人魚を食べた日

水無月 昴

プロローグ

何時も一緒に居た幼馴染。長い髪を揺らし活発に笑うその瞳は、夕日の映り込んだ海を連想させる。いつもその瞳を楽しそうに見開き、砂浜をくるくると回りながら歩く彼女の笑顔が、いつまでも見られると思っていた。それが当たり前だったから。それが僕らの日常であり、僕らにとっての平穏であり、僕らにとって一番特別な時間だったから。

 けれど、そう上手く行くなんて事は、小説でもなければそうそうない。現に彼女はもう、僕と会話を交わす事は無いのだから。

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人魚を食べた日 水無月 昴 @minazukisubaru

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