第9話
「おい!お前、あの
王道がまたなにか叫びだす。もう少し話を長く引きずってくれても良かったじゃないか。
というか、僕の家柄とか話さなくてよくね?こんな赤の他人に。
......面倒くせー。
本当、何なんだよ。この世はまだまだ
なんて、何処かで聞いたことのあるカッコいい事を言ってみたのだが、全然どうにかする気は無い。1µmも、だ。
「......面倒くせー」
「あ、あってるのか?違うのか!?」
「
「お、お得意の英語をこういう場面で使うってどうなのかな......」
千寿よ、余計なことは言うな。僕は如何に面倒事から逃げるかを科学の次に重要なことにしているからな!
まぁ、別に得意なわけではないのだが。少し留学していたくらい。
こういう五月蝿いやつには違う言語で答えて黙らせるのが早い。だが、しつこいやつには逆効果だったりするから...まぁ、なんだ、一か八かだな。
「!
......話せるのかよ!面倒くせー特技持ってんじゃねーよ!
「ちっ、あーもう!わぁったよ!降参降参!そうですー、僕は新世家の者ですー、それが何か!?」
「逆ギレかよ」
「キレてねーよ。敗北を悲しんでいるだけだ。」
そう言って両手で顔を覆い、泣いているふりをする。
「どう見ても演技だろ!!」
「ちっ、バレてたか。」
「んで?そんな新世家のボンボンサマはどこ行ってたんだよ、さっき。」
...それくらい見逃してくれよ。というか、未だにこいつのキャラが定まっていないのだが。
「ちょっとな。」
『それが答えになってると思ってんのか?』←皆の心の中
何だか皆が同じ表情をしている気がするのだが、きのせいだろうか?
「あ!急用を思い出した!」
奥義・場逃げ。僕は「男だから絶対に逃げねー!」なんてカッコいいことは言わない。柄じゃないしな。
「な!?ちょっ......!待てよ!」
後ろを振り返ってみると、王道が走って追いかけてきた。
「うおおおお!?」
僕も加速する。流石は筋骨隆々野郎、足が速い。速すぎる。この表現を小説で使うのはどうかと思うが、クソ程速い。
「勲!僕を助けろ!」
「おう!」
僕は勲に担がれ、無事自分の部屋に戻ることが出来た。が、プライドはボロボロだ。
キャプテンになって良いことと言えば、キャプテンには専用の部屋があることだ。一般の人は知らないし、立入禁止だから隠れ家みたいな感じ。
身の回りに面倒くさい要素がまた増えた。
なんてこった。
世界の......終わりかもしれないな.........僕の。
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