きみの嘘に溺れる時

ぐるくん

1話目*・ 君は…

俺は水樹リョウ。


年は17。


俺はこの港町に生まれ育った。


昔から漁が盛んで、

俺の親父も漁師をしている。


俺はずっと親父と二人暮らしだ。

お袋は元々病弱で俺を産んですぐに亡くなった。



高校はまぁまぁ楽しい。

子供の数が少ないからクラスも一学年1クラスしかないし、

高校の奴らも皆んな顔見知りで幼馴染みなんて何人いることか。


馬鹿騒ぎした高校生活も早二年目を迎えた。


そんな俺にも唯一話したことがない子がいる。


どんな子かもしらない、

名前だけは知ってる、

彼女の名前は…如月エル。



いつも不思議な雰囲気で、周囲から孤立している。


というか、近寄せないんだ。


俺は、たまにすれ違い様に見るとか

遠くから眺めることしかできないけど…


ブルーに近い黒髪、

顔のパーツはくっきりしていて

瞳は頭髪と同じ色、

それでいて色白でスラっとした長細い足。


男なら誰もが羨むような容姿なだけあって、

彼女に言い寄る奴は多いんだ。


でも彼女は口を閉ざしたまま無視するだけ。


だから、周囲の男子は彼女を、あいつ呼ばわりし始めた。


相手にされないのが悔しかったんだろう。

「あいつ変だよな」

「ノリ悪くね?」 とか。


月日を重ねる毎に彼女の存在は異質になっていった。

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