2話目✳︎ 暗闇の海

トウマ「おい、リョウ!

    今日の放課後バッティング

    行こうぜ」


リョウ「別にいいけど」


リカ「えっ!私も一緒にいきたいー!

   ねねっ!私も行ってもいい?」


トウマ「えーまたお前もかよー」


リョウ「まぁいいけど(笑)」


リカ「やった〜!じゃあ決まりねっ」



トウマと、リカは幼馴染の中でも特に仲が良くて小さい頃から頻繁に遊んでた。






……………………〜放課後〜…………………

バッティングセンターにて。






リカ「リョウってさー、

   本当彼女できないよね!」


リョウ「うるせぇ、

    リカに言われたくねーよ」


リカ「ちょっと何それー!

   私はついこの間まで先輩と

   付き合ってたんだからね!」


リョウ「あぁ、あのナルシ男ね(笑)」


リカ「はぁー⁈それどういうこと!

   私が良ければいいんですーっ!!」


リョウ「分かったわかった(笑)」

  


トウマ「リョウは顔はいいのに

    モテないよなー

    まっ、男は俺みたいに中身が大事

    ってことだよな(笑)」


リョウ「お前が言うな(笑)」


トウマ「リョウのタイプってどんな?

    周りで誰かいい子いないの?

    綺麗な先輩とかもいるじゃんか」


リョウ「…いない

    俺年上は苦手だから」


リカ「そういえばリョウ、

   中学校の時、学校一美人の

 アリサ先輩に告られたことあったよね!」


トウマ「たしかにあった、

    お前なんであの時先輩のこと振った

    んだっけ?」


リョウ「年上ってのもあるけど、

    あの先輩自分に酔ってたじゃん、

    俺本当そういうの無理だから」


トウマ「お前の理想高すぎない?

    俺アリサ先輩に告られてたら100%

    付き合うけどね(笑)」


リサ「うわ〜軽い男(笑)」


トウマ「だってさ、顔と性格がいい女子

    なんて見たことねーもん、

    

    あのアリサ先輩を超える美しさって

    言われてる 如月さん だって

    何か根暗だしな…」


リサ「本当ねー、

   あの子こそ容姿は完璧なのにもったい

   ないよね!」



俺は如月さんの名前を聞いて動揺した。



それでも本当は如月が心のどっかで気になってるっていうのが言えなかった。




バッティングセンターを出た後も3人で夜飯食ったりして、

結局あいつらと別れたのは夜の9時過ぎだった。



俺の家は漁港のすぐ目の前にある。



帰り道を一人歩きながら海を眺めていた。


   「今日は波が穏やかだな。


    なんだあれ……」



防波堤の下には死角になるようなちょっとした岩場がある。


俺は人一倍視力がいいせいか、

そこに人が座ってたのを見つけた。


「こんな遅くに一人で何やってんだ」



俺はその場所を見つめながら、気がつかれないようにゆっくり近づいた。



潮風で長い髪と、ワンピースらしき服が揺れるのが見えた。


女か…?



女が一人でこんな夜遅くに。

俺は更に気になった。





そして数メートル先になった時だった、








「っ!!………」




俺は気づいたんだ。










その女の人は、如月だった…。

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きみの嘘に溺れる時 ぐるくん @rentrakichi-1226

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