オオカミ男の苦悩

アリエッティ

馴染めそうにありません。

 グレイブニル学園 II年A組

ここには化け物の通うクラスがある。


「ミイラ男」「はい!」

「魔女」 「元気よ、先生。」

「フランケン」「……!」

「ゴーゴン」「..はい。」

「サングラスを外せ、学校だぞ?」

「ダメです、石になります。」

「オオカミ男」「はい。」


ダメだ、馴染めねぇ!

無理だ。オレには無理だココ!


「サキュバス」「は〜い♪」


なんで馴染めないかって?

オレはオオカミ男だ、闇夜の月で覚醒する。つまり日中はただの...人だ!


「終わったぁ〜..今に始まった事じゃないけど改めて再起不可能だ。」

夜間のタイプのクラスもあるがそれでも難しい。オオカミは満月に映える。三日月や半月が出た日にはなんかこう微妙な変化が生じる。


三日月=ちょっと毛とか生える。

半月=涎が増え、爪とか凄い伸びる。


完璧なオオカミになるのは、月に何回かくらいしかない。

「そうして夜間の学校に通ったところで『あれ、毛深いアイツ。』とかしか思われない。」

なんとかしなければ..!


「おいフランケン、お前また彼女にフラれたらしいな?」

「……!」「おいおい怒るなよ。」

「やめろよゴーゴン。」

「そうよ、恋愛なら私としよーよ♪」

「そうだな済まない。

モテない〝人造人間〟くん?」

「……!」「おっと。」

なにやら言い合いを始めた、フランケンに至っては怒りの余り拳を振り上げている。

「お前たち

キャラまで立っているのか...?」


温厚で親切はミイラ男。

軟派でキザのゴーゴン。

沸点の低い喧嘩屋フランケン。

男を転がる小悪魔サキュバス。

くそっ、適度なバランスさえとれてる

「貴重なキャラポジまでか!

そこまで奪い去るというのか!?」


「喧嘩するな、まだ終わってない。」

ナイスアシストだ教師。

これで一旦個性の塊共をリセットする


「転校生を紹介するぞ。」

「て...」転校生だとぉ..!?

ここに来てニューイベント、しかも特大サイズだ。さぁどうする周囲の連中

性別を想像するか?

どんな美女を望んでいる?

それとも熱き友香とやらかおい?

「入ってくれ。」「はい!」

きたぞ!


「今日から転校してきた透明人間です影が薄いって良く言われます。」

透明人間..正直性別も良くわからん。


「それじゃあ透明人間は..オオカミ男隣に座ってくれ。

「えっ⁉︎」「なんだ、嫌か?」

「別に..嫌じゃない.!けど。」

「だったらいいな

ほら、直ぐに席につけ。」「はい」


「はじめましてオオカミくん!

満月無いから普通だね、私も姿無いから大変だよ。シャンプー楽だけど」


「よろしく!」「...あぁ。」

ダメだ、友達にはなれそうにねぇ。


やっぱダメか、無理をすんのは..。

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