見てみたい。
ずっとあんなにテンション高いと、疲れないのか......?
そうか!千寿が8時45分に寝るのは一日中ハイテンションで疲れるからか!納得。
また一つ謎を解明してしまった!はっはっは、僕ってホント鋭い!
と、自分を褒めるのもそのくらいにして、と。
太陽系を抜けたら全速力で進むつもりだが、抜けるまではゆっくりと惑星たちに挨拶していきたい。
そう言えば、そろそろ千寿の誕生日だ。
あいつ、オーロラ見たいって言ってたよな?
次はあの星にでも行くか。
誰もが知っている、かの有名なあの惑星に―――!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます