第1話
その日―――『それ』は打ち上げられた。何十万もの若者達を乗せたその宇宙船『エルピス03号』は新しい星へ行くため地球を離れた。35歳を超える者達は皆、地球に残して。
〜出発1時間前〜
「親父!俺は、俺は、絶対に親父のこと忘れないからな!俺は、絶対に第2の地球を見つけてやる!必ずだ!」
「あぁ!元気でな!」
親子の、涙を必死に堪えながらの別れを横目で見つめる一人の少年がいた。
彼は、腰に白衣を巻きつけており、髪は銀色でピンポイントで一部が青い、少しチャラめの外見をしている。
その少年の父親は、冷たい男で最後に息子の見送りにも来なかった。
その少年がかつて木々が茂っていたという、荒野を見つめていると、いきなり誰かに背中を押された。
「どぁっ!?」
「なぁ〜にシケた顔しとんの?ここは、もう少し笑って地球に残る人達に安心してもらわなくちゃ!!」
目がくりっと丸い、腰まである髪を一つにくくった少女が場のしんみりとした空気に合わない明るい声で言う。
「僕はそんなテンション常にぶっ壊れてる
「おや?
「うるっせ」
その宇界と呼ばれた少年は拗ねたようにそっぽを向いた。その様子に千寿と呼ばれた少女は困ったように笑う。
「しょうがないですなぁ。あ、じゃあさ、
「さっきからそこで親父さんと親子の情を交わしまくってんだろが。どういう探し方してんだ。」
「あ、本当だ!ごめんごめん、探しものは下手でさー!」
「知ってる。ちなみにさっきから探しているヘアピン右手の中だぞ」
「ホントだー!なんで私がヘアピン探してるの分かったのー?やっぱり凄いね、宇界お坊ちゃまは!」
千寿は目を輝かせながら宇界を見る。悪意がないのだから、彼も強くは言えない。
「だからそのお坊ちゃまってのやめろよ。ちょーし狂うなぁ。」
そう言ってまたそっぽを向く。今度は先程よりも明らかに不機嫌そうな顔をして。
「ぷふっ、ずっとそんな顔になっちゃうぞー」
そう言って千寿は宇界の両ほっぺたを摘み、伸ばす。
「うえっ、やめれ、やめれ」
「あはははははっ!あ、そうだ、勲くんの好きな人聞いてくれた?」
「聞いてねーよ。聞くまでもねーだろーが。アイツの好きな人なんて......」
「えっ!?私知らないんだけど!?聞かなくても分かるってどうやって!?テレパシー!?」
「.....こんの鈍感が」
「鈍感に鈍感って言われたー(泣)」
その、千寿のマイペースぶりに、今日も宇界は振り回されるのであった。
この、大変なときでも、子どもたちは明るく生きようとしているのだ。(約一名を除いて)
そう、この人類の歴史上、最大の出来事の最中も――――
―――«後書き»―――――――――――
最初の方はかなりつまらなくなってしまいました、作者の能力不足です、、、
すみません。
次の第二話はさらーーーっっと、読んでくだされば大丈夫です。第三話で軽く3行ほどにまとめるので、『SF苦手なんだよな』って人や、『読むの面倒くせー』って言う宇界のような人は3話から読んでください。
途中、少し話がグルグルするかもしれませんが、よろしくおねがいします。
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