二人用のマット 1


盗撮騒ぎは進展のないまま、五日が過ぎた。

購入した生徒も盗撮データを破棄させられ、盗撮事態には関与していない。と判断されたあとは、犯罪関わる物だと知っていて購入したので、反省文とかなりの長い期間のボランティア活動し参加させられるらしい。


仮に彼等が購入を持ち掛けられたモノが薬物とかだったら、洒落にならないしな。

駄目な物を手に入れるリスクを今回のことで分かっただろう。


購入した奴等が今後、怪しい取引を持ち掛けられても拒否することを願おう。




さて、人とは飽きやすい。

被害に合わなかった生徒達は普段通りの日常を過ごし始めている。


盗撮の被害に合った生徒達はまだ怒っているし、被害者生徒の親達が警察などにも相談したらしい。


学校側は宥めたらしいが、親達の反発に合ったようだ。


干渉されるのが嫌いな学校側と捜査させろやぁ!! な警察側、親達。この三者がどんなやり取りがあったのか分からないが、警察は派手に動いていない。


まあ、パトカーの見廻りは増えた気がするが。


今のところ、平穏な日常だ。


※※※※


「薄いけど、けっこう柔らかい」

「レジャーシートだけで、床に横になると背中が地味に痛かったからな。ちょうど店でみかけて買ったんだ。夏用の二人用のマット」


俺が持ってきたマットを触りながら、優依は笑みを浮かべている。


今、優依が触っているマットはかなり小さく折り畳みが出来るので、俺のスクールバックを空にして無理やり入れて持ってきた。


そして、今日のために少しずつ、文芸部の隣の資料室を綺麗に掃除して、今俺達は資料室に居る。


文芸部の部室で横になるのも良いけど。

盗撮騒ぎがあったばかりだ。教師がたまに見回りしはじめた。


仕方がないので、やましいことをしていないのに証明にドアを開けて直ぐに教師がくることを察知できるようにして、俺は優依とイチャイチャしている。

気配を感じたら直ぐに離れるつもりだ。



「じゃあ、こっちに」

「う、うん」


相葉に謝った後も、優依とはあまり触れ合いが出来なかった。


一緒にはいるのだが、然り気無く拒否されていた。


とは言え常に俺のそばに居るし、くっついても来るので、少し待つことにしたわけだ。


上履きをぬいで、レジャーシートの上に敷いた夏用のマットに寝転ぶ。


ソラサラとした肌触りで心地好い。


優依も上履きをぬいで、俺の隣に横になった。


「あ、出来ればブレザー脱いでくれる」

「っ、うん」


優依が制服のブレザーを脱ぐとクリーム色のスクールセーターを押し上げる形の良いおっぱいが目に入る。


「大きいな」

「変態」

「ごめん、でも」


俺は優依の頬に手を伸ばし、優依を見つめながら、自分の気持ちを正直に伝える。


「優依(おっぱい)が好きなんだ」

「ーーっ」

「抱き締めて良いか?」


俺の言葉に優依は凄く恥ずかしそうにしながらも、しっかりと頷いてくれる。


「優依」

「む、睦月さん」


俺と優依は自然とお互いの距離を詰めて、お互いに強く抱き締め合った。


最近、ソフトな触れ合いだけだったから、今日はちょっと爆発しそうだ。


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