匂いと肌触りと柔らかさ
レジャーシートの上に俺と優依は向かい合い横になる。
そして、俺の顔面が優依の胸の辺りになるように、優依は身体の位置を調整。
お互いに正面から抱き合うように、やや俺が優依に覆い被さる形に、自身の身体を優依に預ければ。
「ああ、柔らかくて良い匂い」
ふかっふかの優依のおっぱいまくらが俺を出迎えてくれる。
そして、深呼吸。程よい汗の匂い。好きな女の子の匂いだと不思議と好ましい匂いに感じるから心とは不思議なモノだ。
今まで好きだった人を嫌いになると、自然とその人物の匂いや汗、触れたものまで嫌悪感を持つようになる。
好きになると不思議なことに、汗や唾液などが平気になる。
変な性癖はないが、耳を舐めるとか昔はおいおい。と思ったが今は平気だ。
「睦月さん、心地好い?」
「あぁ、最高だ」
顔全体を包み込むおっぱい。ワイシャツの肌触りとおっぱいの柔らかさが素晴らしい。
「なら、よかった」
「重くない? 優依」
「大丈夫」
俺はゆっくりと顔面を優依のおっぱいにぐりぐりと押し付ける。この時力任せではなく、優しく探るように力を入れるのがポイントだ。
強くやると優依が痛いだけだしな。
「……ふぅ」
「睦月さん」
俺が目を閉じて身体から力を抜くと、優依は俺の頭を包むように抱き締めてくる。
「赤ちゃんですね」
「ははっ、うん。そう言われても仕方がないな」
「…………」
「…………」
しばらくの間、俺と優依は無言で抱き合った。
「ありがとう、もういいよ」
「分かりました。じゃ、じゃあ、次は……」
俺の言葉に俺の頭を抱き締めていた腕から力を抜く。
「睦月さんの腕枕をお願いしても良いですか?」
「勿論だ」
俺はブレザーを脱いで、ネクタイも外し、身体の位置を変える。今度は優依の頭が俺の胸元に来るように調整する。
で、左腕を伸ばして、「いいよ」と優依に声をかけると、優依は少し遠慮がちに俺の左腕の上に頭を乗せて、俺にすり寄ってきた。
「睦月さん、また筋肉が少し付きました?」
「ああ、その胸板は少しくらい筋肉があった方が良いかなって」
「はい、でも、多すぎるのも」
「分かってる、程々が良いんだろ?」
「はい」
俺は右腕を優依の腰に回して自分の方に優しく引き寄せる。
優依も俺の方に近寄る。
「腕、痺れませんか」
「そんなに早く腕は痺れないよ。辛い時は言うから」
「はい」
お互いに数分の添い寝。何時もの日常。
「睦月さん」
「何?」
けど、それは少しずつ変わっていく。
「わたし、夏のイベント、サブフェスに参加したいです」
「…………はい?」
彼女との新しい日常が始まっていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます