第18話

 この船に、世界中の天才たちによってつぎ込まれた最高技術の見せ所だ!



  ۞


「これは機械班最初の仕事だ!僕がキャプテンとして指揮を執る。君たちはそれぞれの位置についてくれ!」


「「「は!」」」


 僕は今、この船の神経とも言える、コントロールルームにいる。

 僕の他には父さんが選抜してきたらしい、優秀な機械班の面々がいる。


 機械班はたったの15人のメンバーで形成されている。


 彼らは元から僕がキャプテンであることも知っている上、この船の構造の殆どが頭に入っている。

 僕が殆どと言った理由は、彼らにも教えていない『とある部屋』があるからだ。


 あの部屋については僕意外誰も知らない。勲達にも教えていないしな。


「宇界坊ちゃま〜?言葉づかいが普通に戻ってるよ?科学関係のことをしている時はいつもそうなんだから、お変わりありませんな〜!」


「千寿!?なんでここに!?っていうか、戻ってたか?」


「うんうん。小さい頃のに戻ってる。荒いのじゃなくなってる。」


 ...結構最近はが身についてきたと思っていたんだけどな。


「で?ここにいる理由を答えてもらってないんだが?」


「喋り方はそれで行くんだ...」


「機械班と千寿以外誰もいないからな。」


「なーんかいつもは全てがダリーって感じてそうな、半分死んだ鳥の目なのに、さっき見かけた時には野球少年みたいな目だったから気になってついてきちゃった☆」


 死んだ魚の目じゃないのか。


「『ついてきちゃった☆』じゃねーよ!コントロールルームに一般人が入るな!......だが、まぁ見学、ということならそこの椅子に腰掛けててくれても構わない。」


「やったね!ひゃっほーい!」


 邪魔さえしなければ大歓迎だからな。この船の性能は素晴らしい。

 できたての時にコントロールルームを訪れ、不備がないか確認するために電源だけつけたのだが、緑に、青に、光る画面たちはどこか少年心をくすぐるものがあった。


 この船の、メインの設計に加わることが出来なかったのが残念だが、あんな父親でもこの船の第一人者なのだから、一応は自慢の父だ。一応。


「ねーねー、今から何するの〜?」


「鳥だって羽を休めないとな。」


「?............!!もしかして?」


「あぁ、そのもしかしてだ。何処にとまるかはお楽しみに〜」


 そうだな、皆が一番喜ぶのはあの星だろうが、あれは後にとっておきたい。

 



 だから、今回とまるのは木星の四大衛星が一つ、氷の星『エウロパ』だ!

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