第11話

「相変わらず偉そうにふんぞり返ってますね。阿呆じゃないですか」


 これの訳は『相変わらず元気そうにしてるな』だ。


「お前も元気だったか?」


「そんなのあなたの頭脳なら簡単にわかるでしょう?なんで聞くんですか?阿呆ですか」


 この訳は言うまでもなく、「当然でしょう」だ。


「んで?なんで僕に会いたいと?僕の事が恋しくでもなったか?」


 久しぶりなので少し弄ってみる。いつも冷静過ぎる御影サマを弄るのは結構面白いからな。

 え、性格悪いって?御冗談を。


 御影に凄い目で見られた。火星人を見たような感じの......って、この目前に何処かで見たな。


「まぁ、言い換えればそうなるのでしょう。先日なんやらまた騒ぎを起こしたのを見まして、久しぶりにシバいてみようかと。」


「いや、騒ぎ起こしたの僕じゃなくね!?ってか、なんで『また』??」


「学校でもよく騒ぎ起こしてたじゃないですか。もう忘れちゃいました?え、あの天才科学者の宇界サマが??そんな訳無いですよね?ね??」


 あーー、忘れていた。こいつ、最初は氷の貴公子的なよく乙女ゲームに出てくる(らしい)キャラに似ているクールな感じなのだが、しばらくすると途端に煽ってくるんだった。


「黄昏、お前の秘められし力を御影に語ってやれ。ついでに、その力を得た経緯もな。」


 これこそ、必殺!黄昏攻撃だ。


 これをくらった者は100%ぶっ倒れること間違い無し。


 御影に煽られたらそいつをぶつけると良い。自分は難から逃れることができるぞ。


「!!良いのか?」


「だからやれっつってんだろ?」


「うおっしゃ!こい!文陰といったか?俺の素晴らしさを語ってやる!」


「え?え??いや、御影だけど??」


 これで一件落着だな。お久しぶりの再会も嬉しい所だが、今日はダラダラしたい気分なんだよなぁ。


 と、言うことで僕は騒がし組を追い出し、また部屋で引きこもるのであった。


 うん、やっぱり暇だな。ちーと、情報収集はしてもらおう。

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