進路希望は魔法族
アリエッティ
家族会議
今日は少し緊張する。なんだって将来の話を親にするんだからさ!
「父さん俺魔法使いになりたいんだ」
「馬鹿な事を言うな、お前自分が何を言っているのかわかってるのか?」
「お父さん..。」
「母さんは黙っていてくれ!」「…」
反対されるのはわかっていた。
だけど意思は固い、決して揺るぎない
「お隣のサトルくんは医者になるっていっているんだ。..なのにお前は魔法使いになるだと?」
「本気なんだ!
ちゃんと呪文の練習もしてる、最近では炎が渦を巻くようになったよ!」
「どのくらい凄いんだそれは?」
「柔道でいうと緑帯くらいかな。」
「微妙じゃないか、やめなさい魔法使いなんて。才能が無いんだお前には」
「そんな事ないよ、俺だって出来る」
「いいから直ぐに杖を置きなさい!
だいたいなんだその先のぐるぐるは?
形だけ一端のやつを揃えるな!」
父さんはわかっていない。
先がぐるぐるのやつの方が魔術のキレがいいって言うのに、そういう話も聞こうとしない。
「父さんはいつもそうだ!
そうやっていつも俺の可能性を潰す」
「待て、なんだその本は!
魔術書か?魔術書じゃないだろうな?
杖よりも強い呪文を撃つつもりか!」
「父さんのわからずやー!」
「ぎゃあー!」「なんで母さんに⁉︎」
母さん電撃的な刺激に存分に晒されたけど大丈夫なのコレ?
「し..死ぬ...。」
「死ぬって言ったぞケンジー!
母さん死ぬって、今死ぬって母さん」
「よく見てみなよ父さん。」
「何?」「母さんは生きてる!」
「ガ..ガギヒピ...ギギギギギ....‼︎」
「原型が不安定です!」
何この不規則な動き⁉︎機械的な音声⁉︎
少なくとも私の愛した母さんではありません!
「いけ母さん、父さんを説得しろ!」
「ヒヒ..殺ス...!」
「今〝殺す〟って言った!?」
「おい、いいよかよぉ?
このままじゃお前、無事じゃ済まねぇさっさと受け入れちまえよぉ..!」
「親説得させる気ある!?
息子のそれじゃねぇよ最早お前!!」
「ギリヒヒヒヒヒィ...!」「怖っ!」
やむを得ん、使いたくなかったが..。
「祈りを与えよ、エクスカリバー!」
「くっ..なんだ?」
光存分に属性の呪文は浄化を与える。
「その先のぐるぐるした棒は..!
父さん、あなたはもしかしてその昔」
「...魔術師だったよ。
だからこそお前に同じ道を歩ませたくなかった、私の親心だぁ!!」
砕けろ、悪しきダークマターよ!
「グ..ググ...アアァァァァーッ!!」
「……ふぅ。」「..父さん」
「やりたければ好きにしろ」「え?」
「お前の決めた事だ。私が止めるべきでは無い、そうだろ?」
「...ありがとう、父さん。」
俺の将来が決まった
そう、俺は...公務員になる。
進路希望は魔法族 アリエッティ @56513
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