爽やかイケメンとふわふわな髪型の女子生徒
ーー昼休み 一階の学食の自販機前
高道修司。
同じクラスで、クラスの中心メンバーだ。
長身で少女漫画に出てきそうな、爽やかイケメンだ。
人の和を大事にするタイプで、リーダーシップはあるが。ま、八方美人とも言えるな。
で、何で俺が普段なら話題にすることがない高道のことを話しているかと言うと。
「じゃあ、千神君は盗撮写真を撮った犯人とは接触してないわけだね?」
「ああ、力になれなくてすまなかったな」
「いや、どちらかと言えば、盗撮犯と接触していない生徒の方が多いから」
おっぱいランキングから連鎖的に露見した盗撮写真の売買。
高道などの一部の生徒は犯人探しを目立たないようにしている。
ちなみに学校側は警察や市や県の上からかなり怒られたらしく、学校側は捜査協力はしたようだ。
「捜査の方はどう?」
「全然ダメだ。山杉君や宮谷君にも手伝ってもらったけど、犯人が使っていた連絡先も破棄されていたみたい」
山杉と宮谷は機械関係がかなり強い。
俺も山杉達には、ゲーム関連でスマホやPCについて色々教えてもらった。後、たまにスマホゲーやネトゲで遊んでいる。
「じゃあ、この辺りが潮時?」
「うん、警察も調べているし、限界かなって」
俺の言葉に高道は苦笑い気味で答える。
ま、こればかりはな。ハッカーなら連絡先から、ハッキングとか? して犯人を調べられるかもしれないが。
「高道は彼女もいるから、大変だったな」
「ああ、見つけられなくて悔しいよ。犯人の顔を一発殴るつもりだったし」
普段は穏やかなんどが、高道の表情はかなり怒りに燃えている。
コイツ、意外と男らしいケジメのつけ方だな。
「まあ、もし犯人が接触してきたら、教えるよ」
「ああ、頼むよ」
高道はそう言ってその場を去っていった。
あぁ、リア充は大変だな。
そう思いながら、俺と文芸部の部室へ歩き出す。
しかし、盗撮犯人か。
幸いなことに優依は大丈夫だったらしいが、 俺も出来るなら、犯人を一発殴りたいな。
そんなことを考えながら、ぼんやり渡り廊下を歩いていると。
タッタッタッタッタッタッ! と走る音が聞こえて反射的に右を向くと校舎裏から一人の女子生徒が慌てた様子で走り去った。
「なんだ?」
ふんふわな髪型の小柄な女子生徒だ。
横顔から、かなり可愛い顔立ちをしている。誰だ? と思って反射的に彼女の胸を見る。
すると、
「(なるほど、見覚えがないわけだ)」
彼女のおっぱいは可哀想なくらいペッタンコだった。
失礼な話だけど、俺は人の顔を覚えるのが苦手だ。
芸能人の顔と名前も一致しない。
なので、クラスメイトならまだしも、他のクラスのちっぱいな女の子のことを覚えるのは難しい。
特徴があれば、印象に残るかもしれないが。
しかし、なんで校舎裏から?女子生徒が走ってきた方には、確か園芸部の花壇や小さな温室しかない筈だ。
園芸部の子か? けど、どうして、あんなに慌てていたんだ?
「あ、呼び出されて、告白でもされたのかな?」
それとも、告白して振られてショックで、か? 逃げ出した?
「ま、いいか」
俺は高道に話をしていたので、ちょっと時間を使った。いちびょうでも多く文芸部の部室で優依と一緒にいるために部室へ急いだ。
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