第6話

 僕はせっせと支度を済ませ、エアロックから外へ出る。かなり久しぶりだが、まぁ大丈夫だろう。


エアロックというのは、気圧の違う所を繋ぐドアのような装置だ。見た目はかなりゴツい。SF映画なんかでよく出てくるので、想像はしやすいだろう。

 

 中の人には気付かれないように一応気をつけてはいるが、正直バレる可能性のほうが高い。


 辺りを見回す。自分の父親が自ら作った機械だ。僕ならひと目見ただけで分かる........のだが、周りにはゴミしか無く、それらしきものは見あたらない。


 暫くフワフワと浮き(?)ながら探すが、やはり見つからない。音さえ聞こえることができればもっと探しやすくなるのだろうが、生憎ここは宇宙空間。空気なんて無いから音なんて聞こえる訳がない。


 困ったな。僕は一旦、捨てられたロケットの部分に腰掛ける。やはり地球は人間というちっぽけな存在から見ると途轍もなく大きく、宇宙は言葉で現しきれないほどに大きい。地球の周りといっても何千キロあるか.........


 そうして暫く地球を見つめていると、何かが飛んでいるのが目に入る。


「あれは......」

 

 そこへ近づくと、一つの模様から色、形まで全て大変美しく、かといって無駄のないよう設計された機械があった。

 

 そう。それは僕の父親の作ったスペース・デブリを片付ける掃除機兼惑星探査機、という名の万能レーダーだ。デブリが解らない人は第2話参照してくれ。

 

  このレーダーでより詳しく隕石の情報などが分かる......らしい。

 

 正直自分の父親とはあまり話さないものだから、父の作ったものすべてを知っているわけではない。

 

 仲は良くはないけど、悪くはないんだよな。僕は基本的に放置。ずっと仕事・研究っていうオカタイ人間だ。そんな父親でももう会えなくなると思うと少し胸は痛むのだが。


 僕はせっせと道具箱を出し、解体を始めた。

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